NWの注目記事:イラク統治失敗の本質(下)
投稿者: GivingTree 投稿日時: 2005/02/07 11:07 投稿番号: [63816 / 118550]
●アメリカの失策から学ぶべき教訓とは
先週放送されたNHKスペシャル『陸上自衛隊 イラク派遣の一年』で、日本の政軍コミュニティが。自らやアメリカの失策から学べることを戦略的に研究しているという実態をうかがうことができた。その中心となっているのが、陸上自衛隊の研究本部だ。
陸自研究本部は、現地駐留部隊から送られる「教訓」レポートをもとに、駐留部隊に対し包括的な指示を与える体制を整えているという。この「教訓」レポートには、現地竜中部隊の司令官が得たさまざまな経験から得た「教訓」が盛り込まれており、今後有効な復興支援政策および駐留体制を継続するために必要な指針が述べられている。つまり、この体制自体が、アメリカにはなかったもので、自衛隊が独自にアメリカの失策を「教訓」として実施したものである。むろんこれは、日本がアメリカとは違い、防衛庁が比較的一枚岩でトップダウンのみならずダウンアップの「上申」による組織改善も積極的に行われる体制が整っているため実現したものだと思われる。つまり、日本の場合は、アメリカのような省内での確執による作戦の滞りなどが生じる可能性が“いまのところは”ないのである。
現地の「教訓」レポートをもとに、有効な復興支援を行うために必要なさまざまな提案が、研究本部から防衛庁、そして首相官邸というルートで渡る。つまり、インテリジェンスが政軍で共有され、首相官邸側は現地駐留部隊を信頼してその情報をもとに復興支援政策を練り直し、そこからまたトップダウンで首相→防衛長官→自衛隊統合幕僚監部→現地駐留部隊司令官という形で承認された政策として実施される。まさに「理想的なタッグ」が実現していると言っていいようだ。
むろん、こうした「理想的なタッグ」は表向きのもので、ずいぶん前に週刊ポストが報じたように(*1)、首相官邸側と防衛庁、そして現地派遣部隊との間での確執は現存するものとすべきだろう。ただ日本の場合、確実にアメリカの失策から学んでいるのは、現地専門家(駐留部隊司令官)が実際に現地で見聞きしたことを政府が優先するという点では、ボトムアップによる意思統一が図れているという点だろう。つまり、当初の派遣計画ではたしかに確執も生じ、両者不満たらたらで疑心暗鬼に陥っていたが、実際に派遣計画を実施してみれば現地駐留部隊の天下で、必ずしも部隊側のすべての要望が受け入れることはなくとも、上の判断で有効な「教訓」は上申として受け入れられ、ただちにそれが実施できるための枠組みが作られている。つまり、下からの支援要請を上が冷静に判断して支援を決定するという体制が出来上がっている。
日本がこれをできるのはなぜか。
それは、NW誌に描かれていた「国中に広がる武装蜂起」という図が示していた。首都バクダッドを中心とした武装勢力の主要なテロ個所を示したその図では、サマワはまっさらだった。つまり「攻撃されない」という余裕が、政軍の余裕ある対処法の策定を可能にさせているのではないだろうか。これは、日本の戦略的勝利というべきなのか、外交的したたかさなのか。「非戦闘地域」サマワを自衛隊の活動エリアに選んだ政府の判断は正しかったのかもしれない。日本のイラク情勢への関与の仕方は、“いまのところは”妥当であるといえるのかもしれない。
*1(もうきっとテキスト本文は見れません)
原:自衛官覆面座談会の全容(ポスト誌)
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=NW&action=m&board=1143582&tid=9qbadda5fa5m4xoa2a1a1bepjsa1a6kddlua 5dca1bca5i&sid=1143582&mid=840
訳:自衛官覆面座談会の全容(ポスト誌)
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=NW&action=m&board=1143582&tid=9qbadda5fa5m4xoa2a1a1bepjsa1a6kddlua 5dca1bca5i&sid=1143582&mid=841
