3>ご都合主義の正義感(下)完全版
投稿者: etranger3_01 投稿日時: 2005/06/28 14:46 投稿番号: [74051 / 118550]
>だが武力行使を容認できる唯一の機関である安保理はこの多国籍軍による武力行使を認め、多国籍軍は米軍主導のもと軍事作戦を展開したわけです。【俺】
>特に安保理が唯一の機関とはいえんだろう。集団自衛権の範囲内なら安保理の許可は要らないのでは?。侵略されたクウェートは自衛戦争はできるし、その集団自衛権としてのアメリカの参戦は問題ないと思うが。
クェートと米軍の間に明示的な二国間安保条約が結ばれているかそのような行政協定が結ばれていないかぎり、米軍とクェートの間には集団的自衛権を行使する明示的な協定は存在しません。これがまず1点。
一方で、クェートは国連加盟国であり、国連加盟国に対する攻撃は全加盟国に対する攻撃であるという理解のもとで各国が集団的自衛権を発動することは可能です。ただし、国連憲章第7章の第51条(※)が定めるとおり、安保理が必要な措置をとるまでの間は、集団的自衛の権利が妨げられないのであって、その後安保理によって行動が決められたら、後は安保理が決めたガイドラインおよびタイムラインに従って紛争解決が行われることになります。それは、自衛権の行使が認められる・認められないの次元の問題ではなく、それが認められたうえでも紛争解決のプロセスは国連(安保理)主導で行われるということです。イラク戦争は実際、そのプロセスを経て終戦を迎え、戦後処理されてきました。
つまり、クェートは個別的自衛権に基づいて自衛権を行使できるし、アメリカなどの国連加盟国は、集団的自衛権に基づいて集団的自衛権を行使できますが、それでも最終的には安保理に対する報告の義務があり、その報告を受けて安保理がその事態について決めた決定については、国連憲章に基づき順守する加盟国義務があります。その時点で、紛争解決に関するイニシアティブは安保理にあり、各加盟国にあるわけではありません。それが国連憲章第7章のもつ拘束力です。
>>あれだけの国際問題には発展しなかったと思いますよ。【俺】
>あれだけの国際問題に発展したのは、戦争は避けるべきであるという大きな世論が巻きあがったためであって、国際法の解釈の問題ではない。
戦争を避けるべきであるという世論のもとが、単純な平和主義によるものだという考えなら仰るとおりでしょうが、国際世論もそこまで単純ではありません。国際法の解釈の問題による論争もまた、戦争反対の世論を後押ししていました。ですから、国際法の解釈の問題ではないと言い切ることはできません。両者は不可分です。
>結局、戦争反対という主張をするばかりではなく、戦争を起こさせないための具体的手段を講じなければならないのに油断してそれをおろそかにしてしまったためだろう。
アメリカの一方的なインテリジェンスやスパイ工作によって造られた情報をそのまま鵜呑みにすることは難しかった。が、しかし。国連独自にアメリカ以上のインテリジェンス機能も存在しなかったため、アメリカが提供する情報を信じるほかなかった。国連は単に、アメリカ以上の情報収集能力がないため(またそれを支える実効的な力=軍事力に欠けているため)、アメリカの情報に基づいて判断せざるを得なかっただけです。国連の力不足は十分承知しています。
>国際社会がどう考えようが、空爆されるは経済制裁されるは痛めつけらどおしだったイラクにとって戦争は終わってますなんて冗談以外の何者でもないだろう。
「実際に戦争状態にあること」と、「両者が戦争状態にあると感じている」かどうかは、国際社会の現実としては無関係です。湾岸戦争は国連のお墨つきで、国連の手続きに基づいて始められ、終わり、戦後処理された戦争です。国連介入のオペレーションであった限り、「戦争状態」が依然継続中であるか、そして武力行使を再び容認するかどうかは紛争に介入し終わらせた国連が決めることです。そして、アメリカはその国連の一員であり、最も責任のある少数の国々の1つなのです。アメリカにはその自覚が必要です。
《了》
※参考:http://www.unic.or.jp/know/kensyo.htm
第51条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。
>特に安保理が唯一の機関とはいえんだろう。集団自衛権の範囲内なら安保理の許可は要らないのでは?。侵略されたクウェートは自衛戦争はできるし、その集団自衛権としてのアメリカの参戦は問題ないと思うが。
