捕鯨と汚染_2
投稿者: capt_paul_watson 投稿日時: 2008/05/23 08:48 投稿番号: [27586 / 63339]
生物の個体数と増減率の関係は、理論的には、0の状態から個体数が増えるに従い指数関数的に上昇しますが、次第に餌の量などリソース上の制約を受けるようになり、キャパシティ=環境収容力の上限に達した時点で平衡に達します。微分すれば放物線の形となり、満限状態の50%の個体数の時が最も増加率が高くなります。古くから水産学では最大の漁獲量を得る方程式として扱われてきました(MSY理論と呼ばれます)。クジラの管理方式もこのMSYが基本になっています。もっとも、ビーカーの中のゾウリムシと違い、現実の自然の中では複雑な種間関係を考慮しなければならず、キャパシティも絶えず変動します。特に大型哺乳類は繁殖に際して密度依存的な社会行動の要素が大きく加わるため、ある程度個体数が減少すると増加する余地がなくなってしまうケースがほとんどです。魚類の場合は一度に数千、数万の卵を産むため、環境条件の好転が生残率のアップにつながりやすいのですが、クジラの場合は生殖可能年限に達するまで何年も要し、1産1仔から多産になるということもありえないため、母数に対する増分がそもそも知れています。前世紀に商業捕鯨の管理に無惨な失敗を重ねてきたのも、理論の限界を示すものといえるでしょう。
ミンククジラのカドミウム汚染が生態系のかく乱に基づくという仮定は、さらに計算外の要素があったことを教えています。人為的に増加率を上昇させようとしても、それが汚染と同様の状況を作り出して逆に死亡率の増加をもたらしかねないのです。有害物質の蓄積を考慮するなら、南半球産ミンククジラの増加率はすでに限界にあり、捕獲の圧力によってさらに上昇させることは回避しなければならないといえるでしょう。カドミウムの影響は主に腎障害であり、高齢の個体ほど死亡率が上がり、繁殖可能年限を下げる結果につながるでしょう。クジラたちを脅かす汚染物質はカドミウムだけではありません。神経毒性のある有機水銀は、死亡率増加とともに社会行動に支障をきたすことによる繁殖力の低下も招く恐れがあります。また、有機塩素化合物は直接生殖ホルモンに作用したり、次の世代に影響を及ぼす変異原性を持っています。北半球産のミンククジラではすでにPCBの高濃度の蓄積が報告されていますし、禁止措置の遅れた第三世界由来のDDTなどが南極に棲む海棲哺乳類中からも検出されています。重金属と有機塩素化合物の複合汚染についても考慮しないわけにいきません。
ミンククジラのカドミウム汚染が生態系のかく乱に基づくという仮定は、さらに計算外の要素があったことを教えています。人為的に増加率を上昇させようとしても、それが汚染と同様の状況を作り出して逆に死亡率の増加をもたらしかねないのです。有害物質の蓄積を考慮するなら、南半球産ミンククジラの増加率はすでに限界にあり、捕獲の圧力によってさらに上昇させることは回避しなければならないといえるでしょう。カドミウムの影響は主に腎障害であり、高齢の個体ほど死亡率が上がり、繁殖可能年限を下げる結果につながるでしょう。クジラたちを脅かす汚染物質はカドミウムだけではありません。神経毒性のある有機水銀は、死亡率増加とともに社会行動に支障をきたすことによる繁殖力の低下も招く恐れがあります。また、有機塩素化合物は直接生殖ホルモンに作用したり、次の世代に影響を及ぼす変異原性を持っています。北半球産のミンククジラではすでにPCBの高濃度の蓄積が報告されていますし、禁止措置の遅れた第三世界由来のDDTなどが南極に棲む海棲哺乳類中からも検出されています。重金属と有機塩素化合物の複合汚染についても考慮しないわけにいきません。
これは メッセージ 27584 (capt_paul_watson さん)への返信です.
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