ケネス・キノネス氏の報告−(2)
投稿者: need2003jp 投稿日時: 2004/02/10 15:38 投稿番号: [31947 / 118550]
さて、続きです。米国の強硬派の方々は、北朝鮮がリビアと同様に、政権維持のため、米国の圧力に屈すると考えているが、キノネス氏はこれに懐疑的な見方を示している。
(3)北朝鮮の相違点
北朝鮮が「第2のリビア」となりえるという主張は、現実的な議論だろうか。それとも、政治的な動機に基づく新たな願望に過ぎないのだろうか。
リビアと北朝鮮には大きな相違がある。豊かな産油国であるリビアは、その原油を国際市場で売却できれば、大きな利益を得ることが可能だ。リビアは何年にもわたり、未解決の問題を片付けるために国際社会と協議を続けてきた。
リビアは、国際機関や英政府などと、多くは秘密だった外交交渉を続けてきた。リビアは合意に達する前、国際社会に再び受け入れられることにより、見返りを受けることが出来ることを理解していた。
また、レーガン元米政権が、1986年にリビア空爆を実施して以降、リビアは米軍にとっての「争点」ではなかった。こうした理由から、リビアは大量の兵器を保持する必要性をあまり感じていなかった。
北朝鮮を巡る情勢は全く異なる。北朝鮮は天然資源にほとんど恵まれていない貧しい国家であり、国家破産と飢餓の瀬戸際にある。北朝鮮の主要な支援国だった旧ソ連が、1991年に崩壊して以来、北朝鮮は経済の近代化に必要な資源の獲得を期待して、国際社会に歩み寄った。
北朝鮮が、1994年に核開発を「凍結」した後、事態が少しは好転した時期があった。だが、クリントン前米政権と北朝鮮との間で相互不信が増幅し、さらにブッシュ政権が北朝鮮の「核の脅迫に報償を与えること」を拒否したことにより、朝鮮半島で再び「緊張激化の連鎖」が始まった。
リビアと異なり、北朝鮮は自国が北東アジア地域における強大な米軍軍事力の標的であると見ている。韓国と日本に対する北朝鮮の脅威が、北東アジアにおける米軍の前方展開を正当化しているというわけだ。しかし、北朝鮮は一方で、大量破壊兵器の追求を正当化させる口実として、米軍のアジア駐留を挙げている。
(4)異なる目標
北朝鮮の(核開発を巡る交渉の)停滞が外交的な解決に至らなければ、第二次朝鮮戦争を招く結果となりかねない。新たな戦争は、世界で最も人口が過密で、経済的に躍動している地域の1つで勃発することになる。
これに対し、(リビアがある)北アフリカは人口過疎の砂漠地帯であり、経済的な重要性も比較的限定的な地域だ。北東アジア地域における戦争は、数十万が命を落とし、地球規模の経済に影響を与える。
ブッシュ米政権は、リビアに対しては外交的、経済的な報償を与える用意を表明しているが、北朝鮮には何も与えない構えを見せている。北朝鮮に対し、大量破壊兵器の開発計画を放棄する見返りとして、経済的な利益の供与をすれば、平和的な外交解決の可能性を高めることになろう。平和的な外交解決に伴って支払う代償は、戦争とその後の復興にかかる費用よりもはるかに少ない。だが、ブッシュ政権は、この戦略を拒絶しつづけている。
この対照的な姿勢は、ブッシュ政権がリビアと北朝鮮に関して異なる目標を持っていていることを示している。ブッシュ大統領は将来、大量破壊兵器開発の野望を放棄した後のリビアと経済的な取引を用意があると見られる。だが、金正日政権の恒久化につながるようなことはすべて、避けたいようだ。
北朝鮮はこうした事情を承知しているため、次回の六カ国協議開催にあたって、多国間による「安全の保証」と大量破壊兵器開発計画の段階的な放棄に固執しつづけているのかもしれない。(終わり)
北朝鮮巡る動きは、日本人拉致問題を含めて、かなり複雑でリスクがあまりに大きすぎて、一歩間違えれば戦争という事態も避けられないと見ている。ブッシュ政権は、北朝鮮に対して断固たる姿勢を示しているが、戦争時になったときのリスクをどれだけ考えているのかは懐疑的である。
