米保守主義について2
投稿者: jyonnconner 投稿日時: 2007/03/15 07:05 投稿番号: [103526 / 118550]
「保守主義は米国社会に根付いていないと痛感した彼らは以後、草の根運動を展開し、もともと民主党の支持基盤だった南部の中産階級を取り込み、さらにマーケティングの手法など企業経営的な形態を党運営に持ち込んだり、政治献金のメカニズムを構築するなどして共和党を現代的政党につくり変えたのです」
――共和党は民主党以上に近代化されているのですか。
「ええ、そうです。共和党はゴールドウォーターの惨敗から学び、草の根運動を展開するようになります。マーケッティング手法や選挙資金集金メカニズムを作り上げていくのです。その意味で、民主党は党の近代化で遅れをとりました。それから60・70年代にはポルノ解禁とか、民主党のカーター大統領による公立学校での礼拝禁止の問題などが出てきて、行き過ぎたリベラルに対する危機感を抱く宗教的な道徳運動が起こり、これと共和党が合体したのです。当時、“モラル・マジョリティ”という宗教運動が力を増していきます。彼らは、中産階級の敬虔なクリスチャンを組織化し、それまで政治にあまり興味を示さなかった宗教組織を政治に取り込んでいくのです。特に南部の中産階級はニューディールを支持する層だったのですが、共和党に取り込まれていきます。たとえば、ブッシュ大統領が知事を務めたテキサス州は、現在は完全に共和党の州になっていますが、以前は民主党の地盤だったのです」
「こうした運動が実って80年には共和党のレーガン大統領が当選し、保守主義が政治の主流となりました。レーガンは大幅減税をしましたが、保守派にとって所得税は単なる景気対策ではなく、私有財産に対する侵害であると考えていました。ですから、政府は減税によって税金を国民に返すべきだと考えたのです。同時に財政均衡も主張したのですが、結果は大幅な財政赤字を生み出すことになりました。リバタリアンは所得税の廃止を主張しています。その目的を達成する段階として“フラット・タックス(一律税率)制”の導入を主張し、現実に課税区分は税制改革のなかで次第に減らされ、最高税率も引き下げられてきました。03年の『大統領経済教書』の中で一文ですが、所得税の廃止と消費税の一本化を目ざすという表現がありました」
――保守主義の考え方は福祉の切り捨てなどともパッケージになっていますね。
「はい。今のブッシュ大統領は、福祉は国家が担うのではなく、地域の教会や慈善団体やNPOなどが助け合うボランティアが基本であるといっています。ブッシュ大統領は、福祉はFaith-based Initiativeであるべきだと考えています。Faith-basedというのは“信念や宗教に基づく”という意味です。要するに、福祉活動は教会や福祉団体、慈善団体が主体的に行なうべきもので、国家が直接行なうべきではないという発想です。ブッシュ大統領はホワイトハウスの中にOffice of Faith-based Initiativesという部門を設け、福祉予算を直接地方の福祉組織に分配しています。また、ハイエクは『隷属への道』という本のなかで、福祉などで国家に依存すると最終的に国民は国家によって支配されることになると主張しています。これは国家が積極的な役割を果たすべきだというリベラルな思想とは完全に対立します。こうした保守派の考え方が、ここ30年間ずっと米国の政治と社会を支配してきました」
「父ブッシュ政権の後に民主党のクリントン候補が財政均衡とか効率的な政府など共和党顔負けの政策を唱えて大統領に当選し、行政をスリム化しています。クリントン大統領は、そうした主張をニュー・デモクラッツ(新民主党)という言葉で表現します。クリントン政権の政策を支えたのは南部の人を中心とするDemocratic Leadership Council という組織で、どちらかといえば民主党内で保守的な傾向が強い組織です。ケネディ上院議員に代表されるオールド・リベラルは保守主義に対抗する思想や政策を打ち出せないだけでなく、保守的な政策を取り込んだのです。ですから、最近、アメリカではリベラルはビッグ・スペンダー(財政支出主義者)という意味合いで理解されており、人気がなくなってきています。リベラルに代わってプログレス(進歩)という言葉を使う人が増えています。今回の選挙も保守的な民主党の新人候補がたくさん当選しています。ですから、今回の選挙で共和党は敗北したが、保守主義が否定されたわけではないのです」
