捕鯨とクジラ保護

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遠洋調査捕鯨は地球にやさしくない_5_2

投稿者: springsanbo 投稿日時: 2009/02/06 15:44 投稿番号: [50663 / 63339]
もう一つ忘れてはならないのが、冷凍・空調設備に冷媒として使用される代替フロンHFCである。代替フロンはオゾン層を破壊しない代わり、種類によっては二酸化炭素の1万倍にも達する強力な温室効果を発揮するものがある。これらHFCは、設備への封入時や、メンテナンス・故障時の漏洩により大気中へ排出される。しかし、測定が容易でないこともあり、環境省の算定報告マニュアルでは事実上無視に近い扱いとなっている。

  船舶の冷凍設備に関しては、陸上施設に比べても管理が甘く、リーク量が多いのではないかと指摘されている。日新丸は1987年、補給船オリエンタル・ブルーバード号は1978年建造の老朽船であることも、念頭に置く必要がある。

  海上輸送にかかる分だけを計算するのでは不十分であろう。国内で小売店や料理店、あるいはネット販売で注文した消費者宅へ届けられる際の陸上運送にかかる二酸化炭素排出もある。例えば、20kgの鯨肉を東京から青森へ運べば、それだけで2kg分のCO2が排出されることになる。そして、もう一つ見過ごせないのが、鯨肉を在庫として保管する際に冷凍設備が消費する電力及び冷媒のHFC使用である。

  鯨肉の月末在庫は平均値が生産量の8割、最低値でも5割で、他の水産物と比べても在庫率がきわだって高い。年間を通じて最低でも2500tの冷凍・冷蔵鯨肉が全国各地の流通会社や食品会社の倉庫に貯蔵されており、そのために電力が常時供給され続けていることになる。

  まだある。投下設備のLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)──具体的には、巨大な捕鯨母船を始めとする船舶と関連設備の建造、鉄鋼など原材料の採掘・輸送・精製にかかるトータルの環境負荷まで、厳密にいえば考慮に入れる必要があるだろう。そうでなければ、他の食糧生産との対等の比較はできない。

  これらの過程で排出される温室効果ガスの量をすべて合計したならば、母船式遠洋捕鯨/調査捕鯨の鯨肉生産による環境負荷は、環境に悪いとされる牛肉の生産に匹敵する可能性もある。飼料を含めた地産地消型の畜産には確実に負けるだろう。この点については、グリーンピースは少々捕鯨に対する採点が甘すぎたかもしれない。

  念のため捕捉しておくと、調査捕鯨の活動よる二酸化炭素排出量には、目視船の走行分も含まれる。これらは直接的には鯨肉の生産に伴う排出にはあたらない。しかし今後、仮にIWC(国際捕鯨委員会)の管理下において商業捕鯨が再開された場合、RMS(改訂版管理方式)という新しいルールに則ることになり、目視調査による継続的なモニタリングが必須となる。

  結論からいえば、大型鯨類の激減、南極海生態系の荒廃と撹乱を招いた乱獲時代の商業捕鯨と一線を画する、厳重に管理された持続可能な新時代の商業捕鯨とは、きわめて環境負荷の高いものとならざるを得ないのだ。しかも、実績がない以上、海洋生態系に果たして影響がないかどうかも未知数である。
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