捕鯨とクジラ保護

Yahoo! Japan 掲示板トピックビューアー

[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

捕鯨と汚染_3

投稿者: capt_paul_watson 投稿日時: 2008/05/23 08:49 投稿番号: [27587 / 63339]
  奇妙なことに、IWC上で議論されている改訂版の管理方式では、汚染が捕獲量の増大に働く場合もあるそうです。計算式上は、個体数の減少が単純に増分を増やすことになるためなのでしょう。しかし、汚染物質が時間をかけて蓄積され、閾値に達した時点で突如として障害の形で表面化し、生殖機能を大幅に低下させたり、次世代の未成熟個体の死亡率を上昇させる形で、個体数を快復させる"復元力"を相殺してしまうかもしれません。これは、主に旧東欧圏に由来する汚染物質の影響を受けた北海・バルト海のアザラシ等海棲哺乳類において現実にみられたことでもあります。年間捕獲量の算定は、死亡率の内訳に占める人為的捕獲による死亡の比率を引き上げることで(言い換えると、汚染で死ぬ前に捕っちゃうんだからのーぷろぶれむってこと)、結果的に個体数が維持されるという前提に基づいてなされるわけですが、生残個体の死亡率が一定の時差を置いてから急激に上昇し(あるいは死亡しなくとも繁殖成功率が著しく減少し)、年級群構成を大きく変化(突然新生児と繁殖可能メスがガタ減りする等)させるような事態はまったく想定されていないハズです。しかも、そうして蓄積した汚染物質は一朝一夕で消えるわけではなく、場合によっては元に戻るまで数世代かかるでしょう。影響が目に見えるようになってから捕獲を止めても遅いのです。コンティンジェンシーを大幅に見積もっておかないことには、シロナガスクジラを追い詰めたのと同じ過ちを将来再び繰り返すことになりかねません。
  ちなみに、同じオキアミを捕食しているシロナガスクジラにおいても、同様の汚染物質濃縮メカニズムが作用することは大いに考えられるので、カドミウム等による汚染がある時点でシロナガス等大型鯨類に駄目押しの打撃を与え、現在も個体数増加を阻害する要因になっている可能性も否定できません。ミンク間引き論がいかに視野の狭い議論かを示すものといえます。
  体重・寿命を規定する要素として重金属の生体濃縮が働くというのは、学術的にみればきわめて興味深いことなのかもしれませんが、南極の生態系の保護を考えるとき、捕鯨が汚染源になりうるというのは見過ごすことのできない問題です。水質と他種を含めた生物組織の汚染度の時系列変化を追えるだけの十分なデータがないため、はっきりした真相はわかりませんが、有害物質の排出にせよ捕鯨による生態系のかく乱にせよ、人為的活動の結果に基づくことは否定できないでしょう。商業利用の対象となりうるヒゲクジラ類の最小の種に至るまで資源管理上の手痛い失敗を重ねてきた捕鯨産業と鯨類学は、南極海生態系のバランスをここまで崩すことを予見できませんでした。南極の生物群集が今日の姿にたどり着くまでの永い進化史の間に、大型鯨類が激減して生態系が"がら空き"になり、ミンククジラなどが"無理強い"されてカドミウムを溜め込む羽目になることなど、一度も起こらなかったのは確かです。ニンゲンという種の介入に絶えられないほど南極の自然あるいはクジラという種がデリケートだったともいえるし、現代の科学がいかに未熟なものかを示してもいるのでしょう。しかし、"落とし穴"はまだあるかもしれないのです──。
[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

Yahoo! Japan 掲示板 アーカイヴ

[検索ページ] (中東) (東亜) (捕鯨 / 捕鯨詳細)