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1月11日 和平関係の大本営御前会議

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2009/12/23 16:08 投稿番号: [290 / 2250]
児島襄著 『日中戦争4』 263〜264p

一月十一日、政府、大本営首脳をあつめた御前会議がひらかれた。

近衛首相が回答期限を十日にしたのは、この日の御前会議が予定されていたので、
その前に中国側の姿勢を知っておきたい、と思ったからである。

だが、返事は来ない。
大本営御前会議は、日本にとっては、日露戦争いらいの行事である。


とかく〝欲ぼけ〟的に長期戦にはまりこむことをおそれた参謀本部が、
とくに強硬に開催を主張した。

このさい、情勢の変化に応じて転変しないよう、
はっきりと和平交渉の基本方針を確立しておく必要がある。

その方針を最重要のものとして 「確固不動」 にするには、閣議や大本営・政府
連絡会議ではなく、御前会議での決定こそ望ましいし、また、ふさわしい……。

外務省や海軍、陸軍の首脳部の間には、御前会議をひらくほどのこともない
との意見が強かったが、参謀本部はがんばった。

第二課員堀場一雄少佐は、海軍省軍務局第一課長保科善四郎大佐と激論し、あわや、
「彼、逆上して短剣を抜きて迫らんか、余は水月をもって之に応ぜん」

と、身がまえる一幕もあったほどだが、ともかく御前会議開催にこぎつけたのである。


会議は、前年十二月二十一日の閣議で決定した和平条件を
「支那事変処理根本方針」 としたが、「支那現中央政府」 が

「和ヲ求メ来ラザル場合」 の対策を、次のように規定した。

「帝国ハ、爾後 (じご) 之 (これ) ヲ 相手トスル   事変解決ニ 期待ヲ掛ケズ……

之ガ潰滅ヲ図リ、又ハ 新興中央政権ノ 傘下ニ   収容セラル如ク施策ス」


そして、中国側の回答期限を、あらためて 「一月十五日」 に設定した。
なぜ、十五日なのか。

一月二十日ごろに再開される第七十三帝国議会にそなえるためだ、と知り、
「血ノ気ノ多イ」 参謀本部第二課員堀場少佐は、またもカッとした。

「国家の運命を決する大事を、議会対策の便宜より割出す。
本末顛倒も甚しきものなり」
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