朝日新聞/mo@china/莫 邦富より
投稿者: wmbyq010 投稿日時: 2003/12/07 19:50 投稿番号: [3156 / 66577]
*こんな記事を読むと時代の変化に胸が痛くなる。
大連市内にある大衆食堂の一室。男女数人が私を囲むように座っていた。十数年ぶりの再会に興奮しているのか、みな頬(ほお)を紅潮させている。
彼らはセイコーインスツルメンツ大連工場の中国人従業員だ。90年代初頭、研修で千葉県市川市の大野工場に来ていた時、当時留学生だった私は、アルバイトで彼らの通訳をしていた。
国有企業から日系企業に移ったばかりの彼らは当初、管理が厳しい新工場についていけなかった。「大連に戻ったら国有企業へ復帰したい」と言う研修生が何人もいた。効率や規律が無視されていた「大鍋飯(タークオファン)」時代はやがて終わるのだから、競争が厳しい新しい時代の流れについていくべきだ、と諭し、日系企業にとどまるよう勧めた。
「賭けてもいい。10年後、私の言うことを聞いてよかったとみんな思うはずだ」
再会した彼らから、うれしい結論を聞いた。「賭けはあなたの勝ち。研修生の大半がいまも工場に残っています」
私が会った元研修生の全員が分譲マンションを購入している。当時、恋人との一時的な離別に涙した20代の女の子が、いまや小学生の息子の母親だ。つつましくも安定した生活に満足している様子が手に取るようにわかった。
「住宅ローンを抱えているし、年も若くなくなったし、これからますます工場に依存しますよ」と皆が言う。今度は私と賭ける者はいない。
一方で当時研修生たちを教えていた先生、つまり大野工場の日本人社員の中には、その後リストラされ、一時タクシー運転手をして家計を支えた人もいる。
先生たちの近況を知った研修生たちはしばし沈黙した。やがて隣の女性がつぶやいた。「どの国でも労働者というものは自分の運命を把握できないのね」。その目にはうっすらと光るものがあったように見えた。別れる時、「遊びに来てくださいと先生たちに伝えて」と彼らに頼まれた。
これは メッセージ 1 (topics_editor さん)への返信です.
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