Re: 読書
投稿者: soutennohoshi 投稿日時: 2008/12/02 00:39 投稿番号: [66284 / 66577]
『日中戦争見聞記』は「1939年のアジア」と言う副題を持っている。
著者のコリン・ロスはオーストリア人だけど、1939年ならドイツ人と言うことになるのかしら?
でも、当時の同盟国ドイツ人の日本贔屓を期待してはいけない。
『「満州国」見聞記―リットン調査団同行記』の著者ハインリッヒ シュネーにも言えることなのだけれど、
彼らの眼差しは日本より中国の方により温かいように感じられる。
それは侵略された側だからではなくて(彼らにはおそらくそんな短絡的な論理は通じないだろう)、
中国の歴史に対する畏敬の念からではないかと思う。
ローマやギリシア、エジプトやメソポタミアに対するのと同じような感情を彼らは中国に抱いていたのかもしれない。
(でも、その眼差しの温かさは日本人である私にとっても不愉快なものではない。)
そして、何より彼らはドイツ人だ。
日本人はドイツ人を同盟国人だけにとらえてしまう。
確かにそれは事実なのだけれど、私たちは見落としてしまっているのではないだろうか。
日本が第一次大戦で、ドイツの植民地を奪ったことを。
日本人に対してけっこう辛らつなのはそのせいなのかしらと思ったりする。
コリン・ロスは西欧文化精神の眼で東洋を理解しようと努力している。
その試みは真剣そのものと言っていいかもしれない。
(ちと笑ってしまうけれど。。。)
私たち読者は、彼の眼を通して当時の日本・中国・朝鮮を旅することになる。
その旅は、当時を知ろうとする者にとってはけっして理解しがたい旅ではない。
捏造宣伝教育はしばし忘れて、素直に当時の旅行者の眼で東アジアを見ることは無駄なことではないと思う。
これは メッセージ 66276 (soutennohoshi さん)への返信です.
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