紫陽花亭日乗

Yahoo! Japan 掲示板トピックビューアー

[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

四時田園雑興   范成大   晩春

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/09/19 00:40 投稿番号: [532 / 735]
四時田園雑興        范成大(宋・1126〜1193)


胡蝶双双入菜花       胡蝶双双   菜花(サイカ)に入る
日長無客到田家       日長くして   客の田家に到る無し
鶏飛過籬犬吠竇       鶏は飛んで籬(まがき)を過ぎ犬は竇(あな)に吠ゆ
知有行商来買茶       知んぬ   行商の来たりて茶を買う有るを

蝶が二匹、ひらひらと菜の花の畑へ入って行った
春の日はゆったりと長く、農家を訪れる人もない
と、ふいに鶏が騒ぎたてて垣を飛び越え、犬がくぐり穴から吠え始めた
それは、行商人が茶を買いに来たのだった


★石川忠久『春の詩100選』NHKライブラリー

~~~~~~~~~~~~~~~~~~

つがいの蝶が一組ずつ    菜の花に入っていく
長い昼を    この田舎家には訪れる客もない
鶏が籬(まがき)を飛び越え    犬が塀の穴から吠えだした
わかった    茶を買う商人がたずねてきたのだ


★前野直彬編訳『宋・元・明・清詩集』平凡社, 中国古典文学体系19

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

蝶々がひとつがいずつ菜の花の中に飛んで入り
晩春の日長に、農家を訪れる客もない
突然、ニワトリがパッとまがきを飛び越えて逃げ、犬が穴の中から吠え立てる
すわ何事かと思ったら、仲買人が茶を買い集めに来たのであった


★松枝茂夫『中国名詩選』下, 岩波文庫

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★宋代では、お茶は専売品でした。
政府から鑑札を受けた業者のみが商売を許されていました。


★今宵の課題は、「犬吠竇」。

石川忠久先生
犬がくぐり穴から吠え始めた

前野直彬先生
犬が塀の穴から吠えだした

松枝茂夫先生
犬が穴の中から吠え立てる


★どれもさほど違いはありません。
この犬のくぐり穴を「狗竇・クトウ」といいます。
具体的には、どんな穴なのでしょうか。

松枝先生のみ〔註〕をつけていらっしゃいます。
塀の下の地面を掘った穴、なのだそうです。
しかしまた、だからといって他の形状の犬の穴がないともいえません。
他国の、しかも古代の、日常の生活風俗というものはたいへんむつかしい。

.
[ << 最初のページ | < 前のページ | メッセージリスト | 掲示板表示 | [ メッセージ # ] | 次のページ > | 最後のページ >> ]

Yahoo! Japan 掲示板 アーカイヴ

[検索ページ] (中東) (東亜) (捕鯨 / 捕鯨詳細)