紫陽花亭日乗

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Re: 両雄倶には立たず――白川静と藤堂明保

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/09/02 01:04 投稿番号: [415 / 735]
右の「語源的な解釈法をとる研究者」が藤堂氏などを指している。
すぐつづけて、

  <このような時代思潮による解釈や音義的理解は、文字の形を無視する傾向が
  あるという点において、致命的な欠陥をもっている。>

対して自分は、文字の形を重視するというのである。ついで、

  <卜辞や金文など、文字成立当時の資料が豊富に用意されている今では、
王が鉞頭の形であり、東が&#27216;(ふくろ)の象形文字であり、
東方の意はその音を仮借した用法であることが、容易に知られる。
王の字形は、卜文・金文に数百に及ぶ資料がある。
しかし『漢字』に書評を寄せた藤堂氏によると、その字は「大と于とを
組み合わせた字」(漢字語源辞典、415頁)にみえるということである。
そして王とは、于にも大きいという意味があるので、そこからの派生義
であるという。卜文・金文には別に大も于もその字があるが、それを
どう組み合わせたら王という字になるのであろう。
もし卜文や金文を実際に見てその結論に達したものとすれば、
氏はどういうみ方をしているのかと思う。
氏の著書をみていると、氏が果たして卜文や金文について知識があるのか、
疑うべきところが甚だ多い。>

  これは、王の字と東の字について、『説文解字』の音義的解釈を訂正し、
あわせて藤堂氏に批判を加えたものである。
『漢字』にかかげられている甲骨文の写真を見ると、王の字はたしかに
鉞に見える。白川氏得意のところである(なお東の字が&#27216;〔たく〕〔ふくろの意〕
の音をかりたものであることは藤堂氏の本にもあり、こちらは問題ない)。

  また周の字について、藤堂氏はこれを田界のまわり、もしくはタネまきと
考えたのに対し、「雕楯の形であることは明らかである」としてこうのべる。

  <すべてこれらの字形は『漢字』にその原形を収めておいたから、
読者はその字形によって確かめて頂きたいと思う。
  このような字形に対する無頓着さは、資料の精査と検討が行われていない
証左である。こういう研究のしかたでは、十分な理解に達しがたいことは
いうまでもないが、氏のいう漢字の漫画的理解からいえば、字形などは
どうでもよいのでろう。
市井の物好きのいうことならば知らず、とにかくあきれた話である。>

なかなか負けてはいない。


================================================ =

★表示されない字は、「たく」と「ふくろ」で変換してみて
共通の「藁」に似た字です。

★現代漢語でも「東西」を「ドンシ」と発音すると「もの」の意味になります。
「ドンシー」と発音した場合には「トウザイ」の意味になります。

★>それをどう組み合わせたら王という字になるのであろう。<


“お言葉ですが・・・”(笑)

高島先生は書いておられませんが、
組み合わせるのではなく、重ねたらどうでしょうか。

「王」の字と「于」の字を重ねてみてください。

これは、わたしも『説文解字』中華所局影印本で確認しました。
重ねてありました。

『説文解字』では、昔は「王」の字は三畫で、その三つは天地人である、
と説明していますが、なぜ三畫なのかよくわかりません。
たぶん、横棒が上下二本だけだったのでしょう。

となりに「三」の項目があり、説明に「天地人之道也」とあります。

中国で買ってきた甲骨文の本では、
「王の字は、大の字の上下に横棒を引いて天地をあらわしたもの、」
「大の字は、人体の正面の形象」
と説明してあります。

『新字源』では、もと大きなおのの形で権力の象徴、といっています。
白川説ですね。

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