馬鹿のお話あれやこれ
投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/16 23:20 投稿番号: [328 / 735]
◆1月8日付
編集手帳
司馬遷の『史記』に、皇帝をもしのぐ権勢を誇った秦の高官、趙高の逸話がある。
幼少の皇帝に、「馬です」と言って鹿を献上した。
皇帝は笑って左右を見渡したが、居並ぶ重臣たちは趙高を恐れ、口々に「馬です」
と述べ合ったという
◆恐れ、おもねる者たちが権力者を取り巻く組織では、黒いものも「白い」で通ると
いうことだろう。誤りを強引に押し通す
〈鹿を指して馬と為(な)す〉の慣用句はこの故事から生まれている
◆資金管理団体の土地購入を巡り、参考人として事情聴取に応じるよう、
東京地検が小沢一郎・民主党幹事長に要請した
◆代金4億円の素性が謎であること、土地購入と同じ時期に、中堅ゼネコン幹部
が小沢氏側に現金5000万円を渡した、と供述していること――などを
考え合わせれば、「馬だ」(政治資金はすべて公開してきたぞ)として詳細を
語ろうとしない小沢氏の姿勢は誠実と言いがたい
◆党内から、「鹿に見えますがねェ…」(ほんとうに隠し事はないのかな?)
という疑問の声ひとつ上がらないのはなぜだろう。
趙高の王宮ではあるまいし、不思議を通り越して不気味である。
(2010年1月8日01時24分 読売新聞)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
11月20日付 編集手帳
〈秋風やひとさし指は誰の墓〉は寺山修司の句である。
天に向けてひとさし指を立てて「この指とまれ」、
遊び仲間を募った子供の頃を思い出す人もあろう
◆秋風ならぬ木枯らしのなかで、中国政府が「この指とまれ」と指を立てた。
12月10日に開かれるノーベル平和賞の授賞式典に出席しないよう、
各国のノルウェー駐在大使にもとめている
◆民主活動家、劉暁波氏の受賞が面白くないのなら、
自分だけが欠席すればいいものを、徒党を組むとは奇妙な国である。
ロシアやキューバなど5か国が“指”にとまって欠席するといい、
日米など36か国が出席、16か国が態度を保留している
◆司馬遷の『史記』に、皇帝をしのぐ秦の権力者・趙高(ちょうこう)が
皇帝に「馬です」と言って鹿を献上した話がある。
他の重臣たちは彼の権勢を恐れて「そう、馬です」と、おもねった。
中国政府も故事にならい、経済大国の権勢にどのくらいの国々がひれ伏し、
横車に付き合うか、指1本で確かめようとしているらしい
◆服役中の劉氏本人だけでなく、家族も中国当局に監視されて
式典に出られないとか。ひとさし指は「人権」の墓だろう。
(2010年11月20日01時15分 読売新聞)
つづく
司馬遷の『史記』に、皇帝をもしのぐ権勢を誇った秦の高官、趙高の逸話がある。
幼少の皇帝に、「馬です」と言って鹿を献上した。
皇帝は笑って左右を見渡したが、居並ぶ重臣たちは趙高を恐れ、口々に「馬です」
と述べ合ったという
◆恐れ、おもねる者たちが権力者を取り巻く組織では、黒いものも「白い」で通ると
いうことだろう。誤りを強引に押し通す
〈鹿を指して馬と為(な)す〉の慣用句はこの故事から生まれている
◆資金管理団体の土地購入を巡り、参考人として事情聴取に応じるよう、
東京地検が小沢一郎・民主党幹事長に要請した
◆代金4億円の素性が謎であること、土地購入と同じ時期に、中堅ゼネコン幹部
が小沢氏側に現金5000万円を渡した、と供述していること――などを
考え合わせれば、「馬だ」(政治資金はすべて公開してきたぞ)として詳細を
語ろうとしない小沢氏の姿勢は誠実と言いがたい
◆党内から、「鹿に見えますがねェ…」(ほんとうに隠し事はないのかな?)
という疑問の声ひとつ上がらないのはなぜだろう。
趙高の王宮ではあるまいし、不思議を通り越して不気味である。
(2010年1月8日01時24分 読売新聞)
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11月20日付 編集手帳
〈秋風やひとさし指は誰の墓〉は寺山修司の句である。
天に向けてひとさし指を立てて「この指とまれ」、
遊び仲間を募った子供の頃を思い出す人もあろう
◆秋風ならぬ木枯らしのなかで、中国政府が「この指とまれ」と指を立てた。
12月10日に開かれるノーベル平和賞の授賞式典に出席しないよう、
各国のノルウェー駐在大使にもとめている
◆民主活動家、劉暁波氏の受賞が面白くないのなら、
自分だけが欠席すればいいものを、徒党を組むとは奇妙な国である。
ロシアやキューバなど5か国が“指”にとまって欠席するといい、
日米など36か国が出席、16か国が態度を保留している
◆司馬遷の『史記』に、皇帝をしのぐ秦の権力者・趙高(ちょうこう)が
皇帝に「馬です」と言って鹿を献上した話がある。
他の重臣たちは彼の権勢を恐れて「そう、馬です」と、おもねった。
中国政府も故事にならい、経済大国の権勢にどのくらいの国々がひれ伏し、
横車に付き合うか、指1本で確かめようとしているらしい
◆服役中の劉氏本人だけでなく、家族も中国当局に監視されて
式典に出られないとか。ひとさし指は「人権」の墓だろう。
(2010年11月20日01時15分 読売新聞)
つづく
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