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第二次南京事件3 埠頭の流血

投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/12/09 18:46 投稿番号: [1304 / 2250]
『もう一つの南京事件・日本人遭難者の記録』田中秀雄編集・解説   芙蓉書房
30〜31p


《 連合軍   (国民党以外の軍)   退却開始と同時に恐るべき掠奪暴行の

演ぜらるべきを予想した日本海軍では、二十二日下関すなわち江岸一帯に

在住せる邦人の大部分を駆逐艦桃、檜二隻に収容したが、

これらの避難民の中数名は家財をまとめるために上陸し、

二十三日午前十一時頃、日清汽船会社のハルクに引き返した処を折柄

襲来した革命軍   (国民党軍)   のために、行李その他所持品全部を掠奪された。



二十四日未明に南京に入った   ―   そして我領事館に暴虐を逞しくした革命軍の先鋒は、

軍艦桃、檜、濱風の碇泊せる江岸を通過の際に、

その日本軍艦であることは明白なるにかかわらず盛んに射撃を加えたため、

各艦とも数発の小銃弾痕を残した。



同じく八時過ぎにはますますその数を増した革命軍は日清汽船のハルクに殺到し、

鉄条網を引き回し桟橋を取り除きあるにもめげず掠奪を企てたので、

その附近一帯は一時混乱を極め、ハルクに在って防備に努めていた後藤機関兵曹は、

痛ましくも彼らの乱射せる銃弾に仆   (たお)   れた。

そばに居合わせた須藤医院の津田氏が助けてボートに移し手当てしたが、

遂に異域の露と消えた。



これは後日譚であるが、二十六日に日清埠頭の広場で同機関兵の葬儀が営まれ、

各艦長、居留民皆参列し焼香の最中に革命軍の一兵卒は

汚い軍服でヒョロヒョロと式場に乗り込み、歩哨兵の禁止も聞かず

『洋鬼子、ざまを見ろ』 『打倒帝国主義だ』 『ここは俺たちの土地だ、通行は勝手だ』

など口汚く罵りつつ、式場を右往左往し、

参列者を尻目にかけ祭壇の前に立ちはだかって   『洋鬼子』   と叫んだ。



洋鬼子というのは支那人が外国人を罵る言葉である。

あまりの暴状に歩哨兵は彼を捉えて殴りつけ場外に追放した。

ああ、我後藤機関兵曹は、死してなおかつ暴兵に辱められたのである。》


つづく
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