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戦争史料の見方、扱い方-3

投稿者: foryoufor 投稿日時: 2004/10/28 19:00 投稿番号: [3713 / 85019]
3   史料の読み方



  歴史学では通常、その当時に直接の関係者によって作られた文書を一次史料、伝聞や後から書かれた回想録、証言(証言は普通、後から思い出して語るものであるから)などは二次史料、というように区別する。歴史学では一次史料の収集を重視するが、一次か二次かというのは史料としての信憑性の差ではない。たとえば太平洋戦争中の大本営発表は、その発表文自体は一次史料であるが、内容がうそだらけであることは言うまでもない。ただ太平洋戦争の戦闘の実態を解明するうえでは大本営発表はほとんど役に立たないが、軍の世論誘導についての研究にとっては欠かせない史料である、というように観点の違いによって、その史料が持つ意味と重要性は変わってくる。

  史料はいずれも、他の史料と比較し、その当時の社会状況などを勘案して、史料としての価値、信憑性を判断する、史料批判という手続が必要である。

 

  史料を使うとき、次に戦争をやるときに勝つために利用するのか、二度と戦争をやらないために利用するのか、によって史料の読み方や価値はまったく違ってくる。後者の立場に立つ場合でも、社会状況の変遷や読む側の問題意識の変化によって変わってくる。たとえば日本軍慰安婦の史料は、現代史研究者の間では知られていたものが多い。慰安婦制度は、日本が侵略戦争の中でおこなった非人道的な行為としては理解されていたし、歴史書の中で慰安婦について叙述がなされていなかったわけではないが、それを研究すべき対象としては見ていなかった。

 

  1980年代以降、“女性に対する性暴力”という認識が生まれ、1990年代になって元慰安婦の人たちが名乗り出て、想像をはるかに超えてその被害が深刻であること(慰安婦にされていた間だけでなく、その後、数十年にわたって心的外傷やまわりからの差別などによって苦しめられてきたことも含めて)がわかった。そうした中で日本軍の慰安婦問題が、戦争犯罪、性暴力、民族差別などが複合した重大な人権問題なのだという認識が生まれ、史料の読みなおしが始められたのである。

  同じ史料が異なった読み取られ方をしたり、重要ではないと思われていたことが重要な史料として見なおされることがある。もちろんそこでの議論が事実に基かなければならないのは前提条件であって、都合のいい史料だけを使ったり、史料を改ざんしたりすることが許されないことは言うまでもない。日本がおこなった戦争犯罪を否定しようとする近年の議論では、そうした史料を扱う上での最低限のモラルが放棄されてしまっている。

 

  歴史とは単に過去にあったことそのものではなく、現在を生きる者による過去の再構成といえる。たとえば、レイプやセクシャル・ハラスメントなど女性に対する性暴力をあまり問題にしない人にとっては、日本軍慰安婦など大した問題ではなく、それらの史料には価値を認めないだろうが、性暴力は重大な人権問題であると認識する人にとっては、慰安婦問題は現在に通じる重要な問題と考え、その史料的価値を評価するだろう。現在を生きる私たちが、現実に対してどのように関わっているのか、どのように生きようとしているのか、史料の価値とはそうしたことと切り離しては論じられない。
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