中国軍の上海爆撃3
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/02/21 18:34 投稿番号: [753 / 2250]
松本重治氏著 『上海時代(下)』 中公新書
195〜196p
《 十四日午後四時少し過ぎ、私が
「同盟」
支社にいると、
中国空軍の編隊が上手から黄浦江上空に進んで来て、旗艦
「出雲」
の高射砲や
機関銃が反撃しているようだと、記者の一人が急いで駈けよって、知らせてくれた。
すぐ窓側に行き、黄浦江の上空を眺めると、マルチン爆撃機の五機編隊で、
「出雲」
めがけて進んでいるではないか。
私の肉眼では、編隊の高度はだいたい七、八百メートルとみた。
「出雲」
その他の高射砲がパーン、パパーンと鳴り響いている。
ふと見ると、五機のうち一機の急所に高射砲の弾が命中したらしい。その一機が隊伍を
乱すかと見ると、中国空軍の射手らしいものが、其っ逆さまに降ってきて黄浦江にじゃぶん。
すると、編隊は
「出雲」
の方向からやや左旋回し始めたと思うと、
一つ、二つ、三つと大型の爆弾を落しつつ、租界上空を通って飛び去った。
一つは愛多亜路の十字街の舗装道路上で炸裂した。
その十字街の一角には大衆歓楽センターである「大世界」と言う四・五階のビルが有り、
十字街上と
「大世界」
内にいた千人余りが、爆風と破片とで死亡した。
第二弾は南京路カセイホテルの玄関先で炸裂し数百枚の窓ガラスが破壊された。
その為、通行中の中国人約二百名、外人八名が死んだ。
その外人のうちには、ライシャワー元大使の兄に当る
ロバート・ライシャワー
(有名な日本古代史の学者)
も含まれていた。
第三弾は、南京路を隔ててカセイホテルの向かい側のパレスホテルの屋根を
貫いて地階に達し、数十人の死傷者を出した。・・・
「同盟」
支社の中国人使傭人は、急に動揺の色を見せ、同僚記者たちも、
期せずして私の顔を見た。
私は、窓口から編集デスクに戻って、大声でみんなに
「僕たちは新聞記者だ。死場所はこのデスクだよ。冷静に落ちついて、ジタバタするな」
と命令した。
すると、みんな、 「そうだ、そうだ」
といって、
各自デスクに戻り、仕事を続けてくれた 》
*
この爆撃による死傷者は
キャセイホテルとパレスホテルの間で死者729名、負傷者861名、
エドワード七世通りとドモンティグニイ通りの交差点にて死者1012名、負傷者1007名
この時の死傷者の大半は中国人でした。
これは メッセージ 752 (kireigotowadame さん)への返信です.
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