アミーテージ米国務副長官インタビュー
投稿者: rykutukgi 投稿日時: 2001/10/06 20:48 投稿番号: [2028 / 28311]
10月6日、アミーテージ米国務副長官インタビューです。同じインタビューからこれほど異なった記事ができあがるのか不思議です。会見要旨の差異をまとめてみました。同じインタビューから記者がなにを理解してきたのか、どのような翻訳をしているのか、どのような情報の取捨選択をしているのかがわかるでしょう。
(1)日本による法案について
・読売「閣議決定したことは、日本が米国の同盟国であることの証明だ。テロの脅威はグローバルであり、我々は日本の支援を必要としている。」
・朝日(該当の記述なし)
(2)自衛隊の行動
・読売「アフガン難民支援のためのパキスタンへの空自機派遣は称賛に値する。他国の追随も期待する。軍事面で日本は正しい方向へ動いている。」
・朝日「日本の自衛隊に役割がないというのはとても奇妙な論議だ。」「自衛隊には(日本の)領土防衛やテロ対策での後方支援の役割がある。」
(3)日本の役割
・読売「日本には情報交換、テロ組織への送金禁止措置、政治的支持を望む。」
・朝日(該当の記述なし)
(4)テロへの対応
・読売「テロ根絶を目指すキャンペーンは、金融、司法、諜報、政治、外交、軍事が複雑に絡んだものだ。軍事行動が最も重要な道具ではない。」
・朝日(該当の記述なし)
(5)ショーザフラッグ発言
・読売「ショーザフラッグ」「日本がテロ根絶キャンペーンにしっかり関与してもらいたいと言う意味だ。内容について日本にいちいち注文はしない。」
・朝日「旗を見せろ発言」、「日本政府が、この戦いに最大限に関与していることを示せ、と言う意味だ。」「これとかあれとかという話ではない。この戦いに置いて、日本政府と日本国民が米国とともにあるのかどうかと言うことだ。50%とか60%と言う尺度はない。いったん関与したら、自分の好きなことだけを選んでつまむことはできない。全面的に参加しなければならない。」
(6)このほか両社にタリバン後の記述あり
読売はインタビューからポイントを拾うことができず、情報をバラバラと並べるので精一杯という感じです。そのため、網羅している情報は広いですが、強弱がありません。そこへ行くと朝日はまとまっています。主なポイントを「旗を見せろ」発言に絞り、読者に混乱を起こさせかねない副長官の日本政府への感謝等の情報を見事に無視しています。
朝日では、ショーザフラッグを訳して「旗を見せろ」とし、この文字は一面の大見出しにも踊ります。英語と日本語のニュアンスの違いがあり、「旗を見せろ」と丁寧語でない命令口調を使うと、いかにもアメリカが日本に命令しているようなイメージが出て、読者の副長官に対する不快感が高まるでしょう。ちなみに英語では丁寧語や謙譲語と言った日本的な表現は無く、フォーマルな場で使う「ショーザフラッグ」と言う言葉は、「見せてください」としても「見せてほしい」と訳しても間違いではありません(そう訳すべきかもしれません)。しかし、米国の軍事行動への嫌悪感を高めるためなら、ここはあえて「見せろ」が好ましい訳です。ちなみに読売はこのあたりのニュアンスを正しく伝えることができないことを恐れ、「ショーザフラッグ」とカタカナで表現しています。一面には「旗幟を鮮明」と訳の分からないコメントを付加していますがそれ以外はすべて「ショーザフラッグ」です。英語が苦手でコンプレックスを持っている日本人の気持ちになったらこんな暴挙はできないはずです。正しく伝えることよりも、わかりやすく伝えることのほうが重要だということを理解していないのでしょうか。読売には本当に読者の視点に立った文章とはなにかをもう一度考えてもらいたいと思います。
あと、気になるのは副長官は今回の対応を軍事行動に限らない「キャンペーン」と表現していることです。キャンペーンの意味を読売は書れています。朝日の「この戦いに最大限に関与していることを示せ」の「戦い」の元の英文が気になります。朝日の要旨からは日本が現地で戦争をするよう期待されている印象を受けます。しかし、もし原文が「キャンペーン」で、そのキャンペーンの定義が、読売が掲載しているように、多角的なものであるなら、「(日本に求めているのは)戦いへの最大限の関与」と言う言葉から受けるニュアンスとはずいぶん違ったものになるでしょう。もし、朝日がここら辺を意識して「キャンペーン」を「戦い」と訳したなら、これはこれで自衛隊の参加反対を盛り上げるために正しいアクションだと感じます。「日本は戦争をしてはいけない〜!!」と叫びたい人から見ると、読売よりも朝日の記述の方が楽しめること、間違いありません。
