ICJ>テトさん
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/10/06 12:26 投稿番号: [55128 / 118550]
●ICJの性質=『民事裁判的』
注:国際法秩序体系がそもそも私法システムの類推で理解されているという点が重要。
●原告適格主体=国家(個人ではない)
注:個人が裁きの対象になるのは、むしろICC(国際刑事裁判所)
●強制管轄権=原則なし
∴当事国の一方がイヤだよと意思表示すれば裁判は開かれない。
例)ニカラグアの本案審理では米国がイヤだよと言って出廷しなかったので欠席裁判になっている。しかも米国にICJの強制管轄が及ぶかどうかについてのICJの判断にかなりムリがあったし力技だったので、米国がその判断に納得できないとし、本案審理を欠席したのは、ある意味国家としての当然の権利。したがって判決(とは言っても損害賠償程度で、刑事罰なんかは課されませんが)に従わなくても許されるといえば許される。その後のICJの判決に従えとする国連総会決議には、法的拘束力はない。
ただし、裁判の論理展開(米国のコントラ支援は集団的自衛権ではない。米国は国連憲章2条4項に違反した)は重要な有権的解釈として扱われる。
ちなみに、チョムスキーなんかが言う「ICJは米国を『テロ国家』と断罪した」という部分の「テロ国家」という文言は判決文のどこにも見当たらない。
チョムスキーはcontextual interpretationをしたと推察されるが、コンテクスト解釈としてもニカラグア判決から米国をテロ国家であるというのはムリがある。
ニカラグア判決では「米国のコントラ支援は集団的自衛権ではない」「米国は国連憲章2条4項を違反した」――と言っているだけ。
百歩譲って米国がテロ国家だと断罪されたとして、その課罰方法が「損害賠償」って…。断罪方法と課罰方式がえらく非対称で笑えます。
注:ICJ規程の36条を留保していない場合、義務的管轄権が生じる
●判決の性質=損害賠償や原状回復など
●勧告的意見=法律問題について判断。
法的拘束力なし。
まとめ:国際司法裁判所は、裁判所といえど、国内法システムにおける集権的なパワーや裁判所独自の法執行力を持たないため、結果として個別国家の意思が優先されます。これを意思主義などと申します。これが現行の国際法秩序の本質でございます。
これは メッセージ 55123 (tet010101 さん)への返信です.
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