アメリカ経済の不安要素
投稿者: need2003jp 投稿日時: 2004/02/05 14:57 投稿番号: [31705 / 118550]
さて、ブッシュさんは、年頭の一般教書で、減税などの経済成長をアピールしていたが、これを額面どおりに受け止められるかどうか・・・微妙である。
まず、減税の効果についてであるが、今回の減税は、あらゆる層に公平に恩恵が及ぶとの幻想を振りまきながら、実際は富裕者層に厚い減税で、米国経済の需要の7割を占める消費の刺激効果は限定的だったという批判が飛ばされている。これは、ブッシュ政権の経済政策が、レーガンやパパ・ブッシュ時代、企業の利益を最優先する政治で、公共的な問題でも企業の利益が尊重された流れを受けているが背景にある。
第二に、財政赤字の拡大である。確かに、GDPに対する財政赤字は、20年前とほぼ同じ水準である。しかし、ベビーブーマーの引退が迫っている分、社会保障費などの増大が懸念され、状況は危機的である。更に、減税による歳入不足で、成長が見込める分野への財政支出を振り向ける余裕がなくなっているという危惧がある。
第三に、減税とは話がずれるが、生産性の急上昇に伴う問題である。アメリカは、日欧と比べても、生産性が半端でなく高い水準にある。しかし、これまで製造業の空洞化に伴い、付加価値の高い知的産業(ITなど)へのシフトに成功したアメリカが、その知的産業の空洞化の問題に直面しつつある。
グローバル化の進展などで、インドや中国からコストが安上がりで高い専門技術力をつけた人材を、米国企業が特殊なビザで入国させ、仕事を与えていることで、国内の中間層(ミドルクラス)をはじめ、高学歴のホワイトカラーまでが解雇の危機に晒されている。加えて、大学でもITなどの付加価値の高い知的産業に対する見通しが暗くなったため、新しい人材育成がうまくいかず、産業の空洞化が進むのではないかという不安が交錯しているという。
無論、これは今日明日といった差し迫った問題ではないが、企業が生産性向上のため、国外移転をはかったり、高コストなホワイトカラーなどの人員削減を徐々に進めたりしている。
で、この結果、個人破産が右肩上がりとなっている。2003年度の個人破産件数は160万件を突破し、過去最高更新を上回るペースである。現場の弁護士達は、「労働市場が多少上向いても、個人破産は増えつづけるだろう」と嘆息している。その内わけをみて目立つのは、IT関連のほか、金融、広告業界などのホワイトカラーたちなのだ。
ハーバード大学のロースクールのエリザベス・ウォーレン教授も、「ミドルクラスの家計は、かつてなく脆弱だ」と指摘している。ウォーレン教授は、平均な4人家族の家計を、一世代前の1970年当時と比較していた。
30年前、稼ぎ手は1人で、年収は39000ドル。それが今は共働きで68000ドルと8割増えた。ところが、住宅ローン、医療保険、保育費といった「固定費」が膨らみ、手元に残るのは17000ドルだけ。食費など残り全てをまかなうためのこの金額は、30年前の17800ドルを下回るという。
貯蓄額も厳しい結果をつきつけられている。80年代は、可処分所得に対する貯蓄額は10%前後あったが、2001年には2%−どちらか1人が失業したり、病気などで不測の事態で、とたんに家計が行き詰まる。個人破産の9割が、ミドルクラスという試算さえ出ている。
とにかく、これまで基幹産業となしてきたITなどが空洞化の危機に晒され、「雇用政策が鈍い」との批判もある中、ブッシュさんにとっては、厳しい経済運営を強いられるかもしれない。
まず、減税の効果についてであるが、今回の減税は、あらゆる層に公平に恩恵が及ぶとの幻想を振りまきながら、実際は富裕者層に厚い減税で、米国経済の需要の7割を占める消費の刺激効果は限定的だったという批判が飛ばされている。これは、ブッシュ政権の経済政策が、レーガンやパパ・ブッシュ時代、企業の利益を最優先する政治で、公共的な問題でも企業の利益が尊重された流れを受けているが背景にある。
第二に、財政赤字の拡大である。確かに、GDPに対する財政赤字は、20年前とほぼ同じ水準である。しかし、ベビーブーマーの引退が迫っている分、社会保障費などの増大が懸念され、状況は危機的である。更に、減税による歳入不足で、成長が見込める分野への財政支出を振り向ける余裕がなくなっているという危惧がある。
第三に、減税とは話がずれるが、生産性の急上昇に伴う問題である。アメリカは、日欧と比べても、生産性が半端でなく高い水準にある。しかし、これまで製造業の空洞化に伴い、付加価値の高い知的産業(ITなど)へのシフトに成功したアメリカが、その知的産業の空洞化の問題に直面しつつある。
グローバル化の進展などで、インドや中国からコストが安上がりで高い専門技術力をつけた人材を、米国企業が特殊なビザで入国させ、仕事を与えていることで、国内の中間層(ミドルクラス)をはじめ、高学歴のホワイトカラーまでが解雇の危機に晒されている。加えて、大学でもITなどの付加価値の高い知的産業に対する見通しが暗くなったため、新しい人材育成がうまくいかず、産業の空洞化が進むのではないかという不安が交錯しているという。
無論、これは今日明日といった差し迫った問題ではないが、企業が生産性向上のため、国外移転をはかったり、高コストなホワイトカラーなどの人員削減を徐々に進めたりしている。
で、この結果、個人破産が右肩上がりとなっている。2003年度の個人破産件数は160万件を突破し、過去最高更新を上回るペースである。現場の弁護士達は、「労働市場が多少上向いても、個人破産は増えつづけるだろう」と嘆息している。その内わけをみて目立つのは、IT関連のほか、金融、広告業界などのホワイトカラーたちなのだ。
ハーバード大学のロースクールのエリザベス・ウォーレン教授も、「ミドルクラスの家計は、かつてなく脆弱だ」と指摘している。ウォーレン教授は、平均な4人家族の家計を、一世代前の1970年当時と比較していた。
30年前、稼ぎ手は1人で、年収は39000ドル。それが今は共働きで68000ドルと8割増えた。ところが、住宅ローン、医療保険、保育費といった「固定費」が膨らみ、手元に残るのは17000ドルだけ。食費など残り全てをまかなうためのこの金額は、30年前の17800ドルを下回るという。
貯蓄額も厳しい結果をつきつけられている。80年代は、可処分所得に対する貯蓄額は10%前後あったが、2001年には2%−どちらか1人が失業したり、病気などで不測の事態で、とたんに家計が行き詰まる。個人破産の9割が、ミドルクラスという試算さえ出ている。
とにかく、これまで基幹産業となしてきたITなどが空洞化の危機に晒され、「雇用政策が鈍い」との批判もある中、ブッシュさんにとっては、厳しい経済運営を強いられるかもしれない。
これは メッセージ 31704 (need2003jp さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552019567/bpa5a4a5ia5afipno9tbbh_1/31705.html