続き
投稿者: dorawasabi5001 投稿日時: 2005/03/31 22:45 投稿番号: [68126 / 118550]
【 4
マスコミの変化】
・・
このようななかで、政治の側は、一方ではスキャンダル報道を怖れて規制を強化し、他方では、積極的な介入と操作によってマスコミを利用するようになる。
小泉首相のマスコミ対策はその代表的なものであり、仕掛け人は飯島勲秘書官だとされている*34。
「ネオ・リベラル型ポピュリズム*35」政治家としての小泉首相にとって、このようなマスコミ状況は、かなり有利にはたらいたように見える。
・・
しかし、同時に、小泉首相に同調し、それを支えるマスコミの存在も忘れるわけにはいかない。
政府支持の論調をとみに強めている『産経新聞』と『読売新聞』の役割である
*37。『世界』や『現代』などを除いては、総合雑誌の「論壇」の多くも同工異曲であり、これらの新聞や雑誌においては、もはや「批判する知性」としてのジャーナリズムは存在していない。
【5 国民意識の変化―虚偽イデオロギーへの屈服】
・・
安全のためなら少々の不便や犠牲はやむを得ないとされ、民主主義や自由、人権もまた、安全のためであればある程度の制約も仕方がないと考えられるようになった。
こうして、「セキュリテイ・イデオロギー*39」が強まり、対外面では軍事、国内面では治安への関心が高まっていく*40。
・・
今日の日本において注目すべきもう一つの虚偽イデオロギーは、「改憲イデオロギー」である。
日本の政治や社会が抱えている問題は基本法である憲法に根ざしており、
【それを改めさえすれば全てうまくという主張がこれにあたる*43。】
・・
〇五年には憲法調査会が報告書をまとめる予定で、小泉首相の指示によって、自民党憲法調査会も結党五〇周年である〇五年一一月までに「憲法草案」をまとめようとしている。
日本社会が抱えている問題には、それぞれ固有の原因や背景がある。
それらの除去や解決に取り組むことを回避する口実として用いられているのが、この「改憲イデオロギー」にほかならない。
【雇用の確保・安定、景気浮揚、災害対策、社会保障改革など、個々に取り組んで解決すべき難問が山積しているにもかかわらず、】
「改憲問題」で政治のエネルギーが空費されている現状は憂慮に耐えない*46。
このほか、近年におけるナショナリズムの高揚も注目すべき現象であろう。
【愛国心の強調や君が代・日の丸の強要という点では古いナショナリズムとの共通性*47を示し、グローバリズムへの反発、民族固有の歴史や伝統への回帰という点では世界的な動向とも一定の共通性を持っている。 】
・・
【6 矛盾とジレンマ―結びに代えて】
八〇年代以降に生じてきたこのような変化の結果、民主主義の危機状況が強まってきた。・・
しかし、平和・民主主義・人権は、その基本的枠組みが大きく変更されたわけではなく、日本における民主主義が失われたわけでもない。
かえってこのような攻勢の強まりは、一方では、破壊しようとする勢力に一定の矛盾とジレンマをもたらすことになり、他方では、抵抗のエネルギーを蓄積しつつある。
【第一に、「対テロ戦争」がかえってテロの脅威を拡大しているという事実を指摘しておかなければならない。】
・・
【第二に、アメリカ政権への深いコミットが国際的な孤立を招くというジレンマがある。】
イラク開戦の時のように米政権が国連を無視して行動すれば、日米同盟と国際協調のどちらかを選択しなければならない。
小泉政権は日米同盟を選んだが、それは日本に、イスラム社会はもとより国際社会からの孤立をもたらした。
【第三に、特に深刻なのは近隣のアジア諸国との関係である。】
小泉首相の靖国参拝、君が代・日の丸問題、思想・信条や民主主義に対する抑圧などは戦前回帰を疑わせ、軍事ナショナリズムの強まりとも相まって、中国など近隣諸国との関係を悪化させた。
・・
第四に、小泉首相の「ネオ・リベラル型ポピュリズム」が本来的に持っているジレンマがある。
ポピュリズムとは大衆への迎合であり、その支持を背景にしている。
【他方、ネオ・リベラリズムは少数の強者と多数の弱者を生み社会的格差を拡大する。】
・・
【第五に、このようなジレンマが顕在化していないのは、すでに指摘したように、小選挙区制のカラクリによって、社会と政治が切り離されているからである。】
しかし同時に、この選挙制度は、ある限界を超えれば一挙に政治地図を塗り替える可能性も持っている。〇三年総選挙*49と〇四年参院選*50は、この限界が近づきつ
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このようななかで、政治の側は、一方ではスキャンダル報道を怖れて規制を強化し、他方では、積極的な介入と操作によってマスコミを利用するようになる。
小泉首相のマスコミ対策はその代表的なものであり、仕掛け人は飯島勲秘書官だとされている*34。
「ネオ・リベラル型ポピュリズム*35」政治家としての小泉首相にとって、このようなマスコミ状況は、かなり有利にはたらいたように見える。