クェートと米軍の間に明示的な二国間安保条約が結ばれているかそのような行政協定が結ばれていないかぎり、米軍とクェートの間には集団的自衛権を行使する明示的な協定は存在しません。これがまず1点。
一方で、クェートは国連加盟国であり、国連加盟国に対する攻撃は全加盟国に対する攻撃であるという理解のもとで各国が集団的自衛権を発動することは可能です。ただし、国連憲章第7章の第51条(※)が定めるとおり、安保理が必要な措置をとるまでの間は、集団的自衛の権利が妨げられないのであって、その後安保理によって行動が決められたら、後は安保理が決めたガイドラインおよびタイムラインに従って紛争解決が行われることになります。それは、自衛権の行使が認められる・認められないの次元の問題ではなく、それが認められたうえでも紛争解決のプロセスは国連(安保理)主導で行われるということです。イラク戦争は実際、そのプロセスを経て終戦を迎え、戦後処理されてきました。
つまり、クェートは個別的自衛権に基づいて自衛権を行使できるし、アメリカなどの国連加盟国は、集団的自衛権に基づいて集団的自衛権を行使できますが、それでも最終的には安保理に対する報告の義務があり、その報告を受けて安保理がその事態について決めた決定については、国連憲章に基づき順守する加盟国義務があります。その時点で、紛争解決に関するイニシアティブは安保理にあり、各加盟国にあるわけではありません。それが国連憲章第7章のもつ拘束力です。
>>あれだけの国際問題には発展しなかったと思いますよ。【俺】
>あれだけの国際問題に発展したのは、戦争は避けるべきであるという大きな世論が巻きあがったためであって、国際法の解釈の問題ではない。
戦争を避けるべきであるという世論のもとが、単純な平和主義によるものだという考えなら仰るとおりでしょうが、国際世論もそこまで単純ではありません。国際法の解釈の問題による論争もまた、戦争反対の世論を後押ししていました。ですから、国際法の解釈の問題ではないと言い切ることはできません。両者は不可分です。
>結局、戦争反対という主張をするばかりではなく、戦争を起こさせないための具体的手段を講じなければならないのに油断してそれをおろそかにしてしまったためだろう。
アメリカの一方的なインテリジェンスやスパイ工作によって造られた情報をそのまま鵜呑みにすることは難しかった。が、しかし。国連独自にアメリカ以上のインテリジェンス機能も存在しなかったため、アメリカが提供する情報を信じるほかなかった。国連は単に、アメリカ以上の情報収集能力がないため(またそれを支える実効的な力=軍事力に欠けているため)、アメリカの情報に基づいて判断せざるを得なかっただけです。国連の力不足は十分承知しています。
>国際社会がどう考えようが、空爆されるは経済制裁されるは痛めつけらどおしだったイラクにとって戦争は終わってますなんて冗談以外の何者でもないだろう。
「実際に戦争状態にあること」と、「両者が戦争状態にあると感じている」かどうかは、国際社会の現実としては無関係です。湾岸戦争は国連のお墨つきで、国連の手続きに基づいて始められ、終わり、戦後処理された戦争です。国連介入のオペレーションであった限り、「戦争状態」が依然継続中であるか、そして武力行使を再び容認するかどうかは紛争に介入し終わらせた国連が決めることです。そして、アメリカはその国連の一員であり、最も責任のある少数の国々の1つなのです。アメリカにはその自覚が必要です。
《了》
※参考:http://www.unic.or.jp/know/kensyo.htm
第51条
この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない。この自衛権の行使に当って加盟国がとった措置は、直ちに安全保障理事会に報告しなければならない。また、この措置は、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持または回復のために必要と認める行動をいつでもとるこの憲章に基く権能及び責任に対しては、いかなる影響も及ぼすものではない。
これは メッセージ 74045 (evangelical_knight さん)への返信です.
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