紫陽花亭日乗

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把酒問月     李白 

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/10/27 23:19 投稿番号: [696 / 735]
把酒問月           李白
酒をとって月に問う  
     
逭天有月來幾時       逭天に月有りて來(このかた)幾時ぞ
我今停盃一問之       我   今   盃を停めて一たびこれを問う
人攀明月不可得       人の明月をよずるは得べからず
月行却與人相隨       月光   かえって人と相したがう
皎如飛鏡臨丹闕       きょうとして飛鏡のたんけつに臨むが如く
䖝煙滅盡芿輝發       緑煙   滅し盡くして清輝發す
但見宵從海上來       但だ見る   宵に海上より來たるを
寧知曉向雲間沒       なんぞ知らん   曉に雲間に向かって没するを
白兔擣藥秋復春       白兔   藥をついて秋   また春
嫦娥孤棲與誰隣       嫦娥   孤棲して誰ととなる
今人不見古時月       今人は見ず   古時の月
今月曾經照古人       今月はかつて古人を照らせり
古人今人若流水       古人今人   流水のごとく
共看明月皆如此       共に明月を看ること皆かくの如し
唯願當歌對酒時       ただ願わくは歌にあたり酒に對するの時
月光常照金樽裏       月光の常に金樽のうちを照らさんことを


大空に月が浮かんでから   どのくらいになるのだろう
わたしは今   盃を持つ手をとめて   きいてみよう
人は月までよじのぼってはゆけないが
月のほうは   人が歩くのについてくる
月はしらじらと光り空を飛ぶ鏡が赤い宮門に臨むように   夕焼け空にのぼり
夕もやがすっかりなくなると   清らかな光を放つ
ただ夕方   海の上から来るのを見るだけで
明け方に雲の中に向って没してゆくのをどうして知ろうか
月に住む兎は仙薬を擣いて   秋も春も休まず
嫦娥は月でずっと一人住居(ずまい)して   誰が隣にいるのか
今の人は昔の月を見ないが
今のこの月は以前   昔の人を照らしていたのだ
昔の人も今の人も   流れる水のように
いずれもそのように月を見ては   時とともに去っていくのだ
せめて歌を聞き   酒を前にするときは
月光がいつも酒樽の中を照らしていることを願うばかりだ


★「嫦娥」は、原文は「<女亘>娥」です。
UP されないので変えてあります。

「嫦娥」と書いても「コウガ」と読むのが正しい。
次頁にもう少し詳しく書きます。

★金樽
とあると、さぞ立派な美しい酒樽であろうと想像しますが、
詩の世界では汚いカメでも金樽と詠みます。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★蘇軾「水調歌頭」は、李白の上記の詩を意識していますね。

★李白「把酒問月」は、再掲です。

把酒問月       李白 2011/ 9/12 22:03 [ No.495


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