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有事法制世論調査 その2

投稿者: rykutukgi 投稿日時: 2002/05/23 01:41 投稿番号: [4125 / 28311]
・朝日(5月21日朝刊14版、4面)
今回の国会で、武力攻撃事態法案など有事3法案が審議されています。こうした有事3法案の内容をどの程度知っていますか(択一)
  よく知っている   2
  ある程度は知っている   34
  あまり知らない   51
  全く知らない   13
  その他・答えない   0

小泉内閣は有事3法案を今の国会で成立させたい考えです。あなたは、小泉内閣が、国会で法案の内容をどの程度説明していると思いますか。
  十分説明   1
  ある程度説明   23
  あまり説明していない   62
  全く説明していない   9
  その他・答えない   5

今回の回答率はいつもより数%低く、54%です。今回の朝日の世論調査のすばらしい点は、「賛成」、「反対」の世論調査を避けたことでしょう。「有事法制成立に賛成ですか、反対ですか」などと聞いてしまっては賛成派が50%近くになってしまい、反対論調を推し進める朝日の面目丸つぶれです。負ける勝負はしない。勝つための鉄則を朝日は心得ています。

最初の質問は内容に関する知識を問うています。「どの程度知ってますか」。なるほど、6割以上の人がよく知らないと言うずさんな状況をよく表しています。これなら有事法制反対派を勢いづかせることができるでしょう。しかし、よく考えてみて下さい。今回審議されているのは法律です。みなさんは、過去審議され可決された法律について、中身をよく知っている、あるいはある程度知っていると答えることができたものがどれほどあるでしょうか?法律とは読むことすらも難しいものであり、知っていると答えることのできる人は弁護士か起草者ぐらいのものです。それを一般の人々に問うているのですから、「よく知らない」と言う回答が返ってくるのは当然のことです。そのことを見据えた上で朝日はこの質問を準備しているのです。

次の質問で小泉内閣の法案説明に的を絞っています。これもユニークな質問です。国会では毎日質疑応答が繰り返されています。また、法案は質疑応答はもとより内容も公開されており、プロセス自身は非常にオープンに進められています。しかし、そんなものを細かく追っているのは新聞記者ぐらいであり、一般の国民はそんなことに注意を払ってはいません。そのため、この質問の回答は、実際の質疑や国会のプロセスに影響されず、むしろ小泉内閣への信任・不信任によって大きく影響されるようになっています。

そこでこの質問に大きく影響してくるのが直前になされている質問です。有事法制の質問の前には5つの質問があります。議員辞職をめぐる問題についてであり、文章も読者にバイアスを与えるよう工夫されています。

・政治とカネの問題で議員の辞職が相次ぎ、政治不信が高まっています。あなたは、こうした議員の辞職に、テレビのワイドショーがどの程度影響していると思いますか。
・政治不信が高まっているのは、国会にどんな点がもっとも原因あると思いますか。
・政治不信をなくすために、小泉首相はどの程度指導力を発揮していると思いますか。
  大いに発揮   1
  ある程度発揮   22
  あまり発揮していない   59
  全く発揮していない   16
  その他・答えない   2

そもそも「政治不信」と言う語自体が、回答者の政治への不信感を煽る働きがあります。最初の質問で「政治不信が高まっています」と断言しています。この段階で、そう思っていなかった回答者も、「政治不信が高まっているんだ」と教化されることになります。バイアスを与えない質問のためには、「政治とカネの問題で議員の辞職が相次いでいます」で止めるべきです。これでも文意は全く狂いません。解決されない問題の存在を前提にして、小泉首相の手腕を問います。解決されてない問題を前提にするため、ネガティブな回答が70%以上になります。ここのトリックは、この質問の回答者がそのまま、有事法案の国会説明の回答に流されてしまっていることです。先に述べたとおり、有事法制の2番目の質問事項は、回答者が内閣へのイメージで回答してしまう設問になっています。そのため、これら政治不信の質問で不信を確認あるいは教化された回答者が、そのままの評価を有事法制説明の評価にしてしまうことになります。実際、今回の質問で、小泉内閣の政治不信払拭への努力と有事法制の質問の回答の分布が似た形になっていることが認識できるでしょう。

現在は有事法制について、世論の50%が賛成しています。しかし、朝日の世論調査によって、有事法制反対派の方々も自分たちが多数派であるという強い錯覚の力を得たことでしょう。朝日のこのような地道な努力によって、国民は有事法制に不安を抱き、最終的には反対派が賛成派を上回る時がくると思います。世論とは調べる物で
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