「戦争のルール」井上忠男(宝島社)③
投稿者: imonoyamashotengai 投稿日時: 2005/01/12 01:05 投稿番号: [4286 / 5091]
ジュネーブ諸条約の第一追加議定書1条4項では、植民地支配に対する闘争だけ
でなく、外国の占領に対する武力闘争も国際的武力紛争に加えていることから、
合法的な戦闘行為を行う限り米軍と武装勢力との戦闘は同条約でいうところの
国際的武力紛争といえるかもしれません。
仮に武装勢力が第一追加議定書の適用を受けようとする場合には、一方的に
議定書の適用を宣言し、その遵守を約束すれば寄託国であるスイス政府が宣言を
受領後に効力を生ずることになります。その場合には、すべての紛争当事国を
拘束することになり、米国も武装勢力に対し追加議定書を適用しなければならな
くなります。
人質行為の禁止
兵士が休憩したり、食事中の兵舎を攻撃するのは違法ではありません。
その場合、兵士は戦闘中ではありませんが、彼らは常に軍事目標であり、
軍の宿舎自体が軍事目標を構成するからです。
イラク戦争では、反占領闘争を続ける武装勢力を捜索するために、米軍が市民
の住宅を強制捜索し、この時、住宅のドアを蹴破ったり、コーランを床に投げつ
けるなどの行為を行ったことが証言されています。捜索自体は正当性があるとし
ても、こうした行為は行き過ぎた蛮行であり、不当な破壊については住民に対し
米軍は損害を補償する義務があるでしょう。
包囲や封鎖自体は禁止されていません。特に封鎖都市への物資の流入が現地の
敵軍に有利に利用されている場合には、都市への食料・物資の輸送を阻止する
ことは違法ではないと考えられます。
民間人をターゲットにし、飢餓をもたらすような包囲は違法といえるでしょう。
また封鎖により市民生活に困窮を来した場合には救援団体の物資援助を認め
なければならないのは当然です。
戦時に行われる報復行為は「戦時復仇」と呼ばれ、敵の違法行為を止めさせる
ために同じ違法行為で対抗するもので、一定の条件のもとでは正当な行為とされ
てきました。そのためハーグ陸戦規則には、復仇を禁止する具体的な規定はあり
ませんでした。オランダの国際法学者フリッツ・カルスホーベン教授によれば、
①あらゆる手段の効果がなかった結果、最終的な補完的手段として行う補完性
②事前に復仇行為の警告を行うこと
③敵の違法行為と同等程度の損害を超えないという均衡性
④敵の違法行為が中止された場合には終了するという一過性
今日まで一般に復仇が人道法上で許される唯一の状況は、敵の人道法違法を
停止させるための「同種復仇」で、これは冒頭の条件を満たせば合法とも考え
られてきました。
復仇は相手に違法を止めさせるための対抗措置としての効果を持ちえず、
むしろ一層の殺戮と報復を加速させる破滅の論理といえるでしょう。
白旗を掲げて降伏に見せかけたり、赤十字旗を掲げて保護を装い、油断した
相手を攻撃することは、「背信行為」として国際人道法で禁止されています。
背信行為と似たものに、おとり作戦や陽動作戦、偽装、偽情報などで敵を誤導
させる「奇計」がありますが、これは違法とはなりません。
戦闘員を狙撃することは戦争法で禁止されず、ターゲットになった戦闘員が
戦闘行為中ではなくても違法とはいえません。
狙撃などによる特定の非戦闘員を殺害する「暗殺」は違法行為です。
<第六章>武器の使用制限に関するルール
ハーグ法で禁止されている兵器
①不必要で過度な苦痛や死をもたらす兵器
②無差別に住民を殺傷する兵器
③自然環境に深刻な影響を与える兵器
④背信的な兵器
ナパーム弾などの焼夷兵器などが禁止されています。
米国はナパーム弾を2001年4月をもって貯蔵していた分を全て破壊処理したと
しています。しかし、イラク戦争で米軍がナパーム弾を使用した疑惑が報じられ
ています。
・クラスター爆弾(及びその不発弾)
・劣化ウラン弾
・燃料気化爆弾(デイジーカッター)
については、問題性が論じられいます。
1996年8月の国連の「差別の防止と少数民族の保護に関する小委員会」は
これらの武器を「非人道的な兵器」に認定し、その使用を国際法違反であると
