対イラク武力行使

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3>パピヨンさんへ(3)

投稿者: bonno_216 投稿日時: 2005/09/06 18:25 投稿番号: [79354 / 118550]
(つづき)

>米国でブッシュ政権を非難しても虐殺されることはありませんよ。
>メディアが堂々とやっているではありませんか。

  イラクのメディアがフセイン政権の批判を一切しなかったとでも思っておられるのですか?   イラク人は批判精神旺盛で皮肉屋が多いせいか、戦前から、政権批判記事は山ほどあり、私も当時の批判記事を何度か目にしています。フセイン政権は、経済政策で数々の失敗を繰り返していましたので、それらに対する政権への非難、攻撃は、かなり厳しいものもあったのです。政権内の重要ポストに、大統領の出身部族が優遇されていた…というような非難も、最初はイラク・メディアが記事にしており、英米メディアがそれを元ネタにして「フセイン独裁政治の実態」みたいな中傷記事を書いています。

  フセイン政権は反乱の鎮圧と、いわゆる反政府運動家狩り関して、過酷かつ残虐な態度をとっていたようですが、言論による政権批判には、かなり寛容だったようです。私は、フセイン政権に弾圧されていた人々が、すべて反逆者であったとは思いませんし、中には「政府を批判しただけ」の無実の人々が含まれていた可能性も充分にあると考えていますが、「政府への批判を口にすれば、虐殺される」なんて極端な恐怖政治じゃなかったことだけは確かです。

  米英メディアが好んで紹介する「イラク秘密警察の市民に対する暴虐」なども、亡命イラク人からの証言ではなく、ほとんどがイラク国内で発覚し、イラクのメディア上で問題になった事件を元にしています。一般の、チョット教養あるイラク人であれば、誰もが「フセイン政権の悪政についての話なら、一晩中でも喋り続けられるよ」と言うのは、彼等が、それだけフセイン政権の失策や醜聞を、メディア経由で知っているからです。

>「人間の手に収まるような小さな缶で、すべてに影響を及ぼすウイルスを
>まくことのできる生物兵器を使用することも可能である」

  この発言が、どのような文脈の中で出てきたのか興味があったので、少し調べてみましたが、原文を入手することはできませんでした。しかし、主語が割愛されていることから見て、典型的な「フレーム・アップ」ではないかと憶測しています。

  もし、この文章の主語が「われわれは」と言うのなら、脅迫めいた発言です。しかし、そうであれば、当時からイラクは生物兵器も核兵器も化学兵器も保有していないと明言していましたで、この時の発言と整合性がとれなくなります。一方、フセイン氏が2001年9月15日に発表した「西側諸国の国民に向けた声明書」の中で「大量破壊兵器は、米英が最初に作り、第一に使用してきた。彼らは自ら生み出した兵器によって、自らの身を脅威に晒している」という意味の部分があります。記事の日付から見て、上記発言は、この声明に関する談話であると考えられますので、これは、生物兵器に関する一般的脅威の解説であり「米国自身が、大量破壊兵器の廃棄を行うべきだ」という文脈の中から出てきたものではないかと考えられます。

  原文を見つけられなかったので、確信は持てませんが、いずれにせよ明らかにフレーム・アップされた記事(それも米国大使館)だけを見て「見過ごせない問題だ」と憤るのは早計ではないでしょうか?

(おわります)
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