――ネオコンと呼ばれる新保守主義者についてはどう見ておられますか。
――共和党は民主党以上に近代化されているのですか。
「ええ、そうです。共和党はゴールドウォーターの惨敗から学び、草の根運動を展開するようになります。マーケッティング手法や選挙資金集金メカニズムを作り上げていくのです。その意味で、民主党は党の近代化で遅れをとりました。それから60・70年代にはポルノ解禁とか、民主党のカーター大統領による公立学校での礼拝禁止の問題などが出てきて、行き過ぎたリベラルに対する危機感を抱く宗教的な道徳運動が起こり、これと共和党が合体したのです。当時、“モラル・マジョリティ”という宗教運動が力を増していきます。彼らは、中産階級の敬虔なクリスチャンを組織化し、それまで政治にあまり興味を示さなかった宗教組織を政治に取り込んでいくのです。特に南部の中産階級はニューディールを支持する層だったのですが、共和党に取り込まれていきます。たとえば、ブッシュ大統領が知事を務めたテキサス州は、現在は完全に共和党の州になっていますが、以前は民主党の地盤だったのです」
「こうした運動が実って80年には共和党のレーガン大統領が当選し、保守主義が政治の主流となりました。レーガンは大幅減税をしましたが、保守派にとって所得税は単なる景気対策ではなく、私有財産に対する侵害であると考えていました。ですから、政府は減税によって税金を国民に返すべきだと考えたのです。同時に財政均衡も主張したのですが、結果は大幅な財政赤字を生み出すことになりました。リバタリアンは所得税の廃止を主張しています。その目的を達成する段階として“フラット・タックス(一律税率)制”の導入を主張し、現実に課税区分は税制改革のなかで次第に減らされ、最高税率も引き下げられてきました。03年の『大統領経済教書』の中で一文ですが、所得税の廃止と消費税の一本化を目ざすという表現がありました」
――保守主義の考え方は福祉の切り捨てなどともパッケージになっていますね。
「はい。今のブッシュ大統領は、福祉は国家が担うのではなく、地域の教会や慈善団体やNPOなどが助け合うボランティアが基本であるといっています。ブッシュ大統領は、福祉はFaith-based Initiativeであるべきだと考えています。Faith-basedというのは“信念や宗教に基づく”という意味です。要するに、福祉活動は教会や福祉団体、慈善団体が主体的に行なうべきもので、国家が直接行なうべきではないという発想です。ブッシュ大統領はホワイトハウスの中にOffice of Faith-based Initiativesという部門を設け、福祉予算を直接地方の福祉組織に分配しています。また、ハイエクは『隷属への道』という本のなかで、福祉などで国家に依存すると最終的に国民は国家によって支配されることになると主張しています。これは国家が積極的な役割を果たすべきだというリベラルな思想とは完全に対立します。こうした保守派の考え方が、ここ30年間ずっと米国の政治と社会を支配してきました」
「父ブッシュ政権の後に民主党のクリントン候補が財政均衡とか効率的な政府など共和党顔負けの政策を唱えて大統領に当選し、行政をスリム化しています。クリントン大統領は、そうした主張をニュー・デモクラッツ(新民主党)という言葉で表現します。クリントン政権の政策を支えたのは南部の人を中心とするDemocratic Leadership Council という組織で、どちらかといえば民主党内で保守的な傾向が強い組織です。ケネディ上院議員に代表されるオールド・リベラルは保守主義に対抗する思想や政策を打ち出せないだけでなく、保守的な政策を取り込んだのです。ですから、最近、アメリカではリベラルはビッグ・スペンダー(財政支出主義者)という意味合いで理解されており、人気がなくなってきています。リベラルに代わってプログレス(進歩)という言葉を使う人が増えています。今回の選挙も保守的な民主党の新人候補がたくさん当選しています。ですから、今回の選挙で共和党は敗北したが、保守主義が否定されたわけではないのです」
――ネオコンと呼ばれる新保守主義者についてはどう見ておられますか。
これは メッセージ 103525 (jyonnconner さん)への返信です.
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