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テレサテンと国民党、そして中国♪

投稿者: cafebangchhunhong 投稿日時: 2007/06/03 21:56 投稿番号: [8608 / 10346]
日本の歌姫が美空ひばりなら、台湾の、いや世界の華人社会の歌姫ならやはりテレサテン(訒麗君)でしょう♪
音楽にうるさい私もテレサテンの曲がきっかけで中国語の勉強を始めたほどです。
そんなテレサテンの生涯をテーマにした日本制作テレビドラマ「テレサテン物語〜私の家は山の向こう」が日本と台湾で同時放映されました。
テレサテンの役を木村佳乃さんが演じていました。ドラマの出来は別として、私の知らなかった、台湾政治や中国政治とテレサテンの関係が描かれています。

テレサテンは国民党の軍人であった父と同じく外省人の母との間に生まれました。
貧しい雲林県の外省人村で生まれ、歌を続けるため中学校に通うこともできませんでした。彼女が歌手として成功、家族は豊かな生活を送り、弟はアメリカの大学に留学しています。

テレサの日本デビューを支援したのがポリドールレコードの舟木稔氏。国民党の軍人であった父はテレサの日本デビューに反対しますが、舟木氏の熱心な口説きで同意したようです。
日本で人気絶頂のとき、偽造パスポート疑惑(国交のある国が少ない台湾のパスポートは出国が不便で、海外で歌うテレサは友人の手配でインドネシアのパスポートも持っていた)がもちあがります。テレサは留置所に拘束されるなどトラブルもあり、そのとき、国民党文化工作委員から日本でトラブルを起こした以上、台湾へ強制送還すると脅迫されています。
ちょうど1979年のことで、台湾は戒厳令下にあり、国民党の独裁政治の真っ最中。テレサは自由のない国民党支配下の台湾に帰国することを拒否し、弟の手引きでアメリカに逃げます。
その後、テレサは国民党の愛国基金に多額の寄付をし、国民党軍の慰問にも活躍して国民党政府から高い評価を受け、台湾帰国を果たします。
当時、台湾で芸能活動をするだけでも政治的問題で被害にあう芸能人が多かったのでしょう。

そして台湾で戒厳令が解除される。中国ではテレサテンの中国語歌曲が大人気。
そして1989年、天安門事件。テレサは中国の民主化運動に協力しますが、支援も空しく、天安門事件で学生が戦車の下敷きになるのを見て、祖国中国の未来に絶望。フランスへ移住し、タイのチェンマイで喘息の発作を起こして急死。享年42歳。

外省人家族の視点からテレサテンを見ると、テレサがあくまで中国が祖国だと考える父親から精神的に独立し、晩年には中国と縁を切り、台湾は台湾として独立するべきだと考えるようになったと言えるかもしれません。

彼女の歌を私たち日本人は何気なく聴いてきましたが、彼女は一人の華人歌手として政治にたえず翻弄され続けてきたことに驚かされます。

それはそれとして、テレサテンの美声はまさに神が与えたもの。台湾が世界に誇る財産だと思います。
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