アラウィの手腕:内政が課題か?
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/08/13 15:15 投稿番号: [1339 / 1982]
みなさん、こんにちは。
お久しぶりです。
アセアンさんの投稿#1216の内容に関連して私見をば…。
アラウィ首相の歴史的と言ってもいいクウェート訪問による外交関係回復の合意や、サウジとも和解を果たし、近く両国で大使館を再開させることも決まるなど、彼のイスラム諸国歴訪はかなりの意味があったように思います。
イラク暫定政府は、外交面で着実な成果を上げつつあるようです。
一方、イラク中南部を中心に見られる相変わらずのサドル君騒動をはじめ、イラク北部ではクルド人とアラブ人、もしくはクルド人とトルクメン人など、外部テロ組織の流入と同じく、フセインの重石で抑えつけられていた宗派、民族単位で分化された紛争も表面化しています。これらのイラク国内の紛争の沈静化は、今後のイラク復興の一つの大きな課題でもあるでしょう。
これらのイラクの国内紛争の沈静化に向け、アラウィが取っている方針は、フセインの重石の再生とまでは言いませんが、非常に強権的な、いわば強い指導者像の復活ではないかと思えます。
たとえば、イラク国内では様々な反米・反暫定政府武装勢力がいろいろな形で登場しているようですが、一方でそれとは正反対の、反米・反暫定政府武装勢力叩きを目的とした武装勢力なども出現し、とりわけザルカウィなどが率いる外部テロ組織に対し、徹底抗戦の構えを見せています。「救世運動」や「神の剣」などと呼ばれる勢力のようですが…。
そして、どうやらアラウィは、「救世運動」や「神の剣」などの勢力を積極的に支援していると聞きます。アラウィのこうした姿勢は、そもそも選挙枠組み政府である暫定政府に想定されている権限を超えた行動にもつながりかねず、明らかにイラク各派にとって中立であろうとする立場を、イラクの治安悪化につながる不穏分子を叩くためであれば、放棄するという姿勢を鮮明にしていると言えます。
が、僕は、今のイラクの治安情勢を考えると、このアラウィの方針は妥当であろうと評価します。変に大衆迎合せず、ポピュリスト的な政策決定をしていないという意味でも。
ここでもし、イラク暫定政府が中立の立場に固執し、ヘタに民主的な姿勢を装うことでポピュリスト的な大衆迎合に走ってしまえば、結局はパレスチナの過激派を抱え込み、自治区内の治安回復に手をこまねき、袋小路に陥っているパレスチナ暫定自治政府のアラファト議長と同じ轍を踏みかねないように思われるからです。
アラウィは、過去にCIAの支援を受け反フセイン活動を行っていたり、バース党員であった経歴もあることから、当然ながら彼に対するネガティブキャンペーンも盛り上がっているようです。もともと、火がなくても煙を立たせてしまうような雰囲気があるイラクですから、いろいろと彼に血に飢えたイメージをくっつける噂が広がってもいるようです。
武力行使のトピで、ネオさんが、南米における米国傀儡型の体制を今のイラクに重ねた見解を述べておられましたが、そう思うのも確かに、ムリはないように思います(ネグロポンテがイラク大使を務めていることがダメ押しですが…)。が、一方で、反暫定政府を標榜するイラク国内の各勢力が、あまりにも烏合の衆と化しすぎており、ヘタな大衆迎合に走っていることも問題であるかと思います。
特に、今の暫定政府以外の勢力では、アラウィがイスラム諸国の歴訪で見せたのと同じような実績を上げることはできないと思われます。外交面における戦略を有しているとは到底思えず、イラクの世界各国と、イスラム諸国との関係回復を視野に入れ、国際協調の枠組みの中で、新生イラクの再建をめざすというビジョンがないのです。
外交面で成果をあげつつあるイラク暫定政府が、今後、特にイラクの治安回復などの内政面でも、大きな実績をあげることができるかどうかに、イラク復興の将来がかかっているように思います。
取り敢えず(久しぶりに使った…。やっぱ便利っす 笑)。
