紫陽花亭日乗

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五月初二日苦熱     楊萬里

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/07/08 21:00 投稿番号: [46 / 735]
五月初二日苦熱       楊萬里(南宋・1127〜1206)
五月初二日   熱に苦しむ

人言長江無六月       人は言う   長江   六月無しと
我言六月無長江       我は言う   六月   長江無しと
只今五月已如許       只今五月   已に許(かく)の如し
六月更來何可當       六月更に來たれば   何ぞ當たるべけん
船倉周囲各五尺       船倉の周囲   各おの五尺
且道此中底寛窄       且つ道(い)う   此の中(うち)底(なん)ぞ寛窄(カンサク)なる
上下東西與南北       上下   東西と南北と
一面是水五面日       一面は来れ水   五面は日
日光煮水復成湯       日光   水を煮て復た湯と成る
此外何處能清涼       此の外   何れの處か   能く清涼ならん
掀篷更無風半点       篷を掀(あ)げて更に風の半点なく
揮扇只有汗如漿       扇を揮って   只だ汗の漿の如き有り
吾曹避暑自無處       吾が曹   暑を避くるにおのずから處(ところ)無きに
飛蠅投吾求避暑       飛蠅(ヒヨウ)   吾に投じて暑を避くるを求む
吾不解飛且此生       吾   飛ぶを解せず   且(しばら)く此に生くるに
飛蠅解飛不飛去       飛蠅   飛ぶを解するも飛び去らず

人は「長江に六月がない」という
自分は「六月に長江もない」という
現在、五月であるのに、すでにこのように暑い
六月がきたならば、どうなることか
船倉の周囲の長さは一辺が五尺
しかも船室の中は何と狭いのだろう
上から下から、東西、南北と
一面は水   五面は日
日光は水を煮て湯となっている
ここの外にどこで涼しくなることができるのだろうか
篷(とま)をあげても風が少しも吹きこまず
扇であおいでも、ただ汗が水のように流れるだけだ
自分たちは避暑に行く所がないのに
飛ぶ蠅は、自分に飛んできて避暑をする
自分は、飛べないのでここに生きているのに
蠅は、飛べるのに飛び去らないのだ


★石川忠久『夏の日100選』NHK 出版,


★いうまでもないことですが、昔と現在とでは暦が異なります。昔は、
春・・・一月・二月・三月
夏・・・四月・五月・六月
秋・・・七月・八月・九月
冬・・・十月・十一月・十二月
でした。
昔の六月は現在の七月なかばころになるでしょうか。

これに、それぞれ、「初・孟」「中・仲・盛」「季・晩」の字がつきます。
すなわち、「初春」「孟冬」「盛夏」「中秋・仲秋」「晩春」など。
「中秋の明月」といったら、八月のことです。

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