する決議を採択しています。
でなく、外国の占領に対する武力闘争も国際的武力紛争に加えていることから、
合法的な戦闘行為を行う限り米軍と武装勢力との戦闘は同条約でいうところの
国際的武力紛争といえるかもしれません。
仮に武装勢力が第一追加議定書の適用を受けようとする場合には、一方的に
議定書の適用を宣言し、その遵守を約束すれば寄託国であるスイス政府が宣言を
受領後に効力を生ずることになります。その場合には、すべての紛争当事国を
拘束することになり、米国も武装勢力に対し追加議定書を適用しなければならな
くなります。
人質行為の禁止
兵士が休憩したり、食事中の兵舎を攻撃するのは違法ではありません。
その場合、兵士は戦闘中ではありませんが、彼らは常に軍事目標であり、
軍の宿舎自体が軍事目標を構成するからです。
イラク戦争では、反占領闘争を続ける武装勢力を捜索するために、米軍が市民
の住宅を強制捜索し、この時、住宅のドアを蹴破ったり、コーランを床に投げつ
けるなどの行為を行ったことが証言されています。捜索自体は正当性があるとし
ても、こうした行為は行き過ぎた蛮行であり、不当な破壊については住民に対し
米軍は損害を補償する義務があるでしょう。
包囲や封鎖自体は禁止されていません。特に封鎖都市への物資の流入が現地の
敵軍に有利に利用されている場合には、都市への食料・物資の輸送を阻止する
ことは違法ではないと考えられます。
民間人をターゲットにし、飢餓をもたらすような包囲は違法といえるでしょう。
また封鎖により市民生活に困窮を来した場合には救援団体の物資援助を認め
なければならないのは当然です。
戦時に行われる報復行為は「戦時復仇」と呼ばれ、敵の違法行為を止めさせる
ために同じ違法行為で対抗するもので、一定の条件のもとでは正当な行為とされ
てきました。そのためハーグ陸戦規則には、復仇を禁止する具体的な規定はあり
ませんでした。オランダの国際法学者フリッツ・カルスホーベン教授によれば、
①あらゆる手段の効果がなかった結果、最終的な補完的手段として行う補完性
②事前に復仇行為の警告を行うこと
③敵の違法行為と同等程度の損害を超えないという均衡性
④敵の違法行為が中止された場合には終了するという一過性
今日まで一般に復仇が人道法上で許される唯一の状況は、敵の人道法違法を
停止させるための「同種復仇」で、これは冒頭の条件を満たせば合法とも考え
られてきました。
復仇は相手に違法を止めさせるための対抗措置としての効果を持ちえず、
むしろ一層の殺戮と報復を加速させる破滅の論理といえるでしょう。
白旗を掲げて降伏に見せかけたり、赤十字旗を掲げて保護を装い、油断した
相手を攻撃することは、「背信行為」として国際人道法で禁止されています。
背信行為と似たものに、おとり作戦や陽動作戦、偽装、偽情報などで敵を誤導
させる「奇計」がありますが、これは違法とはなりません。
戦闘員を狙撃することは戦争法で禁止されず、ターゲットになった戦闘員が
戦闘行為中ではなくても違法とはいえません。
狙撃などによる特定の非戦闘員を殺害する「暗殺」は違法行為です。
<第六章>武器の使用制限に関するルール
ハーグ法で禁止されている兵器
①不必要で過度な苦痛や死をもたらす兵器
②無差別に住民を殺傷する兵器
③自然環境に深刻な影響を与える兵器
④背信的な兵器
ナパーム弾などの焼夷兵器などが禁止されています。
米国はナパーム弾を2001年4月をもって貯蔵していた分を全て破壊処理したと
しています。しかし、イラク戦争で米軍がナパーム弾を使用した疑惑が報じられ
ています。
・クラスター爆弾(及びその不発弾)
・劣化ウラン弾
・燃料気化爆弾(デイジーカッター)
については、問題性が論じられいます。
1996年8月の国連の「差別の防止と少数民族の保護に関する小委員会」は
これらの武器を「非人道的な兵器」に認定し、その使用を国際法違反であると
する決議を採択しています。
これは メッセージ 4285 (imonoyamashotengai さん)への返信です.
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