コリン・パウエルの苦悩(誤算−2)
投稿者: need2003jp 投稿日時: 2003/09/17 16:04 投稿番号: [27153 / 118550]
「今のイラクにいる米兵は、射撃場の的だ!」
終結宣言が出ていたにもかかわらず、アメリカ議会では、そんな声が飛ぶようになっていた。6月に入ってから、連日のように、イラクに駐留する米兵が襲撃される事件が相次いだ。犯人は、フセイン政権の残党と思しき者たちであったが、彼らのゲリラ的な攻撃や自爆テロの前に、米軍は手を焼いている様子だった。
復興事業では、アメリカ企業を優先に、受注を預かっていると、国際社会からの批判も出ていた。とりわけ、チェィニー副大統領の関連企業が、受注の名を連ねていることも、批判の対象となった。
イラクの治安は、サダム・フセインの残党の動きに便乗して、イスラム原理主義などの過激派の国際テロ組織と思しき者たちも、自爆テロに参加して、日に日に悪化するばかり。米軍も、7月にフセインの2人の息子、ウダイ・クサイを包囲して殺したが、各地の米兵への襲撃は止むことはなく、8月26日の発表で、米兵の死者は、終結宣言前の138人を上回る、139人となった。
治安悪化は、アメリカの戦後統治にも、大きく影を落とした。8月15日から16日にかけて、イラクの石油パイプラインが、テロによる破壊工作によって、火災を起こした。戦後の復興資金ともくろんでいた、石油生産は伸び悩み、連合暫定当局の資金は払底。ブッシュ大統領は、8月27日に、復興予算の計上を示唆した。
国連にも、治安悪化は飛び火した。8月19日午後、国連の駐イラク事務所本部がある、バクダッドのカナルホテルで、大量の爆弾を積んだトラックが爆発した。20人以上の死者が出ただけでなく、イラク復興の国連責任者である、デメロ国連事務総長特別代表も死亡。これまで、中立とされてきた、国連へのテロは、世界にも大きな衝撃を与えた。
アメリカ国内も大いに揺れていてた。
連日のイラクにいる米兵襲撃などで、民主党は、今回のイラク戦争を、ブッシュ政権の負の材料として、大統領批判を展開し始めた。
更に、ブッシュ大統領の属する共和党内からも、今回の戦争に対する懸念が起こっている。これまで過小評価していた、国連を巻き込む実利的な対応など、国際社会との協力の重要性を認めざるを得ない状況がある。
世論の方も、ブッシュ批判を強めていった。ニューズウィーク誌の世論調査では、イラク戦争の泥沼化などを理由に、ブッシュ大統領の再選不支持が、再選支持を上回った。
戦争の短期終了で、今回のイラク攻撃は、戦後推進派の思惑通り、うまくいくかに見えた。しかし、戦後統治の誤算から、状況は泥沼化の様相を呈してきた。これによって、ブッシュ政権は、もはや誤算の許されない状況に追い込まれた。
そして、パウエルにも、新たな試練が待ちうけようとしていた。(戦い編に続く)
終結宣言が出ていたにもかかわらず、アメリカ議会では、そんな声が飛ぶようになっていた。6月に入ってから、連日のように、イラクに駐留する米兵が襲撃される事件が相次いだ。犯人は、フセイン政権の残党と思しき者たちであったが、彼らのゲリラ的な攻撃や自爆テロの前に、米軍は手を焼いている様子だった。
復興事業では、アメリカ企業を優先に、受注を預かっていると、国際社会からの批判も出ていた。とりわけ、チェィニー副大統領の関連企業が、受注の名を連ねていることも、批判の対象となった。
イラクの治安は、サダム・フセインの残党の動きに便乗して、イスラム原理主義などの過激派の国際テロ組織と思しき者たちも、自爆テロに参加して、日に日に悪化するばかり。米軍も、7月にフセインの2人の息子、ウダイ・クサイを包囲して殺したが、各地の米兵への襲撃は止むことはなく、8月26日の発表で、米兵の死者は、終結宣言前の138人を上回る、139人となった。
治安悪化は、アメリカの戦後統治にも、大きく影を落とした。8月15日から16日にかけて、イラクの石油パイプラインが、テロによる破壊工作によって、火災を起こした。戦後の復興資金ともくろんでいた、石油生産は伸び悩み、連合暫定当局の資金は払底。ブッシュ大統領は、8月27日に、復興予算の計上を示唆した。
国連にも、治安悪化は飛び火した。8月19日午後、国連の駐イラク事務所本部がある、バクダッドのカナルホテルで、大量の爆弾を積んだトラックが爆発した。20人以上の死者が出ただけでなく、イラク復興の国連責任者である、デメロ国連事務総長特別代表も死亡。これまで、中立とされてきた、国連へのテロは、世界にも大きな衝撃を与えた。
アメリカ国内も大いに揺れていてた。
連日のイラクにいる米兵襲撃などで、民主党は、今回のイラク戦争を、ブッシュ政権の負の材料として、大統領批判を展開し始めた。
更に、ブッシュ大統領の属する共和党内からも、今回の戦争に対する懸念が起こっている。これまで過小評価していた、国連を巻き込む実利的な対応など、国際社会との協力の重要性を認めざるを得ない状況がある。
世論の方も、ブッシュ批判を強めていった。ニューズウィーク誌の世論調査では、イラク戦争の泥沼化などを理由に、ブッシュ大統領の再選不支持が、再選支持を上回った。
戦争の短期終了で、今回のイラク攻撃は、戦後推進派の思惑通り、うまくいくかに見えた。しかし、戦後統治の誤算から、状況は泥沼化の様相を呈してきた。これによって、ブッシュ政権は、もはや誤算の許されない状況に追い込まれた。
そして、パウエルにも、新たな試練が待ちうけようとしていた。(戦い編に続く)
これは メッセージ 27152 (need2003jp さん)への返信です.
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