盧溝橋事件13 対策の打ち合わせ
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2010/07/05 18:22 投稿番号: [497 / 2250]
寺平忠輔著 『日本の悲劇
盧溝橋事件』 読売新聞社刊
91〜92p
《 機関長、桜井顧問、それに西田顧問と私、合計四人が二階の応接室で
緊急会議を開いた結果、当所の対策としては、
まず第一に中国側要人を十分説得して現地の実情を正しく認識させ、
我が方の不拡大方針に同調させる。
次には日華双方の責任ある代表者を現地に派遣して、
急速に事態の解決に当らせる。
この二つはこの際どうしても早く手を打たなければいかん、と意見が一致した。
これはまた、牟田口連隊長の考えとも、符節が合っていた。
林耕宇から、またもや電話がかかって来た。機関長自ら受話器をとると
「ただいま私、秦市長の宅に来ております。
外交委員会の魏主席も見えておりますが、魏主席の意見として、
事件の不拡大は、第一線部隊の軍事行動停止にまずその端を発しなければならない。
中国軍に一切の行動停止を命ずる事はもちろんやりますが、
日本軍もまた、そうした行動を中止するよう、
特務機関の方から取り計らって頂きたいとの希望なんですが……」
機関長は答えた。
「魏主席の意見には趣旨としてはもちろん賛成だ。
こちらとしてもすでにとるべき最善の策はドシドシとっている。
しかし現地の部隊は現地の実情に即応し、
どのように行動するかはわかったものじゃない。
それを委細かまわず、北京から電話一本で即時行動停止ったって、
少々無理というものだ。
そこでこの際、電話連絡みたいなまだるっこい方法よりも、君の方と僕の方と
双方から責任ある代表者を一刻も早く盧溝橋に送って、現地解決で片付けたらどうだい。
この意見を秦市長に君から話してみてくれ給え。そして早速代表者をきめて
僕の方に知らしてくれ給え。僕の方はいまもうその準備にとりかかっているんだから」
私はその時、別の電話にかかって旅団の小野口副官からの通報を聞いていた。
「……豊台の一木大隊は、盧溝橋の東約一キロ、一文字山付近に位置して、
極力前面の敵情を監視中なんです。
一方、通州に野営中の木原大隊は、直ちに自動車で呼び寄せるよう手配し、
取りあえず朝陽門外の射撃場に集結を命じました。
ついてはこの部隊を交民巷 (チャオミンシャン) に入れるために、夜中ですけれど
朝陽門の開門を特務機関から中国側に要求していただけませんか。
それから、日華双方から代表者を現地に派遣する場合、牟田口連隊長はいまちょっと
北京を動かれませんので、連隊長代理として森田徹中佐を遣る事に決まりました。
中国側から回答あり次第、私の方へ連絡をお願いします」》
つづく
これは メッセージ 496 (kireigotowadame さん)への返信です.
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