米国がアウトソーシングする理由…
投稿者: silverlining430 投稿日時: 2005/05/12 18:18 投稿番号: [1486 / 1657]
というよりも、「米国」という大きな単位ではなく、米企業などの個別単位で実際に警護をお願いするときは英国のハート社などにお願いしているということになっています。
そして契約の窓口的な役割を担っているのが#1473で言及したPCOです。
イラクにおける国家再建過程は、従来の紛争地復興過程と異なった特徴があります。
たとえば東ティモールですが、
①多国籍軍の投入による武装勢力の掃討
②武装勢力の掃討成功による治安の安定化に伴い多国籍軍の撤退
③軽武装の国連平和維持部隊(PKOの軍事要員)の派遣
④PKFによる治安維持と工兵隊(日本の陸自でいうところの施設部隊)による対処療法的復興事業(通称QIP=Quick Impact Project)の開始
⑤④における応急処置的なインフラ整備の進展や治安維持任務の継続的実施により治安が更に安定
⑥PKOの軍事要員の撤退
⑦民間企業などの参入
⑧QIPにより進められたインフラ整備などを土台に民間企業による本格復興事業の開始
――という順序です。他の紛争地復興過程もだいたい上のような手順をたどります。このような過程においては、民間企業などが、軍務経験を持つ人材を有する民間警護会社に警護をお願いするような局面はそれほどありません。
一方、イラクの場合、お分かりのように、武装勢力の掃討終了後ではなく、掃討の過程で火力の強い軍隊が活動している中で、同時に米国の民間企業が進出していた――という事態になっていました。
米国の民間企業は、好き勝手にイラクで事業を進めているわけではなく、同じく#1473で触れたCPAの復興支援計画の枠組みの中で活動していました。
つまりCPAからの事業委託を米国の民間企業が受けていたということです。
言うまでもありませんが、CPAには復興事業委託をしている企業リストがありますので、民間警護会社などがイラクで仕事する場合、CPAに話を通し、事業委託先である企業の警護などをする際、CPAを通し企業と交渉するということになっていたようです。
話が前後しましたが、武装勢力の掃討が終わっていない治安が極めて不安定な中で、民間企業が活動するという特殊な状況でしたから、企業側などに、軍務経験を持つほどのプロの警護要員が必要でした。なので英国ハート社のような民間警護会社にとって、イラクは非常にニーズのある国だったということです。
米軍はそもそも武装勢力の掃討も視野に入れた、非常に火力のつよい装備でイラクに入っていますので、企業の警護などには不向きです。もし警護任務もするというのであれば、PKO型の比較的軽武装の軍事要員が必要になりますし、カンボジアで日本が派遣したような文民警察官(これもPKO要員の一部ですが)のような存在が必要にもなります。
しかし、ご存知のように、イラク復興は国連主導型ではありませんし、国連が編成したPKO部隊の派遣は、イラクの危険な情勢を理由に、国連自身がやりたがってはいません。
少し脱線していいますと、僕はイラクに投入された13万そこそこという米軍の数がそもそも少なすぎたため、現在のイラクでの治安の混乱を招いたと思っていますが…。
また、イラク軍やイラク治安部隊の訓練なども、そもそもCPAの復興計画のひとつなので、ここでもCPAの枠組みに入った英国ハート社などの軍務経験を持つ人たちで構成された民間警護会社が請け負うことになったということなのでしょう。
中には米軍と契約した民間警護会社もありますが、実は実戦において、それほどたいしたことはしていません。あたかも民間警護会社の要員が米軍の代わりにイラクの武装勢力と戦っていると言わんばかりのマヌケな報道もありますが、装備が装備ですので、本格的な掃討作戦に参加などできません。
おそらく外国の民間人を襲った腰抜けイラク武装勢力と警護会社の要員が打ち合いになったことなんかを、武装勢力側がいつものごとく「あいつらは米軍の代わりに俺たちをやっつけにきやがったんだ」と大げさにいい、それを取材したメディアが真に受けたというのが真相でしょうね。アラブ諸国の噂社会は嘘八百の世界ですので、現地人を取材するときほど注意が必要なはずなのですが。
したがって、あちらのトピでみられるような、イラクで活動している民間警護会社の存在を、ラムズフェルドが考えているような戦争の民営化案に結び付けて考えているようなお話は、多分にトンチンカンだし、そんな仰々しいことを、たかだか民間警護会社程度ができるわけないのですけどね。
