Re: 日本捕鯨協会の見解
投稿者: aplzsia 投稿日時: 2010/02/21 02:18 投稿番号: [905 / 1416]
>クロミンククジラ679頭は若干か?
>耳垢栓や卵巣などの標本を採取するのに
>これだけの数が必要なのか?
これ逆です。
もう20年も前に、南極海全体で数十万頭から100万頭近くいると
想定されているナンキョクミンククジラから耳垢栓サンプルをとり、
年輪で年齢を調べて個体数の動態を方程式にしようというやりかたが
考えられたのですが、その当時すでに、年間600頭とか800頭の
サンプル数では少なすぎて意味ある成果が出ないと、専門の学者が
ネイチャー誌で指摘しています。
(de la Mare, W. K. 1990. Problems with ‘scientific’ whaling. Nature 345, 771.)
それで実際やり続けた結果を国際捕鯨委員会(IWC)が2006年12月に
検討したのですが、予想通りで、20年近くかけて6777頭分集めた
データでは、ほとんど何もわからなかったという成果が出ています。
http://www.iwcoffice.org/_documents/conservation/SC-59-Rep1.pdf
(REPORT OF THE INTERSESSIONAL WORKSHOP SC/59/REP 1:
Report of the Intersessional Workshop to Review Data and Results
from Special Permit Research on Minke Whales in the Antarctic,
Tokyo 4-8 December 2006)
本当に意味あるデータを採ろうと、年間数千頭捕殺すると、
南極海全体で数10万頭いるといっても、そのうちで数の少ない
グループ(これを生物学、生態学用語で系群とか系統群、ストックと
言います)に決定的なダメージを与える可能性が高いです。
特に気象変動で海水温や氷の分布に激変がある現在、少なめの
系群に人為的ダメージを与えるというのは致命的事件です。
ナンキョクミンククジラをはじめ、南半球のヒゲクジラ類の
餌はほとんど100%オキアミ類なのですが、このオキアミの
分布、数量に浮氷の多寡がおおきく影響してます。
2歳以上のオキアミだと、冬の間なにも食べなくても海中で
生き延びるのですが、最初の冬越しをする幼いオキアミは、
冬の間も氷の表面や割れ目に繁殖する藻類を食べないと
生きてゆけないのです。
そういうわけで、温暖化が進むと南極、北極周辺のヒゲクジラ類の
餌場の生態系は壊滅的になるのです。
今年はコペンハーゲン会議以後の地球温暖化問題の議論と、
名古屋で開かれる生物多様性保護のための国際会議の議論が
同時並行するので、このあたりの議論を深める良いチャンスに
なると思います。
p.s. 卵巣標本を採るのは、妊娠率推定に有効ですが、妊娠中の
メスは黄体ホルモンを体中にみなぎらせているので、ごくわずかな
体細胞や糞を採るだけで分析できます。殺す必要まったくないです。
>耳垢栓や卵巣などの標本を採取するのに
>これだけの数が必要なのか?
これ逆です。
もう20年も前に、南極海全体で数十万頭から100万頭近くいると
想定されているナンキョクミンククジラから耳垢栓サンプルをとり、
年輪で年齢を調べて個体数の動態を方程式にしようというやりかたが
考えられたのですが、その当時すでに、年間600頭とか800頭の
サンプル数では少なすぎて意味ある成果が出ないと、専門の学者が
ネイチャー誌で指摘しています。
(de la Mare, W. K. 1990. Problems with ‘scientific’ whaling. Nature 345, 771.)
それで実際やり続けた結果を国際捕鯨委員会(IWC)が2006年12月に
検討したのですが、予想通りで、20年近くかけて6777頭分集めた
データでは、ほとんど何もわからなかったという成果が出ています。
http://www.iwcoffice.org/_documents/conservation/SC-59-Rep1.pdf
(REPORT OF THE INTERSESSIONAL WORKSHOP SC/59/REP 1:
Report of the Intersessional Workshop to Review Data and Results
from Special Permit Research on Minke Whales in the Antarctic,
Tokyo 4-8 December 2006)
本当に意味あるデータを採ろうと、年間数千頭捕殺すると、
南極海全体で数10万頭いるといっても、そのうちで数の少ない
グループ(これを生物学、生態学用語で系群とか系統群、ストックと
言います)に決定的なダメージを与える可能性が高いです。
特に気象変動で海水温や氷の分布に激変がある現在、少なめの
系群に人為的ダメージを与えるというのは致命的事件です。
ナンキョクミンククジラをはじめ、南半球のヒゲクジラ類の
餌はほとんど100%オキアミ類なのですが、このオキアミの
分布、数量に浮氷の多寡がおおきく影響してます。
2歳以上のオキアミだと、冬の間なにも食べなくても海中で
生き延びるのですが、最初の冬越しをする幼いオキアミは、
冬の間も氷の表面や割れ目に繁殖する藻類を食べないと
生きてゆけないのです。
そういうわけで、温暖化が進むと南極、北極周辺のヒゲクジラ類の
餌場の生態系は壊滅的になるのです。
今年はコペンハーゲン会議以後の地球温暖化問題の議論と、
名古屋で開かれる生物多様性保護のための国際会議の議論が
同時並行するので、このあたりの議論を深める良いチャンスに
なると思います。
p.s. 卵巣標本を採るのは、妊娠率推定に有効ですが、妊娠中の
メスは黄体ホルモンを体中にみなぎらせているので、ごくわずかな
体細胞や糞を採るだけで分析できます。殺す必要まったくないです。
これは メッセージ 839 (paitanaji さん)への返信です.
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