新生イラクの「民主主義」とは?
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/08/15 16:10 投稿番号: [1358 / 1982]
アラウィの現在の強権政治路線は、現在のイラクの治安情勢を鑑みると理解できるものではあるのですが、一方で気になるのは、アセアンさんの仰る
>つまり、先進国等で言われる”大衆迎合のベタベタ利権型の政治”を行うことが
彼らにとっての「民意を考慮する」ことであって、
という部分のいわばあの地域特有の「民主主義」観ともいうのでしょうか?それがどれだけ尊重された仕組みがイラクにできるのだろうか?という点が気掛かりではあります。
サドル君との停戦交渉が決裂したことについても、サドル君側の理屈がいかにガキの理屈であり、交渉するだけムダであったとしても、決裂のさせ方に、本来は非常に時間がかかり、さまざまな根回しが前提となるようなあの地域で考えられている部族主義的プロセスというのか?そうしたプロセスを踏まえない強引さを感じます。
おそらくはアラウィ首相率いる暫定政府側に、米軍からの何かしらの外圧があるのだろうとは思います。アラウィ首相の現在の強権的政治路線の先にある新生イラクの体制を、仮に民主的なものであるとすると、それは極めて欧米的な合理主義が採用された、あの地域ではなじみにくいものになるのではないかという懸念があります。
アセアンさんが#580で「根回し9割5分の部族民主主義」と題し、お話しされている内容とも関係してくるとは思いますが、イラクの政治体制の統治レジームとして想定されているものは、明らかに代議制と多数決制に基づく欧米的合理主義が反映された民主的ポリティであるかと思われます。
イラク暫定憲法で規定されている「国民議会」も、選挙で選ばれた議員で構成される議会に大統領の罷免権も付与した大きな権限が与えられており、いわば議会での意思決定優先主義ともいえる統治レジームを想定しているようですが、これは明らかにイギリス型議会制民主主義の模倣でしょう。
しかしあの地域で重要なことは、非合理的であるし、非効率の極みであるかもしれないけれど、誰の顔も潰さず、対立を先鋭化させない根回しを前提とした意思決定プロセスの工夫であり、そうした工夫は、部族や宗派が入り乱れる地域で共存を生み出すための知恵の結晶であるかとも思われます。
イラクで現在、決してほめられたものではないあからさまに利権丸出しの武装闘争が起こってしまうのも、特にサドル君などはそうかもしれませんが、このままでは「俺の顔が潰される」「つまはじきにされる」といったような不安が動機になっているのだろうと思います。
開催が予定されているイラクの国民大会議についても、不参加を表明する勢力が多いのは、この国民大会議自体もまた、極めて欧米的な合理的民主制度を前提にしているものであり、参加する全ての勢力の顔が立つかどうかは分からないからではないでしょうか?
アセアンさんがいみじくも「部族民主主義」と名付けた統治レジームを、イラクを支援する各先進諸国がどれだけ理解し、尊重できるのかという点が、かなり重要でしょう。ただ、イラク暫定政府が向いている方向は、欧米的な合理主義に基づく民主主義ではないかと思います。またアラウィ首相はじめ、ほとんど亡命経験のある暫定政府のメンバー自身が、そうした欧米的合理主義に魅力を感じているようにも思えます。
ここにイラクから一歩も出ずに生き延びてきたイラク人と、亡命イラク人との間に感性の乖離があるように感じるのです。
僕は、アセアンさんの仰る「部族民主主義」という考え方を支持しますが、今年末、もしくは来年初頭に予定されている選挙を通じ確立されるイラクの政治統治レジームは、結局欧米型民主主義観を前提にしたものになるのではないかと懸念しています。
アラウィ首相のような人は、米国からの支援も得やすく、外交面で実績を上げやすいかとは思いますが、亡命イラク人が感覚として欠如していると思われる、イラク国内の部族的な根回しによる非合理的かもしれないけれどうまく各派の顔を立たせる根回しをもっとうまく活用すべきではないかと思うときがあります。
