レバノン またしても爆弾テロ
投稿者: nanisun_dung 投稿日時: 2005/07/31 13:51 投稿番号: [13 / 16]
2005/07/14
7月12日午前10時を10分ほど回った時、雲一つ無いベイルートの青空に遠雷のような響きがこだました。
何度聞いても嫌な音−爆発音−だ。“こだま”していることからすると距離はある。だが、規模は大きそうだ。
「どこだろう?」早速テレビの電源を入れ、チャンネルをサーチする。数分後にはanb(レバノンのローカル局)が現場から中継を始めた。放送を禁止されているMTV(ムッル氏に近い民放局)を除けば、同局が最も現場に近かったのだ。
爆発が発生した場所はベイルート北部(正確には北隣)のアンテリアス地区である。筆者も利用するスーパーマーケット(日本のホームセンター+スーパー)がある場所だ。
ニュースは「爆発でムッル副首相兼国防相のボディーガード等2名が即死、ムッル氏も軽傷を負ったが、病院に搬送された。状態は良好」と速報したが、現場では、まだ重傷者の救護活動が続いている。
グチャグチャに引き裂かれ四散した車体、焼けこげた車の下に入り込んだような形で息絶えた死体。爆発に巻き込まれて大破した車の運転席で救出を待つ血だらけの負傷者、吹き飛ばされた車の部品、駆けつけた消防隊の消火作業。
暗澹たる気持ちでテレビのスイッチを切った。
昨年10月のハマーデ元経済相暗殺未遂、今年2月の故ハリーリ元首相暗殺、ケスルーアン、ベイトメリー、マンスーリェと続いた建物への爆破テロ、6月には反シリア急先鋒だったジャーナリストと共産党元書記長が爆殺された。
ロンドンやマドリッドの“無差別テロ”と違い、標的を冷静に狙う“暗殺”はイスラエル(モサド)の得意技だった。今、「祖国を蹂躙した敵国イスラエル」を憎むレバノンの中で“祖国の敵”と同じ手法を使う“何者か”が次々に政治家やオピニオンリーダーを葬っていく。
幸いムッル氏の車は防弾仕様だったので、彼自身は両手に軽い怪我をしただけで済んだが、60kgの爆薬が爆発したと思われる場所には直径2m程のクレーターができ、ムッル氏の車の側に立っていたはずのボディーガードは、爆発の瞬間以降“行方不明”だという(12日付AFP電:※注13日の報道でボディーガードの生存は確認された。死者はたまたま通りかかった市民1名、負傷者は13名)。
ムッル氏はエミール・ラフード大統領の女婿で、経済関係に強い弁護士出身。故ハリーリ内閣でも内務相を勤め、大統領(親シリア)派の中心的存在として知られている。
6月までのテロ(暗殺)は主として“反シリア派”を標的としてきただけに、親シリア派にも魔手が伸びてきたことの意味はなんだろう?
シリアとレバノンの国境は、シリア側の過剰なまでの警備強化により物流・交易が事実上ストップしている。シリア旧権力がレバノンの親シリア勢力を見限って“尻尾切り”を始めたと見ることもできようし、反シリア派の意趣返しと見ることもできる。アメリカかイスラエルがレバノン国内の対立を煽りながらシリア−レバノンの離間策を図っているとも考えられないこともない。
もっとも、ムッル副首相はハリーリ元首相が暗殺される直前、ハリーリ派に急接近しており、一連の爆破テロ当時、治安を担当する内相ポストにあったことから“知りすぎた男”として口封じを図られたとしても不思議ではない(13日付ムスタクバルTV)。
事実、本人の暗殺未遂事件翌日のムスタクバルTVのインタビュー(病室のベッドで心電図のセンサーをつけたまま!)で「司法警察司令官に“もし私の身に危害が及んだら”公表するよう託した捜査資料がある」と答えている。そこには「パレスチナ難民キャンプのゲリラとクルド系シリア人による暗殺計画の全貌」が記されているという(本当なら大スクープだが、“怪しすぎて”簡単には信じられない)。
爆発のあった日、帰り際に部下の1人が「爆破は・・・いけませんよ(インフィジャール・・・ハラーム)」と呟くように言った。筆者が大きく頷くと「だって遺体がなかったら“最後の審判”をうけられませんものねぇ」と同意を求められて・・・筆者は返答に窮した(遺体・最後の審判=ユダヤ教・キリスト教・イスラム教に共通する終末思想「神が降臨して裁きを下す」)。
・・・そうじゃないだろ!
