対イラク武力行使

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>>アメリカへの不満

投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/03/19 15:25 投稿番号: [34393 / 118550]
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WMDが見つかってさえいれば、全世界に向かってイラク戦争の正当性を訴えることができたし、
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WMDの「実物」未発見を理由に、イラクは差し迫った脅威ではなかったと結論付ける主張は、日本でもよく聞かれます。が、イラクの脅威を構成していたのはWMDの「実物」ではなく、WMDの「開発能力とその意図、テロリストへの頭脳流出」であり、それらは十分差し迫った脅威であったという見解を、僕は支持しています。

上の見解を提示していたのは、1991年から97年まで、UNSCOMの初代委員長としてイラクでの国連査察を指揮していたロルフ・エケウス氏です。
http://usinfo.state.gov/topical/pol/arms/03070223.htm
(もともとワシントンポストに寄稿されていた論文だったのですが、国務省のHPに転載されちゃっていますね)

エケウス氏は、UNSCOMによるイラクのWMDの廃棄作業がかなりの成功を収めていたことを実感していたため、イラクにWMDの実物はないだろうし、あったとしても大規模なものではないだろうとの確信を持っていました。それでも、「イラクは差し迫った脅威ではなかった」と結論付けていないことに注意が必要であると思うのです。WMDの「実物」の脅威を強調していた米政権も、今やエケウス氏のスタンスを取り始めてしまっていますが、おそらくこうなるだろうと、特にイラクでのWMD査察に関わっていた専門家たちは、以前から予測していたようでした。

「開発計画の有無程度で武力行使に踏み切りやがって!疑わしきは罰せずって言葉を知らんのかい!」と浅はかな判断しかできない人たちは騒ぎ立てますが、WMDの開発計画とその意図、WMDに関するノウハウや技術がテロリストの手に渡ることの脅威の緊迫性についても、しっかり考える必要があるでしょう。

問題は、WMDの開発計画の段階から規制できるような体制に、国際法秩序ができていないということが重要です。WMDを規制する既存の軍縮・軍備管理法システムにおいては、WMDの実物があってはじめて、じゃあそれをどれだけ減らせとか、廃棄しろとかなどを義務付けることになり、IAEAなどの国際検証機間が介入できる道が開かれていますが、こと開発計画になると、検証機間の介入のように、それを効果的に阻止できるような具体的な措置がなく、気付いてみたらWMDが拡散していたという事態になっているのが現在の国際社会です。

ですから、この問題を本気で解決しようとしたら、国際法に具体的な措置が定められていない以上、武力行使という「好ましからざる」手段に訴えるしかなくなってしまいます。

こうした現状を危惧し、WMDの開発計画発覚の段階から、国際社会が武力行使ではない予防的な行動を具体的に取れるような体制作りをめざし、既存の国際法を見直し、新たな法制備を進めるために鋭意検討中だと聞いています。米国際法学会会長の、アン・マリ・スローター氏が主導しているらしいですが。

フセインとアルカイダの関連性についての疑惑も払拭できていない以上、イラクは脅威であったのかもしれません。WMD問題をめぐり、今は確かに、ブッシュ政権への批判が高まっているし、僕も納得できていませんが、一方で、そうした批判が、テロリストにとって有利な情勢を生み出す恐れがあることにも注意しなければならないと思います。
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