そして契約の窓口的な役割を担っているのが#1473で言及したPCOです。
イラクにおける国家再建過程は、従来の紛争地復興過程と異なった特徴があります。
たとえば東ティモールですが、
①多国籍軍の投入による武装勢力の掃討
②武装勢力の掃討成功による治安の安定化に伴い多国籍軍の撤退
③軽武装の国連平和維持部隊(PKOの軍事要員)の派遣
④PKFによる治安維持と工兵隊(日本の陸自でいうところの施設部隊)による対処療法的復興事業(通称QIP=Quick Impact Project)の開始
⑤④における応急処置的なインフラ整備の進展や治安維持任務の継続的実施により治安が更に安定
⑥PKOの軍事要員の撤退
⑦民間企業などの参入
⑧QIPにより進められたインフラ整備などを土台に民間企業による本格復興事業の開始
――という順序です。他の紛争地復興過程もだいたい上のような手順をたどります。このような過程においては、民間企業などが、軍務経験を持つ人材を有する民間警護会社に警護をお願いするような局面はそれほどありません。
一方、イラクの場合、お分かりのように、武装勢力の掃討終了後ではなく、掃討の過程で火力の強い軍隊が活動している中で、同時に米国の民間企業が進出していた――という事態になっていました。
米国の民間企業は、好き勝手にイラクで事業を進めているわけではなく、同じく#1473で触れたCPAの復興支援計画の枠組みの中で活動していました。
つまりCPAからの事業委託を米国の民間企業が受けていたということです。
言うまでもありませんが、CPAには復興事業委託をしている企業リストがありますので、民間警護会社などがイラクで仕事する場合、CPAに話を通し、事業委託先である企業の警護などをする際、CPAを通し企業と交渉するということになっていたようです。
話が前後しましたが、武装勢力の掃討が終わっていない治安が極めて不安定な中で、民間企業が活動するという特殊な状況でしたから、企業側などに、軍務経験を持つほどのプロの警護要員が必要でした。なので英国ハート社のような民間警護会社にとって、イラクは非常にニーズのある国だったということです。
米軍はそもそも武装勢力の掃討も視野に入れた、非常に火力のつよい装備でイラクに入っていますので、企業の警護などには不向きです。もし警護任務もするというのであれば、PKO型の比較的軽武装の軍事要員が必要になりますし、カンボジアで日本が派遣したような文民警察官(これもPKO要員の一部ですが)のような存在が必要にもなります。
しかし、ご存知のように、イラク復興は国連主導型ではありませんし、国連が編成したPKO部隊の派遣は、イラクの危険な情勢を理由に、国連自身がやりたがってはいません。
少し脱線していいますと、僕はイラクに投入された13万そこそこという米軍の数がそもそも少なすぎたため、現在のイラクでの治安の混乱を招いたと思っていますが…。
また、イラク軍やイラク治安部隊の訓練なども、そもそもCPAの復興計画のひとつなので、ここでもCPAの枠組みに入った英国ハート社などの軍務経験を持つ人たちで構成された民間警護会社が請け負うことになったということなのでしょう。
中には米軍と契約した民間警護会社もありますが、実は実戦において、それほどたいしたことはしていません。あたかも民間警護会社の要員が米軍の代わりにイラクの武装勢力と戦っていると言わんばかりのマヌケな報道もありますが、装備が装備ですので、本格的な掃討作戦に参加などできません。
おそらく外国の民間人を襲った腰抜けイラク武装勢力と警護会社の要員が打ち合いになったことなんかを、武装勢力側がいつものごとく「あいつらは米軍の代わりに俺たちをやっつけにきやがったんだ」と大げさにいい、それを取材したメディアが真に受けたというのが真相でしょうね。アラブ諸国の噂社会は嘘八百の世界ですので、現地人を取材するときほど注意が必要なはずなのですが。
したがって、あちらのトピでみられるような、イラクで活動している民間警護会社の存在を、ラムズフェルドが考えているような戦争の民営化案に結び付けて考えているようなお話は、多分にトンチンカンだし、そんな仰々しいことを、たかだか民間警護会社程度ができるわけないのですけどね。
これは メッセージ 1484 (sky_hyper_storm さん)への返信です.
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