11/9付 オピニオン欄「私の視点」
投稿者: mr_bluesky78jp 投稿日時: 2002/11/09 11:17 投稿番号: [5884 / 28311]
メディア−歴史ふまえた日朝報道を
朝鮮民主主義人民共和国による日本人の拉致は、反文明的な人権侵害であり、 絶対に許すことのできない
犯罪である。自らテロ国家であることを立証してもいる。私は韓国人として同じ民族が犯した拉致に「恥ずかし
い」と告白せざるを得ない。しかし、この問題の日本のメディアの報道や評論ぶりも、正常でないと感じている。
隣国による自国民の拉致、そして24年ぶりの帰国というドラマチックな要素が 「格好のネタ」であることは認め
る。だが、人権と国家主権が絡んだ問題は理性的に扱うべきだ。それなのに、感情的な愛国主義とセンセー
ショナリズムを駆り立てている。
5人の帰国者を日本人の思考に合わせて報道しようとするのは危うい。24年の歳月がもたらした習慣と思考・
価値観の違いや苦悩を、ただ「洗脳の結果だ」と結論づけてしまう。
横田めぐみさんの娘、キム・ヘギョンさんについても、日本国籍と決めつけているが、韓国(朝鮮半島)と日本
の血統観念の違いを説明するべきだ。韓国では父系血統継承が原則であり、母方の家の姓を継ぐことはあ
り得ない。めぐみさんは日本人だが、北朝鮮側が説明するように父親が朝鮮人だとすれば、ヘギョンさんは
朝鮮人の娘あるいは二重国籍なのだ。
日朝で合意した期限内に5人を戻さないという日本政府の「約束違反」にもメディアは言及しない。実際に北朝
鮮に戻すべきかどうかの判断は難しいが、問題点は指摘すべきだ。
いま、「救う会」のメンバーは確かに人権のために闘っており、その活動はよいことだ。しかしその中には、従
軍慰安婦や強制連行、細菌戦部隊な゛と、かつての日本の人権侵害行為を無視するような見解を示してきた
人もいる。
歴史をもっとさかのぼれば、薩摩焼の陶工たちも秀吉の朝鮮侵略の際に朝鮮から「拉致」されてきたと、作家
の司馬遼太郎は書いている。拉致された日本人も、 強制連行された韓国・朝鮮人も、人権の尊さ、命の重さ
に変わりはない。
多数の日本国民は「けしからん、ひどい隣国」であっても、歴史と未来のために、関係正常化を進めるべきだ
と考えている。ところが、メディアは対立心をあおっている。巨視的、歴史的にこの問題をとらえ、隣国関係の
経緯を事実として報じるべきだ。
拉致問題の解決には、各国の理解と呼応が必要だ。日本の言論は、真相を究明していくためにも心を大きく
開くべきだ。人権は、日本の内であれ外であれ、世界のどこでも尊重されるべき、時代を超えた価値だ。
報道に携わる者として、日本のメディアがこのような普遍性から目を背けないよう願っている。
(金忠植・東亜日報東京支社長)
これは メッセージ 1 (gesogeso1032 さん)への返信です.
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