結局はイラクの挙国一致体制ということも、「部族的民主主義」という考え方の延長線上にあるものではないかとも考えるのです。
取り敢えず。
>つまり、先進国等で言われる”大衆迎合のベタベタ利権型の政治”を行うことが
彼らにとっての「民意を考慮する」ことであって、
という部分のいわばあの地域特有の「民主主義」観ともいうのでしょうか?それがどれだけ尊重された仕組みがイラクにできるのだろうか?という点が気掛かりではあります。
サドル君との停戦交渉が決裂したことについても、サドル君側の理屈がいかにガキの理屈であり、交渉するだけムダであったとしても、決裂のさせ方に、本来は非常に時間がかかり、さまざまな根回しが前提となるようなあの地域で考えられている部族主義的プロセスというのか?そうしたプロセスを踏まえない強引さを感じます。
おそらくはアラウィ首相率いる暫定政府側に、米軍からの何かしらの外圧があるのだろうとは思います。アラウィ首相の現在の強権的政治路線の先にある新生イラクの体制を、仮に民主的なものであるとすると、それは極めて欧米的な合理主義が採用された、あの地域ではなじみにくいものになるのではないかという懸念があります。
アセアンさんが#580で「根回し9割5分の部族民主主義」と題し、お話しされている内容とも関係してくるとは思いますが、イラクの政治体制の統治レジームとして想定されているものは、明らかに代議制と多数決制に基づく欧米的合理主義が反映された民主的ポリティであるかと思われます。
イラク暫定憲法で規定されている「国民議会」も、選挙で選ばれた議員で構成される議会に大統領の罷免権も付与した大きな権限が与えられており、いわば議会での意思決定優先主義ともいえる統治レジームを想定しているようですが、これは明らかにイギリス型議会制民主主義の模倣でしょう。
しかしあの地域で重要なことは、非合理的であるし、非効率の極みであるかもしれないけれど、誰の顔も潰さず、対立を先鋭化させない根回しを前提とした意思決定プロセスの工夫であり、そうした工夫は、部族や宗派が入り乱れる地域で共存を生み出すための知恵の結晶であるかとも思われます。
イラクで現在、決してほめられたものではないあからさまに利権丸出しの武装闘争が起こってしまうのも、特にサドル君などはそうかもしれませんが、このままでは「俺の顔が潰される」「つまはじきにされる」といったような不安が動機になっているのだろうと思います。
開催が予定されているイラクの国民大会議についても、不参加を表明する勢力が多いのは、この国民大会議自体もまた、極めて欧米的な合理的民主制度を前提にしているものであり、参加する全ての勢力の顔が立つかどうかは分からないからではないでしょうか?
アセアンさんがいみじくも「部族民主主義」と名付けた統治レジームを、イラクを支援する各先進諸国がどれだけ理解し、尊重できるのかという点が、かなり重要でしょう。ただ、イラク暫定政府が向いている方向は、欧米的な合理主義に基づく民主主義ではないかと思います。またアラウィ首相はじめ、ほとんど亡命経験のある暫定政府のメンバー自身が、そうした欧米的合理主義に魅力を感じているようにも思えます。
ここにイラクから一歩も出ずに生き延びてきたイラク人と、亡命イラク人との間に感性の乖離があるように感じるのです。
僕は、アセアンさんの仰る「部族民主主義」という考え方を支持しますが、今年末、もしくは来年初頭に予定されている選挙を通じ確立されるイラクの政治統治レジームは、結局欧米型民主主義観を前提にしたものになるのではないかと懸念しています。
アラウィ首相のような人は、米国からの支援も得やすく、外交面で実績を上げやすいかとは思いますが、亡命イラク人が感覚として欠如していると思われる、イラク国内の部族的な根回しによる非合理的かもしれないけれどうまく各派の顔を立たせる根回しをもっとうまく活用すべきではないかと思うときがあります。
結局はイラクの挙国一致体制ということも、「部族的民主主義」という考え方の延長線上にあるものではないかとも考えるのです。
取り敢えず。
これは メッセージ 1344 (asean_peace11 さん)への返信です.
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