紙面から受けた印象は上の通りですが、アミーテージ副長官のインタビューの原文(英文で)があると面白いと思います。
(1)日本による法案について
・読売「閣議決定したことは、日本が米国の同盟国であることの証明だ。テロの脅威はグローバルであり、我々は日本の支援を必要としている。」
・朝日(該当の記述なし)
(2)自衛隊の行動
・読売「アフガン難民支援のためのパキスタンへの空自機派遣は称賛に値する。他国の追随も期待する。軍事面で日本は正しい方向へ動いている。」
・朝日「日本の自衛隊に役割がないというのはとても奇妙な論議だ。」「自衛隊には(日本の)領土防衛やテロ対策での後方支援の役割がある。」
(3)日本の役割
・読売「日本には情報交換、テロ組織への送金禁止措置、政治的支持を望む。」
・朝日(該当の記述なし)
(4)テロへの対応
・読売「テロ根絶を目指すキャンペーンは、金融、司法、諜報、政治、外交、軍事が複雑に絡んだものだ。軍事行動が最も重要な道具ではない。」
・朝日(該当の記述なし)
(5)ショーザフラッグ発言
・読売「ショーザフラッグ」「日本がテロ根絶キャンペーンにしっかり関与してもらいたいと言う意味だ。内容について日本にいちいち注文はしない。」
・朝日「旗を見せろ発言」、「日本政府が、この戦いに最大限に関与していることを示せ、と言う意味だ。」「これとかあれとかという話ではない。この戦いに置いて、日本政府と日本国民が米国とともにあるのかどうかと言うことだ。50%とか60%と言う尺度はない。いったん関与したら、自分の好きなことだけを選んでつまむことはできない。全面的に参加しなければならない。」
(6)このほか両社にタリバン後の記述あり
読売はインタビューからポイントを拾うことができず、情報をバラバラと並べるので精一杯という感じです。そのため、網羅している情報は広いですが、強弱がありません。そこへ行くと朝日はまとまっています。主なポイントを「旗を見せろ」発言に絞り、読者に混乱を起こさせかねない副長官の日本政府への感謝等の情報を見事に無視しています。
朝日では、ショーザフラッグを訳して「旗を見せろ」とし、この文字は一面の大見出しにも踊ります。英語と日本語のニュアンスの違いがあり、「旗を見せろ」と丁寧語でない命令口調を使うと、いかにもアメリカが日本に命令しているようなイメージが出て、読者の副長官に対する不快感が高まるでしょう。ちなみに英語では丁寧語や謙譲語と言った日本的な表現は無く、フォーマルな場で使う「ショーザフラッグ」と言う言葉は、「見せてください」としても「見せてほしい」と訳しても間違いではありません(そう訳すべきかもしれません)。しかし、米国の軍事行動への嫌悪感を高めるためなら、ここはあえて「見せろ」が好ましい訳です。ちなみに読売はこのあたりのニュアンスを正しく伝えることができないことを恐れ、「ショーザフラッグ」とカタカナで表現しています。一面には「旗幟を鮮明」と訳の分からないコメントを付加していますがそれ以外はすべて「ショーザフラッグ」です。英語が苦手でコンプレックスを持っている日本人の気持ちになったらこんな暴挙はできないはずです。正しく伝えることよりも、わかりやすく伝えることのほうが重要だということを理解していないのでしょうか。読売には本当に読者の視点に立った文章とはなにかをもう一度考えてもらいたいと思います。
あと、気になるのは副長官は今回の対応を軍事行動に限らない「キャンペーン」と表現していることです。キャンペーンの意味を読売は書れています。朝日の「この戦いに最大限に関与していることを示せ」の「戦い」の元の英文が気になります。朝日の要旨からは日本が現地で戦争をするよう期待されている印象を受けます。しかし、もし原文が「キャンペーン」で、そのキャンペーンの定義が、読売が掲載しているように、多角的なものであるなら、「(日本に求めているのは)戦いへの最大限の関与」と言う言葉から受けるニュアンスとはずいぶん違ったものになるでしょう。もし、朝日がここら辺を意識して「キャンペーン」を「戦い」と訳したなら、これはこれで自衛隊の参加反対を盛り上げるために正しいアクションだと感じます。「日本は戦争をしてはいけない〜!!」と叫びたい人から見ると、読売よりも朝日の記述の方が楽しめること、間違いありません。
紙面から受けた印象は上の通りですが、アミーテージ副長官のインタビューの原文(英文で)があると面白いと思います。
これは メッセージ 1 (gesogeso1032 さん)への返信です.