「テロ国家」としないわけ>サッカーさん
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/10/22 14:41 投稿番号: [1793 / 1982]
いくつか重要なご指摘をされていますので、まずそれらについてお答えします。
>現在アメリカが行っている事は
>まったく恣意的な…自警団が行っている様な行為だと思っています
>国連がアメリカ軍にフリーハンドの軍事行動を行う権利を認めた
>新たな決議をしていない以上
>やはり形式的にも大きな疑義があり
>自衛的先制攻撃の理論も
>自衛権の範囲を形式的にも逸脱していると思っています
上記は仰る通りです。米英の対イラク武力行使は、国際法上違法な武力行使であることは間違いないと思っております。
「恣意的な自警団」とのサッカーさんの表現がまさに正鵠を射たものになっていると私は考えます。
つまり、戦争が正当な外交手段とされていた19世紀の自助努力による秩序維持の発想を、米国はまさに採用したのだと言えましょう。
では、現代の国際法規範に違反した武力行使を行い、理不尽な被害を出したことを持って
>「テロ国家」
とみなすことが妥当かどうかということが問題となります。
私が米国を「テロ国家」と敢えて言わないのには、理由があるのです。
もし、米国が行った武力行使をテロとしてしまえば、それは法の支配の埒外の行為であるとの割り切りが可能になってしまうからなのです。
仮に、あちらが神の意志を前面に押し出し、国際法など歯牙にもかけず、無差別の殺戮行為を行うのであれば、米国も同じ手法のテロで仕返しする。テロなのだから国際法などいちいち守るいわれはない。テロとテロの押収でとことん戦ってやるのだ――と屁理屈を述べることが可能となり、武力行使に論理的な歯止めをかけることすらできなくなるからです。
米国がどういう理由で、イラクに対し武力行使を開始したか、サッカーさんは御存じでしょうか?
実は先制攻撃論ではないのです。
米政府の公式見解によると、米国は安保理決議1441の採択以後、武力行使を容認する新決議が得られなかったため、湾岸戦争の際、多国籍軍に武力行使の権限を授権した(正確には「必要なあらゆる手段を容認する」という表現ですが)決議678まで遡り、同決議は「今も有効である」との認識を示すことで、決議678を武力行使の法的根拠としたのです。
また、同じく「依然有効」とされた決議687は、イラクに大量破壊兵器の廃棄を求めるものですが、米国は同決議に対する重大な違反はクウェートとの停戦条件を無効にするものであり、武力行使の法的根拠となり得るとしたのです。
以上の根拠説明は、もともとフライシャー米報道官により、米政府の武力行使の法的根拠に関する公式見解として発表されたものです。
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2003/03/20030313-13.html
つまり米国は、あくまでイラクの国連安保理決議の不履行を理由に、武力行使を開始するという形で論理構築をしております。つまり、決議の不履行をそのままにさせておいては決議の実効性が貶められる結果になるということを危惧し、国連に代わり、決議の実効性を担保するために強制措置に出た――と理論武装したというわけです。
ここで登場する国際法概念は"opposability(対抗力)"です。
「対抗力」とは、ある国家の国際法違反行為により被る被害を食い止めるため、国家が一方的に行う制裁措置などが例として考えられます。
米国は、イラクの国連安保理決議不履行という事態から生じる被害を食い止めるため、「対抗力」の概念に基づき、武力行使に踏み切ったということが、国際法的な説明であるようです。
(申し訳ありません。続きます)
>現在アメリカが行っている事は
>まったく恣意的な…自警団が行っている様な行為だと思っています
>国連がアメリカ軍にフリーハンドの軍事行動を行う権利を認めた
>新たな決議をしていない以上
>やはり形式的にも大きな疑義があり
>自衛的先制攻撃の理論も
>自衛権の範囲を形式的にも逸脱していると思っています
上記は仰る通りです。米英の対イラク武力行使は、国際法上違法な武力行使であることは間違いないと思っております。
「恣意的な自警団」とのサッカーさんの表現がまさに正鵠を射たものになっていると私は考えます。
つまり、戦争が正当な外交手段とされていた19世紀の自助努力による秩序維持の発想を、米国はまさに採用したのだと言えましょう。
では、現代の国際法規範に違反した武力行使を行い、理不尽な被害を出したことを持って
>「テロ国家」
とみなすことが妥当かどうかということが問題となります。
私が米国を「テロ国家」と敢えて言わないのには、理由があるのです。
もし、米国が行った武力行使をテロとしてしまえば、それは法の支配の埒外の行為であるとの割り切りが可能になってしまうからなのです。
仮に、あちらが神の意志を前面に押し出し、国際法など歯牙にもかけず、無差別の殺戮行為を行うのであれば、米国も同じ手法のテロで仕返しする。テロなのだから国際法などいちいち守るいわれはない。テロとテロの押収でとことん戦ってやるのだ――と屁理屈を述べることが可能となり、武力行使に論理的な歯止めをかけることすらできなくなるからです。
米国がどういう理由で、イラクに対し武力行使を開始したか、サッカーさんは御存じでしょうか?
実は先制攻撃論ではないのです。
米政府の公式見解によると、米国は安保理決議1441の採択以後、武力行使を容認する新決議が得られなかったため、湾岸戦争の際、多国籍軍に武力行使の権限を授権した(正確には「必要なあらゆる手段を容認する」という表現ですが)決議678まで遡り、同決議は「今も有効である」との認識を示すことで、決議678を武力行使の法的根拠としたのです。
また、同じく「依然有効」とされた決議687は、イラクに大量破壊兵器の廃棄を求めるものですが、米国は同決議に対する重大な違反はクウェートとの停戦条件を無効にするものであり、武力行使の法的根拠となり得るとしたのです。
以上の根拠説明は、もともとフライシャー米報道官により、米政府の武力行使の法的根拠に関する公式見解として発表されたものです。
http://www.whitehouse.gov/news/releases/2003/03/20030313-13.html
つまり米国は、あくまでイラクの国連安保理決議の不履行を理由に、武力行使を開始するという形で論理構築をしております。つまり、決議の不履行をそのままにさせておいては決議の実効性が貶められる結果になるということを危惧し、国連に代わり、決議の実効性を担保するために強制措置に出た――と理論武装したというわけです。
ここで登場する国際法概念は"opposability(対抗力)"です。
「対抗力」とは、ある国家の国際法違反行為により被る被害を食い止めるため、国家が一方的に行う制裁措置などが例として考えられます。
米国は、イラクの国連安保理決議不履行という事態から生じる被害を食い止めるため、「対抗力」の概念に基づき、武力行使に踏み切ったということが、国際法的な説明であるようです。
(申し訳ありません。続きます)
これは メッセージ 1781 (soccerdaisuki2004jp さん)への返信です.
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