イラク復興

Yahoo! Japan 掲示板トピックビューアー

[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

分離壁とイスラエルの防衛心理(続)

投稿者: silverlining430 投稿日時: 2004/07/18 02:39 投稿番号: [1065 / 1982]
イスラエルが建設している分離壁は、占領国が被占領者の動産、不動産を破壊することを禁じるジュネーブ第4条約53条の規定や、人の移動の自由を保障する国際人権B規約12条の規定など、人道・人権法規範に反しているというICJの判断は妥当かと思う。

ただ、分離壁の建設がテロリストの侵入を防ぐための、どうしてもなければならない手段であるのか確信を持てないとのICJの判断については、この判断に行き着くに当たり、分離壁の戦略的な評価を、具体的な事例にまったく照らさずに行ってしまっているので、ICJの完全な主観になってしまっている。

5日付けのイスラエル紙ハーレツが、ピース・インデックスが行った世論調査を紹介しているけれど、ユダヤ系イスラエル人の実に8割近くが分離壁の建設を支持していて、6割以上が、治安に対する不安が払拭されたと答えているという。分離壁がテロリストの侵入の防止に、一定の効果を発揮していると推察できるけれど、この辺りの具体的な事実関係を、ICJはしっかり検証すべきだったと思う。

一方、ICJは、過激派テロリストの取り締まりに怠慢を決め込んでいたパレスチナ自治政府を暗に批判しておるなと思えるところがあり、気になった。イスラエルの過剰な防衛心理は、パレスチナ自治政府の堕落ぶりに帰因しているところも多分にあるし、パレスチナ自治政府が過激派に対し、何らの措置も講じていないことが、イスラエルが分離壁の建設を急ぐ動機になってしまっているところがあるため、当然といえば当然なのだけれど…。

それは、「裁判所は強調する。イスラエルとパレスチナ双方が、無実の一般住民の生命を保護するために重要な国際人道法のルールを遵守する義務が課せられていることを」という部分。

被告ではないパレスチナへの訴えかけまで含まれているのは妙だなぁと感じたわけでして。実際、ヒギンス女史と同じく判事の一人を務めた小和田恒氏も分離意見の中で、「ICJが現在の問題の根本的な要素を形成している無実の一般人に対する無差別の攻撃を、イスラエルとパレスチナの双方にやめるように求めたことに希望を見出した」と付言している。

さらに13日の国連安全保障理事会の定期報告では、ラーセン中東和平担当調査官が、パレスチナ過激派テロリストに対し有効な対策を取れずにいる自治政府について「治安面で明らかに機能マヒしており、自治区の法秩序は確実に悪化している」と指摘し、「パレスチナ自治政府の治安対策が改善されなければ、国際社会の支持や財政支援は受けられなくなるだろう」と警告した。おそらく、ICJの勧告的意見の中の、イスラエルとパレスチナ双方への訴えを行っている部分と、このラーセン調査官の発言は連続性があるのでしょう。

「アルアクサ殉教者旅団」など、アラファト議長とつながりを持ち、支援を受けている過激派がいるけれど、アラファト議長がこうした姿勢を維持し続けると、「72%はイスラエルとの和解を望んでいる」(ラーセン氏情報)という多くのパレスチナ人の意思がかき消されてしまうことになるし、武器を捨て平和的に占領に抵抗しようとしているパレスチナ人の動向に目が向かなくなってしまう。

ICJの勧告的意見はイスラエルへの国際的な非難を高めていることになっている。が、イスラエルを過剰な防衛心理に陥れることになっている、パレスチナ自治政府の過激派を支援し、治安対策に怠惰を極めるという姿勢は、他のアラブ諸国の意向にも反するものであり、パレスチナ自治政府も同時に、アラブ諸国の中で孤立化しないかどうかの瀬戸際に立たされているように思えるしだいです。エジプトがパレスチナ自治政府の治安対策改善案を提案していると聞くし。

それでは。
[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

Yahoo! Japan 掲示板 アーカイヴ

[検索ページ] (中東) (東亜) (捕鯨 / 捕鯨詳細)