紫陽花亭日乗

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Re: 刺客列傳 第五話 「荊軻」 転の段 

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/11 00:58 投稿番号: [295 / 735]
秦王が荊軻に言った。「舞陽が持っている地図をこれへもて」

荊軻はそこで地図を手に取って献じた。秦王が地図をひらいた。
地図が最後までひらかれると匕首が出てきた。

荊軻はすかさず左手に秦王の袖を掴み、
そして右手に匕首を持って秦王を刺した。
だが身体に届かない。秦王は驚き、身を引いて起ち上がった。
袖がちぎれた。
剣を抜こうとした。剣が長くて抜けない。剣の鞘(さや)を弄した。
この時秦王はうろたえ慌てていた。
剣はしっかりと鞘におさまっていてすぐには抜けない。

荊軻が秦王を追いかける。秦王は柱のまわりを廻って逃げる。

居並ぶ家来は皆驚いた。
突然の不慮の事態の勃発に、ことごとく冷静さを失っていた。

そして秦の法律では、群臣で殿上に侍する者は、
寸鉄を帯びることも許されていなかった。

宮中の警護官はみな武器を持って、殿下に並んでいたが、
お召しの詔(みことのり)がなければ殿中に上がることはできない。

事態は緊急の相を呈しており、下に居並ぶ警護の兵を呼んでいるひまがない。

その故に荊軻はずっと秦王を追い続ける。事態は緊急を要している。
殿上にいる臣は荊軻を攻撃する武器を持っていない。
そこで素手でみなで荊軻に殴りかかった。


★後半のクライマックスの場面です。
ここは是非是非、原文を眺め、書き下し文も読んでみてください。

主語が省略されており、言葉の繰り返しがあり、そのひとつひとつの言葉が
短い、まさに実況中継講談調ではありませんか。

是非、原文を読む醍醐味を味わってください。


つづく

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