対イラク武力行使

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Iraq s Real Weapons Threat②

投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/06/07 01:35 投稿番号: [42282 / 118550]
“アラブ民族を守護する者”を自称し、そうしたイメージを広めることに努めてきたサダム・フセインにとって、米国でも、イスラエルでもなく、「イランの野獣ども」――私と会談したタリク・アジズ副首相の言葉――こそが、イラクの外敵だったのである。6400万人の人口を擁するイランに、人口2400万人のイラクが挑むには、通常兵器による害敵手段では心もとなかった。化学兵器を使用し、貧弱な防御手段しか持たないイラン軍兵士の「人の波」を殺すことで、イラク軍はイランとの力の差を何度も克服してきた。かくして、イラクの指導者層は、非通常兵器のみが、イランとの戦いにおけるイラクの勝利を確信させるものだとの通念を生み出したのである。

生物兵器に関しては、国連大量破壊兵器廃棄特別委員会(UNSCOM)の4年間にわたる査察により、イラクに秘密裏に進められていた生物兵器の開発計画が存在することの確証を得た。1995年8月に、サダム・フセインの娘婿で、軍事産業委員会の元理事長であるフセイン・カメルの亡命によりもたらされた確証である。カメルの亡命後は、UNSCOMが行った事情聴取でも、イラクの生物兵器開発計画に関与していた科学者がいつもよりややオープンに、同計画について、主にイランとの戦いに勝つための手段を模索するための秘密計画であったと説明した。

核兵器開発計画との関連では、イラク政権は、核不拡散条約(NPT)で課されていた義務を故意に違反していたことについて、同じくNPTの締約国であるイランが、独自に核兵器の開発を進めていたことが理由だったと弁解している。イラクのイランに対するこうした強迫観念は、イラクが83年に、イランのブッシャーにある原子炉を空爆したことからも伺い知れる。

イラクにおいて極めて顕著だった長距離ミサイル開発でさえ、イランを念頭に置いたものだった。イラクは、ソ連から購入した800基以上のスカッドミサイルのうち数百基の改造に成功し、200〜300キロメートルの射程距離を500〜600キロメートルにまで延ばした。イランの首都、テヘランは余裕で射程に入る。

総括すると、イラクが秘密裏に進めていたWMD開発計画に関する以上の4つの事例は、構造的に反目し、敵対していたイランを起因としていたと言える。ゆえに、イラクは、91年の湾岸戦争の際、イラク南部に大量に備蓄していた科学兵器を、米軍に対しては使わなかった。イラクの指導者層が私に明かしてくれたことなのだが、極めて高い機動性を持ち、よく訓練され、化学兵器に対し十分な装備を持つ敵が展開しているような「耐性が発達した戦場」で、化学兵器を使ったところで、何ら戦略的な意味はないという理由があった。さらに、ジェームス・ベーカー米国務長官(当時)が、タリク・アジズ外相(当時)に対し、イラクが化学兵器を使うような“不測の事態”が起きるようであれば、米国は戦争の目的を、イラク軍をクウェートから撤退させることから、イラクの体制転換に変更することになるだろうと警告し、クギを刺していたという事情もある。
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