国連安保理決議
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2005/05/26 01:21 投稿番号: [1579 / 1657]
こんばんは、スカイさん。
ちょっと教科書的な退屈な話になってしまいますが…。
「決議」というのは「条約」とは違うんです。特に国連の関連機関で採択される決議は、国連加盟国の行動を規定するという性格のものですね。
で、国連安全保障理事会の決議だけは特別に国連加盟国に対し強い強制力を持つものになっています。国連安保理決議のそうした強制力の実効性に疑義を挟もうと思えばいろいろ言えますが、少なくとも国連憲章上は強制力があるものになっていると言えます。
つまり、法的拘束力を持つような国連決議とは、国連憲章第7章のもとで採択された国連安保理決議を指しているということです。
国連憲章第7章は、平和の脅威、もしくは破壊と認定された行為を行う国に対する軍事的・非軍事的制裁を科すための手続きを定めた文言です。
そして国連憲章第7章のもとの案件を扱うのが、国際の平和と安全の維持という目的の実現を果たすための権限を第一義的に負わされている安保理です。
つまり安保理で採択される決議とは、国連憲章第7章で規定されている軍事的・非軍事的な制裁措置の具体的な実施内容を決めたものということになり、決議に従い、各国連加盟国が決議で定められた制裁内容を実施するということになります。
それでは国連安保理決議の法的効力はどうなっているのかということについてですが、これは実際の国連憲章の規定を読めばすぐに分かります。
まず決議で決定された事項については、国連憲章第25条に、国連加盟国が決定を受諾し履行することに同意すると規定されています。
つまり国連に加盟した各国家は、安保理の決定事項を受諾し、履行することに同意していることが所与のものとなっているというこであり、安保理決議における決定事項には従わなければならないという法的拘束力の発生を、国連加盟国は国連に加盟した時点で認めているということです。
国連憲章上、国連加盟国に課せられる法的義務とは、まさに国連安保理決議の決定事項の規定であるということです。
さらに安保理決議の決定事項で生じた国連加盟国の義務について、国連憲章第103条が重ねて規定しており、103条では「憲章義務の優先」について定めています。
つまり、他の条約などの国際協定と国連安保理決議の決定事項とが抵触した場合は、国際協定よりも安保理決議で生じた義務の方が優先されるということです。
国連軍というものが仮に国連憲章の規定通りに創設されるのであれば、それは世界における超権力の出現を意味しているとも言えますが、そうした超権力の出現を「法的に」可能にしているのが、国連憲章第7章です。
だからこそ国連で唯一、「権力」といえる場所は安保理しかないという状況になっています。つまり、極端な話、国連加盟国を具体的な行動に移させるには、安保理決議を採択するしかないというが現状であるがゆえに、安保理で話し合われる議題の議題設定の段階で、どのような議題が安保理に持ち出されるのかが非常に注目されるということになっているわけです。
問題は、安保理で扱われる議題は、憲章第7章で想定していたような軍事的・非軍事的「制裁」を科せばそれで解決するといったような単純なものではなくなってきている――という点が重要で、だからこそ非常に狭い政策オプションしか想定していないし、そういう狭い政策オプションを実施するための機関しか創設できないような国連の構造自体を規定している国連憲章そのものを書き換える必要があるだろう――と感じています。
日本の安保理常任理事国入り論議は、安保理における議題の多様化と関連するものとして捉えられているはずなのですが、日本で見られる新聞の論調なんかはどうやら勘違いしているようなので、そうした論調のおかげで日本の安保理常任理事国入り論議がミスリードされている状況は、個人的には非常に残念に思っています。
ちょっと教科書的な退屈な話になってしまいますが…。
「決議」というのは「条約」とは違うんです。特に国連の関連機関で採択される決議は、国連加盟国の行動を規定するという性格のものですね。
で、国連安全保障理事会の決議だけは特別に国連加盟国に対し強い強制力を持つものになっています。国連安保理決議のそうした強制力の実効性に疑義を挟もうと思えばいろいろ言えますが、少なくとも国連憲章上は強制力があるものになっていると言えます。
つまり、法的拘束力を持つような国連決議とは、国連憲章第7章のもとで採択された国連安保理決議を指しているということです。
国連憲章第7章は、平和の脅威、もしくは破壊と認定された行為を行う国に対する軍事的・非軍事的制裁を科すための手続きを定めた文言です。
そして国連憲章第7章のもとの案件を扱うのが、国際の平和と安全の維持という目的の実現を果たすための権限を第一義的に負わされている安保理です。
つまり安保理で採択される決議とは、国連憲章第7章で規定されている軍事的・非軍事的な制裁措置の具体的な実施内容を決めたものということになり、決議に従い、各国連加盟国が決議で定められた制裁内容を実施するということになります。
それでは国連安保理決議の法的効力はどうなっているのかということについてですが、これは実際の国連憲章の規定を読めばすぐに分かります。
まず決議で決定された事項については、国連憲章第25条に、国連加盟国が決定を受諾し履行することに同意すると規定されています。
つまり国連に加盟した各国家は、安保理の決定事項を受諾し、履行することに同意していることが所与のものとなっているというこであり、安保理決議における決定事項には従わなければならないという法的拘束力の発生を、国連加盟国は国連に加盟した時点で認めているということです。
国連憲章上、国連加盟国に課せられる法的義務とは、まさに国連安保理決議の決定事項の規定であるということです。
さらに安保理決議の決定事項で生じた国連加盟国の義務について、国連憲章第103条が重ねて規定しており、103条では「憲章義務の優先」について定めています。
つまり、他の条約などの国際協定と国連安保理決議の決定事項とが抵触した場合は、国際協定よりも安保理決議で生じた義務の方が優先されるということです。
国連軍というものが仮に国連憲章の規定通りに創設されるのであれば、それは世界における超権力の出現を意味しているとも言えますが、そうした超権力の出現を「法的に」可能にしているのが、国連憲章第7章です。
だからこそ国連で唯一、「権力」といえる場所は安保理しかないという状況になっています。つまり、極端な話、国連加盟国を具体的な行動に移させるには、安保理決議を採択するしかないというが現状であるがゆえに、安保理で話し合われる議題の議題設定の段階で、どのような議題が安保理に持ち出されるのかが非常に注目されるということになっているわけです。
問題は、安保理で扱われる議題は、憲章第7章で想定していたような軍事的・非軍事的「制裁」を科せばそれで解決するといったような単純なものではなくなってきている――という点が重要で、だからこそ非常に狭い政策オプションしか想定していないし、そういう狭い政策オプションを実施するための機関しか創設できないような国連の構造自体を規定している国連憲章そのものを書き換える必要があるだろう――と感じています。
日本の安保理常任理事国入り論議は、安保理における議題の多様化と関連するものとして捉えられているはずなのですが、日本で見られる新聞の論調なんかはどうやら勘違いしているようなので、そうした論調のおかげで日本の安保理常任理事国入り論議がミスリードされている状況は、個人的には非常に残念に思っています。
これは メッセージ 1572 (sky_hyper_storm さん)への返信です.
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