米保守主義について4
投稿者: jyonnconner 投稿日時: 2007/03/15 07:25 投稿番号: [103529 / 118550]
「ええ、『イラク研究グループ』はレーガン政権や父ブッシュ政権の閣僚だったジェームズ・ベーカーやハミルトン民主党元議員、オルブライト元国務長官(クリントン政権)などで構成される超党派グループです。ラムズフェルド国防長官の解任の後、国防長官に就任したゲーツも、同グループの一人でした。まず同グループの提案では、イランとシリアを抱き込んでイラクの和平を達成し、08年に米軍を撤退させるという案ですが、正直、非現実的ですね。そのためには、イランとは核開発問題で、シリアとはレバノン問題で妥協する必要がありますから、そんなことはブッシュ大統領にはできないだろうと思います。それから治安維持活動をイラク政府に丸投げする提案も現実性がありません。イラク政府には治安維持の能力がなく、ここで米軍が手を引けば完全に内乱状態になるでしょうね。現実には米国では増派論が出てきています」(インタビュー後、ブッシュ大統領は1月10日にイラク増派政策を発表しました。これは「イラク研究グループ」の提案とは異なった政策です。その政策の意味についてはブログで分析していきます。ただ、増派論はネオコンが従来から主張していたものです)
――さて日本の保守主義ですが、安倍総理のいう「美しい国」づくりは、米国の保守主義と違って、どうも具体的政策がはっきりしません。自主憲法や教育基本法の改正を前面に打ち出したところを見ますと危険な保守主義という感じもしますが、いかがですか。
「“美しい国”という言葉自体が非常に感覚的かつ情緒的です。私は安倍首相の主張をナショナリズム(国家主義)あるいはパトリオティズム(愛国主義)だと考えます。決して保守主義ではないと思っています。確かに保守主義には対外的には厳しいナショナリスティックな対応をとります。国益重視のような発想はあります。しかし、国内的には必ずしもそうではありません。ところが安倍政権は国内的には過剰ともいえるほどナショナリスティックになっていますが、外交政策ではあまり主体性のない日米同盟こそが日本の安全保障の要であるとして、積極的に米国追随の姿勢を取っています。ただ、その米国追随も米国の世界戦略や理念に同調してというよりは、中国という“仮想敵国”と対峙する上で、米国の戦力が戦略的に必要だからといのが本音でしょう」
「先にアメリカの保守主義で触れたような意味での保守主義の精神は、安倍新保守主義の中には見られません。もちろん、アングロサクソンの保守主義と日本の保守主義が同じである必要はありませんが、国家観の相違は大きいでしょう。アメリカの保守主義には、国家に対する不信感があります。だからこそ国家の肥大化を忌避するんですね。欧米の伝統からいえば、ジョン・ロック流の解釈からいえば、国家は国民から統治を委ねられた存在であり、一種の社会契約に基づいて成立しているのです。したがって、政府が社会契約を履行しなければ、国民に抵抗権や革命権があると考えています。だが、安倍流国家観は、国家は国民の上位にあって、国民を管理支配する存在なんですね。安倍新保守主義には、戻るべき“規範”が見えてきません。あるのは愛国主義だけです。だからこそ“美しい国”というまったく非論理的、情緒的な言葉しか出てこないのでしょう」
――アジア外交についてはどうですか。
「まず最大の課題は中国でしょう。安倍首相は、日米中の3カ国の関係で大きな誤算をしているような気がします。先に述べたように、本音でアメリカの世界戦略を支持しているとは思えません。昨年の12月に米中戦略経済対話が北京で開かれましたが、今後、米中関係はさらに密度を増してくるでしょう。長期的に見れば、両国の関係は接近してくるでしょうね。基本的にアメリカ人は中国が好きで、中国に対しては敬意を払うところがあります。性格的にも、中国人とアメリカ人は基本的に波長が合うのではないかと思います。目先的には貿易不均衡問題や人権問題などがありますが、両国とも大国として世界戦略を持っています。要するに、米中関係はゲームのルールがあるような気がします。多くのアメリカ人、特に政策担当者は米中交渉のほうが困難かもしれませんが、それほどフラストレーションを味合わないのではないかと思います。そうなると日本は米中の狭間で疎外されるという状況が将来、起こりえるかもしれません。とすれば、日本はアメリカ依存ではなく、これからは日本独自のアジア外交が必要となってくるでしょうね」
(後略)
――さて日本の保守主義ですが、安倍総理のいう「美しい国」づくりは、米国の保守主義と違って、どうも具体的政策がはっきりしません。自主憲法や教育基本法の改正を前面に打ち出したところを見ますと危険な保守主義という感じもしますが、いかがですか。
「“美しい国”という言葉自体が非常に感覚的かつ情緒的です。私は安倍首相の主張をナショナリズム(国家主義)あるいはパトリオティズム(愛国主義)だと考えます。決して保守主義ではないと思っています。確かに保守主義には対外的には厳しいナショナリスティックな対応をとります。国益重視のような発想はあります。しかし、国内的には必ずしもそうではありません。ところが安倍政権は国内的には過剰ともいえるほどナショナリスティックになっていますが、外交政策ではあまり主体性のない日米同盟こそが日本の安全保障の要であるとして、積極的に米国追随の姿勢を取っています。ただ、その米国追随も米国の世界戦略や理念に同調してというよりは、中国という“仮想敵国”と対峙する上で、米国の戦力が戦略的に必要だからといのが本音でしょう」
「先にアメリカの保守主義で触れたような意味での保守主義の精神は、安倍新保守主義の中には見られません。もちろん、アングロサクソンの保守主義と日本の保守主義が同じである必要はありませんが、国家観の相違は大きいでしょう。アメリカの保守主義には、国家に対する不信感があります。だからこそ国家の肥大化を忌避するんですね。欧米の伝統からいえば、ジョン・ロック流の解釈からいえば、国家は国民から統治を委ねられた存在であり、一種の社会契約に基づいて成立しているのです。したがって、政府が社会契約を履行しなければ、国民に抵抗権や革命権があると考えています。だが、安倍流国家観は、国家は国民の上位にあって、国民を管理支配する存在なんですね。安倍新保守主義には、戻るべき“規範”が見えてきません。あるのは愛国主義だけです。だからこそ“美しい国”というまったく非論理的、情緒的な言葉しか出てこないのでしょう」
――アジア外交についてはどうですか。
「まず最大の課題は中国でしょう。安倍首相は、日米中の3カ国の関係で大きな誤算をしているような気がします。先に述べたように、本音でアメリカの世界戦略を支持しているとは思えません。昨年の12月に米中戦略経済対話が北京で開かれましたが、今後、米中関係はさらに密度を増してくるでしょう。長期的に見れば、両国の関係は接近してくるでしょうね。基本的にアメリカ人は中国が好きで、中国に対しては敬意を払うところがあります。性格的にも、中国人とアメリカ人は基本的に波長が合うのではないかと思います。目先的には貿易不均衡問題や人権問題などがありますが、両国とも大国として世界戦略を持っています。要するに、米中関係はゲームのルールがあるような気がします。多くのアメリカ人、特に政策担当者は米中交渉のほうが困難かもしれませんが、それほどフラストレーションを味合わないのではないかと思います。そうなると日本は米中の狭間で疎外されるという状況が将来、起こりえるかもしれません。とすれば、日本はアメリカ依存ではなく、これからは日本独自のアジア外交が必要となってくるでしょうね」
(後略)
これは メッセージ 103528 (jyonnconner さん)への返信です.
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