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Re: 京都議定書の経緯について(五)

投稿者: tokyo_made_otearai_benki 投稿日時: 2007/10/23 12:24 投稿番号: [63535 / 66577]
→京都議定書の目標は温室効果ガスの排出量削減であり、エネルギー使用量そのものの削減ではない。仮に「日本はエネルギー利用の効率化を既に高度に進めて」いたとしても、化石燃料由来エネルギーを減らす努力はいっこうに進んでいない(北欧諸国ではこの努力が評価されて削減目標が低く抑えられている)。

日本で1990年代以降に急増した自家用乗用車いわゆる「マイカー」はその多くが公共交通からの転換であり、エネルギー使用が効率的である公共交通から非効率な自家用乗用車への逆転換を黙認するといった環境政策の失敗を積み重ねた結果が「1990年対比14%増」である。そのため、たとえば OECD から「運輸及び民生部門において、統合された需要管理手法(例えば、ロードプライシング、駐車への課金及びESCO)及びエネルギー効率の改善を目指した対策(省エネルギー基準その他の対策)を開発し、実施すること」や「再生可能エネルギーの開発及び利用を促進する」ことが勧告されるなど、多くの改善点が指摘されているが、それを日本は実施できていない。左記のような自動車公害を解消するための政策は、自動車・石油産業の利権に直接絡むため、その影響力が強い財界主導政治の下ではなかなか効果的な対策が打ち出されにくく、この問題はマスコミでもほとんど報じられないため国民の理解も進んでいない。

* 締約当時に開発途上国と見なされた中国・インドなどが、その後順調な経済的発展を遂げ、非効率的なエネルギー政策で大量に温室効果ガスを発生させ、世界有数の排出国となっているにも関わらず、何ら義務を負っていないことも問題視されている。しかしながら途上国の言い分である「先進国の結果責任に基づいて自主的に二酸化炭素排出量を減らす努力義務を途上国が負うのは身勝手」との意見も根強く、京都議定書の次のスキームを構築する作業は残念ながら遅遅として進んでおらず、京都議定書は一過性のもので失敗に終わる可能性が高いと見る意見がある。

→中国・インドなどいわゆる開発途上国の排出量が増加しているのは事実であるが、2007年には世界最大の排出国であるアメリカ合衆国に匹敵すると言われる中国ですら人口一人あたりの排出量は約1/4であることの難しさも内包している(逆にいえば一人あたり排出量の多い国の削減幅が足りないという話にもなる)。また、左記はあくまで単年の排出量で比較した話であり、累積排出量で比べればその差は歴然としているため、その事にも配慮してEUなどの工業先進国は率先して京都議定書を締結したものである。

* 古生代に30℃近くあった地球の地表面の平均気温は、現在15℃にまで低下しているという「長期地球寒冷化説」もあり、仮に一時的な要因として人間の温暖化ガス排出により地球温暖化が進行しているという因果関係が認められたとしても、議定書の枠組みによる温暖化防止への効果を疑問視する見解が出されることがある。

→現在は地球寒冷化説はほとんど支持されていないが、未だにこれを持ち出して批判を展開する例が散見される。

この他にも様々な反論が為されることがあるが、反証に至っていないもの、地球温暖化の進行程度の差を指摘するものなどが多く見られ、いずれの場合も化石燃料由来温室効果ガスの地球温暖化効果自体を否定する科学的根拠が示されているわけではない。

また最適な地球地表面の平均気温を設定すること自体に疑問を抱く見方や、たとえば「海水面が今後あと数十cm上昇したとしても、大した問題ではない」といった、気候変動をそもそも問題視しない見方をする向きもある。
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