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しかし、同時に、小泉首相に同調し、それを支えるマスコミの存在も忘れるわけにはいかない。
政府支持の論調をとみに強めている『産経新聞』と『読売新聞』の役割である
*37。『世界』や『現代』などを除いては、総合雑誌の「論壇」の多くも同工異曲であり、これらの新聞や雑誌においては、もはや「批判する知性」としてのジャーナリズムは存在していない。
【5 国民意識の変化―虚偽イデオロギーへの屈服】
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安全のためなら少々の不便や犠牲はやむを得ないとされ、民主主義や自由、人権もまた、安全のためであればある程度の制約も仕方がないと考えられるようになった。
こうして、「セキュリテイ・イデオロギー*39」が強まり、対外面では軍事、国内面では治安への関心が高まっていく*40。
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今日の日本において注目すべきもう一つの虚偽イデオロギーは、「改憲イデオロギー」である。
日本の政治や社会が抱えている問題は基本法である憲法に根ざしており、
【それを改めさえすれば全てうまくという主張がこれにあたる*43。】
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〇五年には憲法調査会が報告書をまとめる予定で、小泉首相の指示によって、自民党憲法調査会も結党五〇周年である〇五年一一月までに「憲法草案」をまとめようとしている。
日本社会が抱えている問題には、それぞれ固有の原因や背景がある。
それらの除去や解決に取り組むことを回避する口実として用いられているのが、この「改憲イデオロギー」にほかならない。
【雇用の確保・安定、景気浮揚、災害対策、社会保障改革など、個々に取り組んで解決すべき難問が山積しているにもかかわらず、】
「改憲問題」で政治のエネルギーが空費されている現状は憂慮に耐えない*46。
このほか、近年におけるナショナリズムの高揚も注目すべき現象であろう。
【愛国心の強調や君が代・日の丸の強要という点では古いナショナリズムとの共通性*47を示し、グローバリズムへの反発、民族固有の歴史や伝統への回帰という点では世界的な動向とも一定の共通性を持っている。 】
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【6 矛盾とジレンマ―結びに代えて】
八〇年代以降に生じてきたこのような変化の結果、民主主義の危機状況が強まってきた。・・
しかし、平和・民主主義・人権は、その基本的枠組みが大きく変更されたわけではなく、日本における民主主義が失われたわけでもない。
かえってこのような攻勢の強まりは、一方では、破壊しようとする勢力に一定の矛盾とジレンマをもたらすことになり、他方では、抵抗のエネルギーを蓄積しつつある。
【第一に、「対テロ戦争」がかえってテロの脅威を拡大しているという事実を指摘しておかなければならない。】
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【第二に、アメリカ政権への深いコミットが国際的な孤立を招くというジレンマがある。】
イラク開戦の時のように米政権が国連を無視して行動すれば、日米同盟と国際協調のどちらかを選択しなければならない。
小泉政権は日米同盟を選んだが、それは日本に、イスラム社会はもとより国際社会からの孤立をもたらした。
【第三に、特に深刻なのは近隣のアジア諸国との関係である。】
小泉首相の靖国参拝、君が代・日の丸問題、思想・信条や民主主義に対する抑圧などは戦前回帰を疑わせ、軍事ナショナリズムの強まりとも相まって、中国など近隣諸国との関係を悪化させた。
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第四に、小泉首相の「ネオ・リベラル型ポピュリズム」が本来的に持っているジレンマがある。
ポピュリズムとは大衆への迎合であり、その支持を背景にしている。
【他方、ネオ・リベラリズムは少数の強者と多数の弱者を生み社会的格差を拡大する。】
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【第五に、このようなジレンマが顕在化していないのは、すでに指摘したように、小選挙区制のカラクリによって、社会と政治が切り離されているからである。】
しかし同時に、この選挙制度は、ある限界を超えれば一挙に政治地図を塗り替える可能性も持っている。〇三年総選挙*49と〇四年参院選*50は、この限界が近づきつ
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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