お久しぶりです。
アセアンさんの投稿#1216の内容に関連して私見をば…。
アラウィ首相の歴史的と言ってもいいクウェート訪問による外交関係回復の合意や、サウジとも和解を果たし、近く両国で大使館を再開させることも決まるなど、彼のイスラム諸国歴訪はかなりの意味があったように思います。
イラク暫定政府は、外交面で着実な成果を上げつつあるようです。
一方、イラク中南部を中心に見られる相変わらずのサドル君騒動をはじめ、イラク北部ではクルド人とアラブ人、もしくはクルド人とトルクメン人など、外部テロ組織の流入と同じく、フセインの重石で抑えつけられていた宗派、民族単位で分化された紛争も表面化しています。これらのイラク国内の紛争の沈静化は、今後のイラク復興の一つの大きな課題でもあるでしょう。
これらのイラクの国内紛争の沈静化に向け、アラウィが取っている方針は、フセインの重石の再生とまでは言いませんが、非常に強権的な、いわば強い指導者像の復活ではないかと思えます。
たとえば、イラク国内では様々な反米・反暫定政府武装勢力がいろいろな形で登場しているようですが、一方でそれとは正反対の、反米・反暫定政府武装勢力叩きを目的とした武装勢力なども出現し、とりわけザルカウィなどが率いる外部テロ組織に対し、徹底抗戦の構えを見せています。「救世運動」や「神の剣」などと呼ばれる勢力のようですが…。
そして、どうやらアラウィは、「救世運動」や「神の剣」などの勢力を積極的に支援していると聞きます。アラウィのこうした姿勢は、そもそも選挙枠組み政府である暫定政府に想定されている権限を超えた行動にもつながりかねず、明らかにイラク各派にとって中立であろうとする立場を、イラクの治安悪化につながる不穏分子を叩くためであれば、放棄するという姿勢を鮮明にしていると言えます。
が、僕は、今のイラクの治安情勢を考えると、このアラウィの方針は妥当であろうと評価します。変に大衆迎合せず、ポピュリスト的な政策決定をしていないという意味でも。
ここでもし、イラク暫定政府が中立の立場に固執し、ヘタに民主的な姿勢を装うことでポピュリスト的な大衆迎合に走ってしまえば、結局はパレスチナの過激派を抱え込み、自治区内の治安回復に手をこまねき、袋小路に陥っているパレスチナ暫定自治政府のアラファト議長と同じ轍を踏みかねないように思われるからです。
アラウィは、過去にCIAの支援を受け反フセイン活動を行っていたり、バース党員であった経歴もあることから、当然ながら彼に対するネガティブキャンペーンも盛り上がっているようです。もともと、火がなくても煙を立たせてしまうような雰囲気があるイラクですから、いろいろと彼に血に飢えたイメージをくっつける噂が広がってもいるようです。
武力行使のトピで、ネオさんが、南米における米国傀儡型の体制を今のイラクに重ねた見解を述べておられましたが、そう思うのも確かに、ムリはないように思います(ネグロポンテがイラク大使を務めていることがダメ押しですが…)。が、一方で、反暫定政府を標榜するイラク国内の各勢力が、あまりにも烏合の衆と化しすぎており、ヘタな大衆迎合に走っていることも問題であるかと思います。
特に、今の暫定政府以外の勢力では、アラウィがイスラム諸国の歴訪で見せたのと同じような実績を上げることはできないと思われます。外交面における戦略を有しているとは到底思えず、イラクの世界各国と、イスラム諸国との関係回復を視野に入れ、国際協調の枠組みの中で、新生イラクの再建をめざすというビジョンがないのです。
外交面で成果をあげつつあるイラク暫定政府が、今後、特にイラクの治安回復などの内政面でも、大きな実績をあげることができるかどうかに、イラク復興の将来がかかっているように思います。
取り敢えず(久しぶりに使った…。やっぱ便利っす 笑)。
これは メッセージ 1216 (asean_peace11 さん)への返信です.
固定リンク:https://yarchive.emmanuelc.dix.asia/552019567/a5a4a5ia5afifc6bd_1/1339.html