7月12日午前10時を10分ほど回った時、雲一つ無いベイルートの青空に遠雷のような響きがこだました。
何度聞いても嫌な音−爆発音−だ。“こだま”していることからすると距離はある。だが、規模は大きそうだ。
「どこだろう?」早速テレビの電源を入れ、チャンネルをサーチする。数分後にはanb(レバノンのローカル局)が現場から中継を始めた。放送を禁止されているMTV(ムッル氏に近い民放局)を除けば、同局が最も現場に近かったのだ。
爆発が発生した場所はベイルート北部(正確には北隣)のアンテリアス地区である。筆者も利用するスーパーマーケット(日本のホームセンター+スーパー)がある場所だ。
ニュースは「爆発でムッル副首相兼国防相のボディーガード等2名が即死、ムッル氏も軽傷を負ったが、病院に搬送された。状態は良好」と速報したが、現場では、まだ重傷者の救護活動が続いている。
グチャグチャに引き裂かれ四散した車体、焼けこげた車の下に入り込んだような形で息絶えた死体。爆発に巻き込まれて大破した車の運転席で救出を待つ血だらけの負傷者、吹き飛ばされた車の部品、駆けつけた消防隊の消火作業。
暗澹たる気持ちでテレビのスイッチを切った。
昨年10月のハマーデ元経済相暗殺未遂、今年2月の故ハリーリ元首相暗殺、ケスルーアン、ベイトメリー、マンスーリェと続いた建物への爆破テロ、6月には反シリア急先鋒だったジャーナリストと共産党元書記長が爆殺された。
ロンドンやマドリッドの“無差別テロ”と違い、標的を冷静に狙う“暗殺”はイスラエル(モサド)の得意技だった。今、「祖国を蹂躙した敵国イスラエル」を憎むレバノンの中で“祖国の敵”と同じ手法を使う“何者か”が次々に政治家やオピニオンリーダーを葬っていく。
幸いムッル氏の車は防弾仕様だったので、彼自身は両手に軽い怪我をしただけで済んだが、60kgの爆薬が爆発したと思われる場所には直径2m程のクレーターができ、ムッル氏の車の側に立っていたはずのボディーガードは、爆発の瞬間以降“行方不明”だという(12日付AFP電:※注13日の報道でボディーガードの生存は確認された。死者はたまたま通りかかった市民1名、負傷者は13名)。
ムッル氏はエミール・ラフード大統領の女婿で、経済関係に強い弁護士出身。故ハリーリ内閣でも内務相を勤め、大統領(親シリア)派の中心的存在として知られている。
6月までのテロ(暗殺)は主として“反シリア派”を標的としてきただけに、親シリア派にも魔手が伸びてきたことの意味はなんだろう?
シリアとレバノンの国境は、シリア側の過剰なまでの警備強化により物流・交易が事実上ストップしている。シリア旧権力がレバノンの親シリア勢力を見限って“尻尾切り”を始めたと見ることもできようし、反シリア派の意趣返しと見ることもできる。アメリカかイスラエルがレバノン国内の対立を煽りながらシリア−レバノンの離間策を図っているとも考えられないこともない。
もっとも、ムッル副首相はハリーリ元首相が暗殺される直前、ハリーリ派に急接近しており、一連の爆破テロ当時、治安を担当する内相ポストにあったことから“知りすぎた男”として口封じを図られたとしても不思議ではない(13日付ムスタクバルTV)。
事実、本人の暗殺未遂事件翌日のムスタクバルTVのインタビュー(病室のベッドで心電図のセンサーをつけたまま!)で「司法警察司令官に“もし私の身に危害が及んだら”公表するよう託した捜査資料がある」と答えている。そこには「パレスチナ難民キャンプのゲリラとクルド系シリア人による暗殺計画の全貌」が記されているという(本当なら大スクープだが、“怪しすぎて”簡単には信じられない)。
爆発のあった日、帰り際に部下の1人が「爆破は・・・いけませんよ(インフィジャール・・・ハラーム)」と呟くように言った。筆者が大きく頷くと「だって遺体がなかったら“最後の審判”をうけられませんものねぇ」と同意を求められて・・・筆者は返答に窮した(遺体・最後の審判=ユダヤ教・キリスト教・イスラム教に共通する終末思想「神が降臨して裁きを下す」)。
・・・そうじゃないだろ!
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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