紫陽花亭日乗

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刺客列傳 第五話 「荊軻」 転の段 3 

投稿者: ajisai110701 投稿日時: 2011/08/11 00:55 投稿番号: [294 / 735]
秦王謂軻曰。取舞陽所持地圖。軻既取圖奏之。秦王發圖。圖窮而匕首見。
因左手把秦王之袖、而右手持匕首●之。未至身。秦王驚、自引而起。袖絶。
抜劔。劔長。操其室。時惶急。劔堅。故不可立抜。荊軻逐秦王。秦王環柱而走。
羣臣皆愕。卒起不意、盡失其度。而秦法、羣臣侍殿上者、不得持尺寸之兵。
裵郎中執兵、皆陳殿下、非有詔召不得上。方急時、不及召下兵。
以故荊軻乃逐秦王。而卒惶急、無以撃軻、而以手共搏之。

●「テヘン」+「甚」    つきさす    チン


秦王、軻に謂いて曰く、「舞陽が持つ所の地圖を取れ」と。

軻既に圖を取りてこれを奏す。

秦王、圖を發(ひら)く。圖窮(きわ)まりて匕首(ひしゅ)見(あら)わる。
因って左手に秦王の袖を把り、而して右手に匕首を持してこれを●(つきさ)す。
未だ身に至らず。秦王驚き、自ら引きて起(た)つ。袖絶つ。劔を抜く。劔長し。
其の室(さや)を操る。時に惶急(こうきゅう)す。劔堅し。
故に立(ただち)に抜く可からず。
荊軻秦王を逐(お)う。秦王、柱を環(めぐ)りて走(に)ぐ。
羣臣皆愕(おどろ)く。卒(にはか)に意(おも)わざること起こりしに、
盡く其の度を失う。

而して秦の法、羣臣の殿上に侍する者は、尺寸(せきすん)の兵を持するを得ず。
裵(もろもろ)の郎中、兵を執り、皆殿下に陳(なら)ぶも、
詔召有るに非ざれば上るを得ず。

急なる時に方(あた)りて、下兵を召すに及ばず。
故を以て荊軻乃ち秦王を逐(お)う。

而して卒(にはか)に惶急して、以て軻を撃つ無し、
而して手を以て共にこれを搏(う)つ。


つづく

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