先週放送されたNHKスペシャル『陸上自衛隊 イラク派遣の一年』で、日本の政軍コミュニティが。自らやアメリカの失策から学べることを戦略的に研究しているという実態をうかがうことができた。その中心となっているのが、陸上自衛隊の研究本部だ。
陸自研究本部は、現地駐留部隊から送られる「教訓」レポートをもとに、駐留部隊に対し包括的な指示を与える体制を整えているという。この「教訓」レポートには、現地竜中部隊の司令官が得たさまざまな経験から得た「教訓」が盛り込まれており、今後有効な復興支援政策および駐留体制を継続するために必要な指針が述べられている。つまり、この体制自体が、アメリカにはなかったもので、自衛隊が独自にアメリカの失策を「教訓」として実施したものである。むろんこれは、日本がアメリカとは違い、防衛庁が比較的一枚岩でトップダウンのみならずダウンアップの「上申」による組織改善も積極的に行われる体制が整っているため実現したものだと思われる。つまり、日本の場合は、アメリカのような省内での確執による作戦の滞りなどが生じる可能性が“いまのところは”ないのである。
現地の「教訓」レポートをもとに、有効な復興支援を行うために必要なさまざまな提案が、研究本部から防衛庁、そして首相官邸というルートで渡る。つまり、インテリジェンスが政軍で共有され、首相官邸側は現地駐留部隊を信頼してその情報をもとに復興支援政策を練り直し、そこからまたトップダウンで首相→防衛長官→自衛隊統合幕僚監部→現地駐留部隊司令官という形で承認された政策として実施される。まさに「理想的なタッグ」が実現していると言っていいようだ。
むろん、こうした「理想的なタッグ」は表向きのもので、ずいぶん前に週刊ポストが報じたように(*1)、首相官邸側と防衛庁、そして現地派遣部隊との間での確執は現存するものとすべきだろう。ただ日本の場合、確実にアメリカの失策から学んでいるのは、現地専門家(駐留部隊司令官)が実際に現地で見聞きしたことを政府が優先するという点では、ボトムアップによる意思統一が図れているという点だろう。つまり、当初の派遣計画ではたしかに確執も生じ、両者不満たらたらで疑心暗鬼に陥っていたが、実際に派遣計画を実施してみれば現地駐留部隊の天下で、必ずしも部隊側のすべての要望が受け入れることはなくとも、上の判断で有効な「教訓」は上申として受け入れられ、ただちにそれが実施できるための枠組みが作られている。つまり、下からの支援要請を上が冷静に判断して支援を決定するという体制が出来上がっている。
日本がこれをできるのはなぜか。
それは、NW誌に描かれていた「国中に広がる武装蜂起」という図が示していた。首都バクダッドを中心とした武装勢力の主要なテロ個所を示したその図では、サマワはまっさらだった。つまり「攻撃されない」という余裕が、政軍の余裕ある対処法の策定を可能にさせているのではないだろうか。これは、日本の戦略的勝利というべきなのか、外交的したたかさなのか。「非戦闘地域」サマワを自衛隊の活動エリアに選んだ政府の判断は正しかったのかもしれない。日本のイラク情勢への関与の仕方は、“いまのところは”妥当であるといえるのかもしれない。
*1(もうきっとテキスト本文は見れません)
原:自衛官覆面座談会の全容(ポスト誌)
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=NW&action=m&board=1143582&tid=9qbadda5fa5m4xoa2a1a1bepjsa1a6kddlua 5dca1bca5i&sid=1143582&mid=840
訳:自衛官覆面座談会の全容(ポスト誌)
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=NW&action=m&board=1143582&tid=9qbadda5fa5m4xoa2a1a1bepjsa1a6kddlua 5dca1bca5i&sid=1143582&mid=841
これは メッセージ 63811 (GivingTree さん)への返信です.
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