>世界連邦主義
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2005/06/15 12:39 投稿番号: [10546 / 17759]
nita2さん、はじめまして。ご認識が決定的に間違っておりますが誰も指摘される方がいらっしゃらないので、僣越ながらご説明します。
>世界連邦主義はカントの永久平和論に端を発し、
>国際連盟や国際連合設立の元にもなった思想です。
――と仰られている部分なのですが、カントはルソーとともに世界連邦構想を否定しています。
世界連邦構想を提示した代表的な論者の一人にフランスのサン・ピエールがおりますが、このサンピエールの構想を「非現実的である」とかなり痛烈に批判したのがジャン・ジャック・ルソーです。
カントもルソーと意見を同じくしており、サンピエールの世界連邦構想に終始否定的でした。
カントが「永遠平和のために」で示した構想は世界連邦とは別物で、共和制を採用した国家が集まった「自由な諸国の連合」です。
国連が中央集権的な世界政府ではないということからも、国連による国際協力体制は世界連邦ではないことについて容易に理解できることであるはずです。
ホッブス的自然状態における国際無秩序→国連に見られる「自由な諸国連合」→EUの統合過程に見られるsupranatinal polity(超国家政治体)→世界政府創設による世界連邦制――と、国際秩序制度の発展を大雑把に順序着けるとしたら、概ねこのようになりますが、それぞれの段階で概念の規定内容が異なりますのできちんと整理しなおした方がよいか思われます。
そしてサンピエールに批判的だったカントの提案は、あくまで「自由な諸国連合」であり、これを世界連邦と理解してしまうと、サンピエールに向けた批判を止揚する形で登場したカントの思想を読み誤っていることになります。
後、気になったのは、
>国際法では、すでに存在してる普遍的な概念である
>自然法を発見した場合は条文がなくても適用できるんですよ。
――という理解をしている国際法の実務家や者はおりません。
適用上の問題と立法上の問題をごっちゃにされていると思われます。
nita2さんの考え方に近い国際法学者をあえて探してみると、政策志向型国際法論を確立したマクドーガル率いるイェール学派に所属するリチャード・フォーク・プリンストン大教授がいますが、彼の場合も「ニュルンベルグ・東京裁判における法適用は時後法であった」とし裁判における法適用に問題があったことを指摘しています。
その上で、ニュルンベルグ・東京裁判の際に生まれた「侵略の罪」「人道に対する罪」「平和に対する罪」――の3つは、法適用上大いに問題があり、時後法で裁かれた裁判の正統性を認めることはできないが、これらが後の国際人道法や戦争犯罪の規定内容の具体化に大いに貢献することになったと述べ、国際「立法」における求心力を評価する論文は出しております。
自然法を自然法のまま適用するということは国際法領野でしてはいません。自然法における概念を実体化するという立法過程を通過した上で、条文化された自然法を適用するという形になっているはずです。
>世界連邦主義はカントの永久平和論に端を発し、
>国際連盟や国際連合設立の元にもなった思想です。
――と仰られている部分なのですが、カントはルソーとともに世界連邦構想を否定しています。
世界連邦構想を提示した代表的な論者の一人にフランスのサン・ピエールがおりますが、このサンピエールの構想を「非現実的である」とかなり痛烈に批判したのがジャン・ジャック・ルソーです。
カントもルソーと意見を同じくしており、サンピエールの世界連邦構想に終始否定的でした。
カントが「永遠平和のために」で示した構想は世界連邦とは別物で、共和制を採用した国家が集まった「自由な諸国の連合」です。
国連が中央集権的な世界政府ではないということからも、国連による国際協力体制は世界連邦ではないことについて容易に理解できることであるはずです。
ホッブス的自然状態における国際無秩序→国連に見られる「自由な諸国連合」→EUの統合過程に見られるsupranatinal polity(超国家政治体)→世界政府創設による世界連邦制――と、国際秩序制度の発展を大雑把に順序着けるとしたら、概ねこのようになりますが、それぞれの段階で概念の規定内容が異なりますのできちんと整理しなおした方がよいか思われます。
そしてサンピエールに批判的だったカントの提案は、あくまで「自由な諸国連合」であり、これを世界連邦と理解してしまうと、サンピエールに向けた批判を止揚する形で登場したカントの思想を読み誤っていることになります。
後、気になったのは、
>国際法では、すでに存在してる普遍的な概念である
>自然法を発見した場合は条文がなくても適用できるんですよ。
――という理解をしている国際法の実務家や者はおりません。
適用上の問題と立法上の問題をごっちゃにされていると思われます。
nita2さんの考え方に近い国際法学者をあえて探してみると、政策志向型国際法論を確立したマクドーガル率いるイェール学派に所属するリチャード・フォーク・プリンストン大教授がいますが、彼の場合も「ニュルンベルグ・東京裁判における法適用は時後法であった」とし裁判における法適用に問題があったことを指摘しています。
その上で、ニュルンベルグ・東京裁判の際に生まれた「侵略の罪」「人道に対する罪」「平和に対する罪」――の3つは、法適用上大いに問題があり、時後法で裁かれた裁判の正統性を認めることはできないが、これらが後の国際人道法や戦争犯罪の規定内容の具体化に大いに貢献することになったと述べ、国際「立法」における求心力を評価する論文は出しております。
自然法を自然法のまま適用するということは国際法領野でしてはいません。自然法における概念を実体化するという立法過程を通過した上で、条文化された自然法を適用するという形になっているはずです。
これは メッセージ 10521 (nita2 さん)への返信です.
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