Re: 閑話郷下人
投稿者: nihao_aq_jp 投稿日時: 2006/10/12 11:42 投稿番号: [60047 / 66577]
昔、そう、それは前世紀の80年頃、ボクは初めて北京を訪れ、天安門を眺めた。当時は、もうそれだけで、「おお〜、すごいすごい」の時代だった。
天安門広場に立ち、天安門を眺めながら、ものすごく嬉しかった。
ただ、ボクの場合、嬉しい理由はちょっと違っていた。ボクにとって、広場はただの広場であって、皇居前広場も天安門広場も同じであって、別に珍しくも何ともない。
珍しかったのは、郷下人。
天安門広場の北端のところに、天安門を背景として記念撮影する写真屋さんがあった。天安門を訪れた観光客がカメラの前に立ってパチリ、パチリと写真に写る。
多くは田舎から出てきた郷下人。農民だろう、ごつごつの手、日焼けした顔、タバコのヤニで茶色に染まった歯、何の飾りもない質素な服装、洗いざらしの白いシャツに紺色のズボン。
おお〜、これぞ中国の郷下人。農民だ〜。
みんな、一様に笑いながら、嬉しそうに、そして少し誇らしげな表情で写真に写る。
中国の各地から、はるばる北京に出て来て、首都のど真ん中、誰もが知っている、憧れの天安門の前で写真に写る。思うに、彼らにとっては、一生に一度の思い出かも知れない。
写真屋さんの横に立ち、それこそ、ボクは時を忘れて彼らの嬉しそうな表情を眺めていた。眺めながら、ボクも幸福な気分に浸っていた。
当時、「我愛北京天安門」と云う歌があったが、心の中には何やらその歌が鳴り響いていたような気がする。
彼ら、中国の郷下人・・農民も同じだったろうか・・?
はるばる日本からやって来たボクたち。そして、中国各地からやって来た彼ら郷下人。
同じ日、同じ時、同じく天安門広場に立っていたけれど、彼らの、あの素朴な笑顔から察するに、きっとボクらより30倍ぐらい幸福だったと思う。
郷下人の得意技・・何処に行っても、何を見ても、誰に会っても、素朴に喜び、たちまち幸福になれる。
これは メッセージ 59971 (red_northwestwolf さん)への返信です.
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