(3)北朝鮮の相違点
北朝鮮が「第2のリビア」となりえるという主張は、現実的な議論だろうか。それとも、政治的な動機に基づく新たな願望に過ぎないのだろうか。
リビアと北朝鮮には大きな相違がある。豊かな産油国であるリビアは、その原油を国際市場で売却できれば、大きな利益を得ることが可能だ。リビアは何年にもわたり、未解決の問題を片付けるために国際社会と協議を続けてきた。
リビアは、国際機関や英政府などと、多くは秘密だった外交交渉を続けてきた。リビアは合意に達する前、国際社会に再び受け入れられることにより、見返りを受けることが出来ることを理解していた。
また、レーガン元米政権が、1986年にリビア空爆を実施して以降、リビアは米軍にとっての「争点」ではなかった。こうした理由から、リビアは大量の兵器を保持する必要性をあまり感じていなかった。
北朝鮮を巡る情勢は全く異なる。北朝鮮は天然資源にほとんど恵まれていない貧しい国家であり、国家破産と飢餓の瀬戸際にある。北朝鮮の主要な支援国だった旧ソ連が、1991年に崩壊して以来、北朝鮮は経済の近代化に必要な資源の獲得を期待して、国際社会に歩み寄った。
北朝鮮が、1994年に核開発を「凍結」した後、事態が少しは好転した時期があった。だが、クリントン前米政権と北朝鮮との間で相互不信が増幅し、さらにブッシュ政権が北朝鮮の「核の脅迫に報償を与えること」を拒否したことにより、朝鮮半島で再び「緊張激化の連鎖」が始まった。
リビアと異なり、北朝鮮は自国が北東アジア地域における強大な米軍軍事力の標的であると見ている。韓国と日本に対する北朝鮮の脅威が、北東アジアにおける米軍の前方展開を正当化しているというわけだ。しかし、北朝鮮は一方で、大量破壊兵器の追求を正当化させる口実として、米軍のアジア駐留を挙げている。
(4)異なる目標
北朝鮮の(核開発を巡る交渉の)停滞が外交的な解決に至らなければ、第二次朝鮮戦争を招く結果となりかねない。新たな戦争は、世界で最も人口が過密で、経済的に躍動している地域の1つで勃発することになる。
これに対し、(リビアがある)北アフリカは人口過疎の砂漠地帯であり、経済的な重要性も比較的限定的な地域だ。北東アジア地域における戦争は、数十万が命を落とし、地球規模の経済に影響を与える。
ブッシュ米政権は、リビアに対しては外交的、経済的な報償を与える用意を表明しているが、北朝鮮には何も与えない構えを見せている。北朝鮮に対し、大量破壊兵器の開発計画を放棄する見返りとして、経済的な利益の供与をすれば、平和的な外交解決の可能性を高めることになろう。平和的な外交解決に伴って支払う代償は、戦争とその後の復興にかかる費用よりもはるかに少ない。だが、ブッシュ政権は、この戦略を拒絶しつづけている。
この対照的な姿勢は、ブッシュ政権がリビアと北朝鮮に関して異なる目標を持っていていることを示している。ブッシュ大統領は将来、大量破壊兵器開発の野望を放棄した後のリビアと経済的な取引を用意があると見られる。だが、金正日政権の恒久化につながるようなことはすべて、避けたいようだ。
北朝鮮はこうした事情を承知しているため、次回の六カ国協議開催にあたって、多国間による「安全の保証」と大量破壊兵器開発計画の段階的な放棄に固執しつづけているのかもしれない。(終わり)
北朝鮮巡る動きは、日本人拉致問題を含めて、かなり複雑でリスクがあまりに大きすぎて、一歩間違えれば戦争という事態も避けられないと見ている。ブッシュ政権は、北朝鮮に対して断固たる姿勢を示しているが、戦争時になったときのリスクをどれだけ考えているのかは懐疑的である。
これは メッセージ 31945 (need2003jp さん)への返信です.
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