発生学と進化生物学(ロム向け)
投稿者: NATROM 投稿日時: 2004/10/04 20:56 投稿番号: [55022 / 118550]
そろそろ、トンデモさんいじりから、ロム向けの解説の比重を上げておきます。アメリカ合衆国ではキリスト教原理主義の影響が強いってことはみなさんご存知ですね。アメリカ合衆国では進化論は教えられていない、とかいう話を聞いたことがあるでしょう。合衆国では、政教分離の原則から、公立学校では特定の宗教を教えてはいけないことになっています。で、教えたくてたまらない人たちがどうしたかっていうと、創造論に基づいた「創造科学」ってのをつくりあげて、「これは宗教ではなく、科学だもんね。だから公立学校で教えよう!」と主張したわけ。これは裁判にもなって、キリスト教原理主義側の負け。結局は「創造論は宗教だから、公立学校では教えてはいかんよ」ということになりました。少なくとも現在は、アメリカ合衆国の公立学校では、進化論は普通に科学として教えられているし、創造論は教えられていません。
そういうわけで、キリスト教原理主義者を中心に「創造論は科学だ!進化論は間違い」という活動がなされているわけです。これは宗教的・政治的な問題であり、自然科学上の問題ではないのです。その証拠に、自然科学の雑誌に、創造論を擁護する論文はちっとも載りません。もののわかった人から見たら、創造科学が間違っていることなどは明白なのです。しかし、世の中もののわかった人ばかりではありませんから、創造論者の宣伝は、(第三者からの検証がなされていないような)一般書、雑誌、ウェブサイトにあふれています。まあ米国での進化論の本の何割かが創造論者の影響下にあるってのは事実でしょう。
その中にはホソクビゴミムシの例のように、一見もっともらしそうなものも混じっています。もちろんそう見えるのは、進化生物学の知識に欠けるからなのですが。日本にもたまに牧野尚彦氏のようなあわて者がいて、「ダーウィン進化論は間違い」とかやっちゃうのです。で、theme_from_papillonさんのような生物学の素養のない人が真に受けちゃう。こういう人は基本的に○○だから、専門家の書いた本も正しく読めない。だいたい、今西も知らない、ドーキンスも読んでない、にもかかわらず、「明らかな矛盾」などと言っちゃうなんて、本当に○○ですよね。
アカデミックな世界では基本的にダーウィン進化論が正しいと考えられている根拠はいくらでも示すことができるけど、フツイマの(正しいかどうかわからない)引用からは、発生学と進化生物学を問題にしているようなので、きちんともののわかっている人は発生学にもダーウィン的なアプローチを行なうということを示しておきましょう。以下、
DNAから解き明かされる形づくりと進化の不思議 Carroll著 羊土社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4897062934/249-5089438-2995567
より引用。
>この20年における生物学において最も重要な発見は、生物の形がいかに多様であっても、ほとんどの動物はボディパターンを制御する共通の遺伝子ファミリーを持っていることが明らかになったことである。(P9)
「太陽の寿命の100億倍の年月が必要なのだ」という計算が、いかにお笑いであるのかよくわかりますね。「全く新たなタンパク質を獲得」することなく、調節遺伝子の小さな変化の積み重ねによって大進化が起こりうるとCarrollは考えています。
>劇的な形態の変化、例えば、脊椎動物でヒレから手足へ変化したこと、昆虫の平均棍の進化などは、多くの調節性、発生学的、解剖学的な変容が関わっており、瞬時にして進化したような代物ではない。そうではなく、これらの構造物は、何百万年もの長い間に進化してきた調節領域の変化によって形づけられたものなのだ。(P184)
「遺伝子学や分子生物学が発達した現代では、ラマルクなどの合目的な考えとは異なるが、単にランダムな変異と自然選択だけで、ここまで精巧なものができるとは考えにくいと考える学者が多くなってきている」(msg54256)って、いったいどこの国のお話でしょうね?創造論が大好きな人たちは、「進化論を否定する科学者が増えている」って言っているけど、お友達なのかな?
そういうわけで、キリスト教原理主義者を中心に「創造論は科学だ!進化論は間違い」という活動がなされているわけです。これは宗教的・政治的な問題であり、自然科学上の問題ではないのです。その証拠に、自然科学の雑誌に、創造論を擁護する論文はちっとも載りません。もののわかった人から見たら、創造科学が間違っていることなどは明白なのです。しかし、世の中もののわかった人ばかりではありませんから、創造論者の宣伝は、(第三者からの検証がなされていないような)一般書、雑誌、ウェブサイトにあふれています。まあ米国での進化論の本の何割かが創造論者の影響下にあるってのは事実でしょう。
その中にはホソクビゴミムシの例のように、一見もっともらしそうなものも混じっています。もちろんそう見えるのは、進化生物学の知識に欠けるからなのですが。日本にもたまに牧野尚彦氏のようなあわて者がいて、「ダーウィン進化論は間違い」とかやっちゃうのです。で、theme_from_papillonさんのような生物学の素養のない人が真に受けちゃう。こういう人は基本的に○○だから、専門家の書いた本も正しく読めない。だいたい、今西も知らない、ドーキンスも読んでない、にもかかわらず、「明らかな矛盾」などと言っちゃうなんて、本当に○○ですよね。
アカデミックな世界では基本的にダーウィン進化論が正しいと考えられている根拠はいくらでも示すことができるけど、フツイマの(正しいかどうかわからない)引用からは、発生学と進化生物学を問題にしているようなので、きちんともののわかっている人は発生学にもダーウィン的なアプローチを行なうということを示しておきましょう。以下、
DNAから解き明かされる形づくりと進化の不思議 Carroll著 羊土社
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4897062934/249-5089438-2995567
より引用。
>この20年における生物学において最も重要な発見は、生物の形がいかに多様であっても、ほとんどの動物はボディパターンを制御する共通の遺伝子ファミリーを持っていることが明らかになったことである。(P9)
「太陽の寿命の100億倍の年月が必要なのだ」という計算が、いかにお笑いであるのかよくわかりますね。「全く新たなタンパク質を獲得」することなく、調節遺伝子の小さな変化の積み重ねによって大進化が起こりうるとCarrollは考えています。
>劇的な形態の変化、例えば、脊椎動物でヒレから手足へ変化したこと、昆虫の平均棍の進化などは、多くの調節性、発生学的、解剖学的な変容が関わっており、瞬時にして進化したような代物ではない。そうではなく、これらの構造物は、何百万年もの長い間に進化してきた調節領域の変化によって形づけられたものなのだ。(P184)
「遺伝子学や分子生物学が発達した現代では、ラマルクなどの合目的な考えとは異なるが、単にランダムな変異と自然選択だけで、ここまで精巧なものができるとは考えにくいと考える学者が多くなってきている」(msg54256)って、いったいどこの国のお話でしょうね?創造論が大好きな人たちは、「進化論を否定する科学者が増えている」って言っているけど、お友達なのかな?
これは メッセージ 54817 (theme_from_papillon さん)への返信です.
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