連載(2)〜対テロ戦争=1
投稿者: bonno_216 投稿日時: 2005/08/09 13:34 投稿番号: [76971 / 118550]
前回「イラク戦争前史(1)」なんてタイトルを付けてしまったんですけど、考えてみればメインタイトルは「イラク戦争の分析」であって、その一回目が「前史」でしたね。第二回を書くにあたって、いきなりタイトルでつまづいてしまいました(冷汗)。
てなわけで、「イラク戦争の分析(1)〜前史」に引き続き「イラク戦争の分析(2)〜対テロ戦争」として続けましょう。
前回、お話したように、中東の資源地域、特にペルシャ湾岸とサウジアラビアは、米国から見て「戦略的地域」であると位置づけられます。しかし、その資源地域に住むイスラム教徒やアラブ各国の政府から見た場合、米国が戦略的地域とは位置づけられません。ということは、たとえアラブ諸国に、米国を凌ぐほどの軍事力があったとしても、アラブ軍が米国周辺に部隊を展開したり、駐留させる意味は全くないということです。
ハンチントン氏の「文明の衝突」じゃありませんが、いわゆる「侵略のベクトル」は海から陸への一方通行です。このことは有史以来、全く変化ない地政学上の原理と言えるでしょう。米国はフロンティアが西海岸に到達した時点で「海洋国家」となり、太平洋、メキシコ湾、大西洋を拠点に、対岸の資源地域を虎視眈々と狙う「外向型」文明として発展してきたのです。
米国は広大な領土と豊な資源を持っていますので、やりようによっては「自己完結」の「内向型」文明としても、高度な文明を築き上げることが可能だったでしょう。実際、一時期は「モンロー主義」を掲げ、領土不拡張、対外不干渉の政策で黄金時代を築いたこともありました。
しかし、結局「フロンティア・スピリッツ」は西海岸で終点になりませんでした。WW2後の特殊な世界情勢にも起因しますが、米国は海外に進出し、自国の影響力を拡張し続けることによってしか、成長を維持できない「帝国型」経済への道を突き進んだわけです。
このことによって、米国では他国の政治体制や経済システムまでもが「重大関心事」となります。共産圏は、米国の経済進出を阻むブロック経済であったゆえに「体制変換」しなければならない国家群であり、それらの政権は、米国にとって「悪の帝国」になったのです。
このことは「イスラム圏」にも当てはまります。米国にとって、この地域の政治体制や経済システムは重大関心事となりますが、逆はありません。つまりアラブ諸国にとって、米国の政治体制や経済システムは興味の外なのです。
さて、ここで問題です。他国の政治体制や経済システムを変えようとする動機を持つ側と、それを持たない側…この構図に於いて、テロや戦争は、どちらの思惑によって起こされると考えられるでしょうか?
答えは簡単ですね。これを現在の米国と中東に当てはめてみれば、次の理論が成り立ちます。
「米国は、中東地域の各国に対して、政治体制や経済システムを変換させようとしてアクセスしない限り、中東諸国から軍事攻撃を受ける虞れもないし、テロに見舞われる虞れもない」
ところが、帝国型経済を維持するために、米国は中東に介入「しなければならない」…ここにこそ問題の原点があるのです。ブッシュ政権の言葉を使うなら「中東民主化」という「介入」こそがテロの原因というわけですね。
長くなりました、ページをあらためます。
てなわけで、「イラク戦争の分析(1)〜前史」に引き続き「イラク戦争の分析(2)〜対テロ戦争」として続けましょう。
前回、お話したように、中東の資源地域、特にペルシャ湾岸とサウジアラビアは、米国から見て「戦略的地域」であると位置づけられます。しかし、その資源地域に住むイスラム教徒やアラブ各国の政府から見た場合、米国が戦略的地域とは位置づけられません。ということは、たとえアラブ諸国に、米国を凌ぐほどの軍事力があったとしても、アラブ軍が米国周辺に部隊を展開したり、駐留させる意味は全くないということです。
ハンチントン氏の「文明の衝突」じゃありませんが、いわゆる「侵略のベクトル」は海から陸への一方通行です。このことは有史以来、全く変化ない地政学上の原理と言えるでしょう。米国はフロンティアが西海岸に到達した時点で「海洋国家」となり、太平洋、メキシコ湾、大西洋を拠点に、対岸の資源地域を虎視眈々と狙う「外向型」文明として発展してきたのです。
米国は広大な領土と豊な資源を持っていますので、やりようによっては「自己完結」の「内向型」文明としても、高度な文明を築き上げることが可能だったでしょう。実際、一時期は「モンロー主義」を掲げ、領土不拡張、対外不干渉の政策で黄金時代を築いたこともありました。
しかし、結局「フロンティア・スピリッツ」は西海岸で終点になりませんでした。WW2後の特殊な世界情勢にも起因しますが、米国は海外に進出し、自国の影響力を拡張し続けることによってしか、成長を維持できない「帝国型」経済への道を突き進んだわけです。
このことによって、米国では他国の政治体制や経済システムまでもが「重大関心事」となります。共産圏は、米国の経済進出を阻むブロック経済であったゆえに「体制変換」しなければならない国家群であり、それらの政権は、米国にとって「悪の帝国」になったのです。
このことは「イスラム圏」にも当てはまります。米国にとって、この地域の政治体制や経済システムは重大関心事となりますが、逆はありません。つまりアラブ諸国にとって、米国の政治体制や経済システムは興味の外なのです。
さて、ここで問題です。他国の政治体制や経済システムを変えようとする動機を持つ側と、それを持たない側…この構図に於いて、テロや戦争は、どちらの思惑によって起こされると考えられるでしょうか?
答えは簡単ですね。これを現在の米国と中東に当てはめてみれば、次の理論が成り立ちます。
「米国は、中東地域の各国に対して、政治体制や経済システムを変換させようとしてアクセスしない限り、中東諸国から軍事攻撃を受ける虞れもないし、テロに見舞われる虞れもない」
ところが、帝国型経済を維持するために、米国は中東に介入「しなければならない」…ここにこそ問題の原点があるのです。ブッシュ政権の言葉を使うなら「中東民主化」という「介入」こそがテロの原因というわけですね。
長くなりました、ページをあらためます。
これは メッセージ 76890 (bonno_216 さん)への返信です.
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