12月18日 松本重治氏の慰霊祭参列2
投稿者: kireigotowadame 投稿日時: 2011/10/19 18:39 投稿番号: [1008 / 2250]
松井大将の涙の訓示
松本重治著
『上海時代・下』
246〜249p
《 私はそれで終ったかと思っていると、松井最高指揮官が、つと立ち上り、
朝香宮をはじめ参列者一同に対し、説教のような演説を始めた。
深堀中佐も私も、何が始まったのかと、訝
(いぶか)
りながら聴いていると、
「おまえたちは、せっかく皇威を輝かしたのに、一部の兵の暴行によって、
一挙にして、皇威を墜
(おと)
してしまった」
という叱責のことばだ。
しかも、老将軍は泣きながらも、凛として将兵らを叱っている。
「何たることを、おまえたちは、してくれたのか。
皇軍として、あるまじきことではないか。
おまえたちは、今日より以後は、あくまで軍規を厳正に、絶対に無辜の民を
虐げてはならぬ。それが、また戦病没者への供養となるであろう」
云々と、切々たる訓戒のことばであった。
私は、心に
「松井さん、よくやったなあ」
と叫び、深堀中佐を顧みて、
「日本軍の暴行、残虐は、今、世界に知らされているんだ。
何とかして松井大将の訓戒のニューズを世界に撒きたいのだ。
ぜひとも報導部長の同意を得たい」
と頼むと、深堀中佐は、
「松本君、僕は大賛成だ。だが、今すぐ方面軍の参謀からOKをとってくるから、
ちょっと待っていてくれ」
という。
二十分ほどすると、深堀中佐が戻ってきて、 「参謀は、あまり賛成しないといっている」
というので、私は、 「深堀中佐、このニューズの打電を許可してくれれば、
報導部長として、日本のための最大の貢献になるのですよ。
これを許可しないというほうが報導部長の責任になるのだと考えられないですか」
と詰め寄る。
深掘中佐は、しばし考えていたが、 「松本君、君の考え方が正しい。
参謀が何といおうとかまわない。自分は報導部長の責任において、
ニューズの発表、打電を許可する」
「すごい。ありがとう。虐殺、暴行の噂は、少なからず聞いてはいたが、
松井大将の話を聞いてみると、現実に、ずいぶんわるいことをやったらしい
ではありませんか。日本軍の名誉回復の一助としたいのです。
ぜひこの電報をやりましょうや」 「松本君、やってくれ」。
私は、深掘中佐の手をとって、握手をした。》
つづく
これは メッセージ 1007 (kireigotowadame さん)への返信です.
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