第二次南京事件8 漢口2
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/12/18 15:22 投稿番号: [1328 / 2250]
『もう一つの南京事件・日本人遭難者の記録』
田中秀雄編集・解説
芙蓉書房
81〜83p
(阿部善三郎氏談)1
《事変当日は午後から二三の人々と知人の宅に集まって、対時局問題に就き
民会を開く下相談をしていたら、領事館から五時に来るようにとの電話であったが、
少し時間が早過ぎるので日本人倶楽部に立ち寄り雑談していた。
そのうち四時過ぎたのでも少し待とうと言うているとにわかに喊声 (かんせい) が
聞こえる。中街に面した球場の窓下を覗くと大勢の支那人が険しい顔して
江岸の方へ曲がって行く。
その時が午後の四時二十分。すぐ倶楽部の表門に出て見ると隣の小学校の前に
群衆が押し寄せ、中には入口に交叉した国旗に手を掛けている者もある。
自分はこれを制止すると顔見知りの男がいて、
実は今水兵が車夫を殺しここに逃げ込んだのだと言う。
そこへ学校のボーイが中から戸を開けて、水兵はとっくに裏口から
逃げたからここにはいない、何なら中に入ってみたらどうだと言う。
群衆は皆まで聞かずドカドカと入ったが水兵の姿が見えないので皆出てきた。
すると群衆の中から 『警察だ』 と叫んだと思うと、一団は雪崩を打って
領事館の方に殺到した。
その時まで自分はたいした騒ぎだとも思わず、その後から跟 (つ) いて
行くと警察の中は既に群衆で一杯になっている。
その中に暴徒の一人がイキナリ電話機を取って総工会本部を呼び出している。
何言うかと思うと 『今工友が日本租界で日本水兵のために殺されたので
談判中だ、至急応援を頼む』 と言うている。
群れをなして日本官憲の公務室に乱入せるさえ沙汰の限りなのに、
その電話機を勝手に使用して暴動を企てるに至っては、言語道断、
いわゆる傍若無人の振る舞いとはまさにこれだ。
日本の巡査も支那人巡補も側にいるがまったく手の着けようがない。
そこでふと気がついたのは車夫の死体の始末だ。
巡査にどうしたかと聞くと、既に人が一杯で現場に入れないから
死体は取り出せないと言う。
これはいけないと考えたので、待たしてあった自分の車で駆け付けると、
漢口銀行の角に大瀬巡査昨年の秋、暴徒の群れから瀕死の邦人を救出した
剛勇な巡査が立っていて、手を振って止めている。
どうしたのですと聞くと、暴徒は今浪花食堂と山吉の掠奪を始めたところで、
とても危険で近寄れないとの話。
そこで引き返して直ぐに総領事の室に飛び込んだら領事はバンドに行ったと言う。
行ってみるとなるほどいる。総領事大変ですぞと言うと、イヤ分っとる、
それよりも君大分激昂してるようだが、マアマア僕の室に入っていたまえと
言って本館に導かれた。そして総領事自身はまた出て行く。
残された自分はいろいろ気に懸かってジッとしておれないので、裏口から
脱げ出て民団役所に行き、租界内ボーイを外出させぬように家々に注意書きを出さした。
というのはこんな際にボーイどもが参加して騒ぎが一層に大きくなった前例があるからだ。
その頃は街上は群衆の人波だ。もちろん表通りは歩けないので
裏手から学校の広庭を脱けて日本人倶楽部の裏口に行ったら戸が開かない。
やむなく学校の人に二階から窓をこじ開けてもらって倶楽部の二階に入ると
書記の高橋君がいて、今田中副領事が暴徒に乱打されそのまま引かれて行く所ですと言う。》
* 中国人は突き飛ばされただけなのに、殺されたことにされ、
架空の殺人事件で日本人が暴行を受けている。
つづく
81〜83p
(阿部善三郎氏談)1
《事変当日は午後から二三の人々と知人の宅に集まって、対時局問題に就き
民会を開く下相談をしていたら、領事館から五時に来るようにとの電話であったが、
少し時間が早過ぎるので日本人倶楽部に立ち寄り雑談していた。
そのうち四時過ぎたのでも少し待とうと言うているとにわかに喊声 (かんせい) が
聞こえる。中街に面した球場の窓下を覗くと大勢の支那人が険しい顔して
江岸の方へ曲がって行く。
その時が午後の四時二十分。すぐ倶楽部の表門に出て見ると隣の小学校の前に
群衆が押し寄せ、中には入口に交叉した国旗に手を掛けている者もある。
自分はこれを制止すると顔見知りの男がいて、
実は今水兵が車夫を殺しここに逃げ込んだのだと言う。
そこへ学校のボーイが中から戸を開けて、水兵はとっくに裏口から
逃げたからここにはいない、何なら中に入ってみたらどうだと言う。
群衆は皆まで聞かずドカドカと入ったが水兵の姿が見えないので皆出てきた。
すると群衆の中から 『警察だ』 と叫んだと思うと、一団は雪崩を打って
領事館の方に殺到した。
その時まで自分はたいした騒ぎだとも思わず、その後から跟 (つ) いて
行くと警察の中は既に群衆で一杯になっている。
その中に暴徒の一人がイキナリ電話機を取って総工会本部を呼び出している。
何言うかと思うと 『今工友が日本租界で日本水兵のために殺されたので
談判中だ、至急応援を頼む』 と言うている。
群れをなして日本官憲の公務室に乱入せるさえ沙汰の限りなのに、
その電話機を勝手に使用して暴動を企てるに至っては、言語道断、
いわゆる傍若無人の振る舞いとはまさにこれだ。
日本の巡査も支那人巡補も側にいるがまったく手の着けようがない。
そこでふと気がついたのは車夫の死体の始末だ。
巡査にどうしたかと聞くと、既に人が一杯で現場に入れないから
死体は取り出せないと言う。
これはいけないと考えたので、待たしてあった自分の車で駆け付けると、
漢口銀行の角に大瀬巡査昨年の秋、暴徒の群れから瀕死の邦人を救出した
剛勇な巡査が立っていて、手を振って止めている。
どうしたのですと聞くと、暴徒は今浪花食堂と山吉の掠奪を始めたところで、
とても危険で近寄れないとの話。
そこで引き返して直ぐに総領事の室に飛び込んだら領事はバンドに行ったと言う。
行ってみるとなるほどいる。総領事大変ですぞと言うと、イヤ分っとる、
それよりも君大分激昂してるようだが、マアマア僕の室に入っていたまえと
言って本館に導かれた。そして総領事自身はまた出て行く。
残された自分はいろいろ気に懸かってジッとしておれないので、裏口から
脱げ出て民団役所に行き、租界内ボーイを外出させぬように家々に注意書きを出さした。
というのはこんな際にボーイどもが参加して騒ぎが一層に大きくなった前例があるからだ。
その頃は街上は群衆の人波だ。もちろん表通りは歩けないので
裏手から学校の広庭を脱けて日本人倶楽部の裏口に行ったら戸が開かない。
やむなく学校の人に二階から窓をこじ開けてもらって倶楽部の二階に入ると
書記の高橋君がいて、今田中副領事が暴徒に乱打されそのまま引かれて行く所ですと言う。》
* 中国人は突き飛ばされただけなのに、殺されたことにされ、
架空の殺人事件で日本人が暴行を受けている。
つづく
これは メッセージ 1326 (kireigotowadame さん)への返信です.