12月12日のラーベの日記 1
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2009/09/05 16:09 投稿番号: [167 / 2250]
十二月十二日
日本軍はすんなり占領したのではないかという私の予想はみごとにはずれた。
黄色い腕章をつけた中国人軍隊がまだがんばっている。
ライフル銃。ピストル。手榴弾。完全装備だ。警官も、規則を破ってライフル銃をもっている。
軍も警察も、もはや唐将軍の命令に従わなくなってしまったらしい。
これでは安全区から軍隊を追い出すなど、とうていむりだ。
朝の八時に、再び砲撃が始まった。
十一時に唐将軍の代理だといって龍上校と周上校がやってきた。
三日間の休戦協定を結びたい、ついてはその最後の試みをしてもらえないかという。
休戦協定の内容は ― この三日間で、中国軍は撤退し、日本軍に町を明け渡す。
われわれは、まずアメリカ大使あての電報、つぎに調停を依頼する唐将軍の手紙
(大使に電報を打つ前に、唐がこれをわれわれに出さなければならない)、
最後に軍使に関するとりきめを、まとめあげた。
軍使は、白旗に守られて、
前線にいる日本軍の最高司令官にこの手紙を渡さなくてはならない。
シュペアリングが、軍使をつとめようと申し出た。
龍と周が唐将軍の手紙をもって戻ってくるのを、昼の間じゅういまかいまかと待っていた。
夕方六時近くになってようやく龍が姿を見せた。
龍は言った。
「残念ながら、せっかくの努力が水の泡でした。
すでに日本軍は城門の前まで攻めてきているため、時すでに遅し、とのことです」
だが私はショックを受けなかった。
こうなったのを悲しいという気持ちさえわかない。
はじめから気にくわなかったからだ。唐の魂胆はわかっている。
蒋介石の許可を得ずに休戦協定を結ぼうというのだ。
だから、日本軍あての公式書状で、「降伏」 という言葉を使われては具合が悪いのだろう。
なにがなんでも、
休戦願いはわれわれ国際委員会の一存だと見せかけなければならないというわけだ。
要するに、われわれの陰に隠れたかったんだ。
蒋介石や外交部がこわいからな。
だから国際委員会、ないしはその代表であるこの私、
ラーベに全責任をおしつけようとしたんだ。汚いぞ!
続きは順番の都合
あとで。
これは メッセージ 166 (kireigotowadame さん)への返信です.
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